梅雨が明けたら土用干し! その理由は?
梅干しは漬物の仲間ですが、珍しいのが「干す」という工程があることです。食味はしっとりとしているので「本当に干すなんて」と初めての梅干し作りの際は、びっくりしますよね。天日干しすることで、余分な塩が外に出て、果実がねっとりと柔らかくなります。そして太陽に当てることで、長期保存が可能になるのです。
梅干しは干さないで食べる方法もあります。しかし、個人的な感想では、干したあとに再び梅酢につけることで、より味わい深さが増すような気がするので、やはりこの「干す」は肝心な工程に思えるのです。また、夏ならではの照りつける太陽光に梅を当てると、「やっと梅雨が明けた」「今年も夏がやってくる」という風流を感じます。
梅干しを干すうえでの「絶対的なポイント」
梅雨までの梅干し作りの工程で大事なことは「消毒」でしたよね。今回お伝えする、梅雨明けからの工程では大事なのが「天気予報」になります。昔は「三日三晩」と言いましたが、現代は真夏日が連日続くため、そこまでの時間は要しません。とはいえ、せっかくここまで大事に作ってきた梅干しですから、雨で濡らすのは避けたいものです。そこで頼りになるのが天気予報。梅を干すのにベストなタイミングは、「三日ほど晴天が続く日」ですね。
少し曇っていても、太陽光あるのでそこまで神経質になることはありません。ただ、ゲリラ豪雨に合わないためにも降水確率に関しては注意が必要です。また筆者は鳥からつつかれるのも避けたいため干物ネットを使用しますが、昔ながらの平ざるで乾かす方は、梅がひっくり返ることがないよう、風の強さにも気をつけたいですね。
【実践】梅干しを干そう!
今回は、我が家の干し方をご紹介します。我が家では、1日目干した後に、梅酢に戻しますが、そのまま3日間干しっぱなしにする方法もあります。
1日目
<使うもの>
・ざる
・干物ネット(なければ上記に別の大きめのザル)
・ボウル
<梅干しを干す条件>
・3日ほど天気のいい日が続く(2日目と3日目は夜も雨が降らないこと)
・降水確率が0に近い3日間
1.1日目。午前10時頃、これまで漬けていた梅をボウルでうけてあるザルにあげます。30分ほどそのまま放置し、しっかりと梅酢を切ります。その後、ボウルに残った梅酢は漬けていた容器に戻します。そして、ラップをかけて太陽に当てておきます。
2.梅酢がしっかり切れた果実とシソは、干物ネットに梅を重ならないように並べましょう。シソは大きめのザルでさらに梅酢をしぼり、ザルに貼り付けるように並べて、太陽に当てます。外気が35度以上のときは1日半ほどで乾きます。シソはカラカラに乾いたタイミングで取り込み、フードミキサーにかけるかキッチンバサミで細かくして、そのまま空き瓶に入れて保存し「ゆかり」としてふりかけにします。
3.平ザルを使用している人は梅を干してから2時間ほどの頃合いで、梅をひっくり返します。干物ネットの人は、必要ない工程です。干し始めてから4時間ほどたって、皮の表面がしっかりと乾いたことを確認したら、天日干ししていた梅酢に戻しましょう。乾いていないシソはそのまま干しておいてOKです。