夏休み後半、子どもの心は宿題に表れる!?
夏休みの前半は解放感でいっぱいだった子どもたちも後半になるにつれて、もうすぐ迎える新学期に心が不安定になることも。
少しでも子どもの様子がおかしいなと思ったとき、親はどんな行動をとればいいのでしょうか?
「一番わかりやすいサインとしては、夏休みの宿題です。『やりたくない』ではなく、『手が付けられない』状態であったら注意が必要です。宿題に手が付けられない状態は、単純にさぼりたいというわけではなく、目の前にある大きな不安に押しつぶされそうになっているからです。
そんなときは『どうしたの?』『何か不安なことでもあるの?』と率直に聞いてあげてください。もしその場でお子さんが話し始めたら向き合ってしっかりと聞いてあげてください。子どもによっては、なかなか話したがらない子もいるでしょう。そんなときは、食事の済んだころを見計らってここでも雑談です。そして、気持ちに余裕が出てきたなと思ったら最近の様子を聞いてみてください。ここで大事なことは無理に聞き出そうとはしないこと。話さないときはさっと割り切り、話し出すのを待ってあげてください。これは夏休みに限ったことではありません。普段の生活でも宿題に手が付けられない状態であったら同じように接してみてください」
「緊急事態宣言」が発令されていても、小学校・中学校の教育活動は従来通り継続されています。
コロナ禍でまだまだ不安定な生活は続きますが、子どもたちが笑顔で新学期を迎えることができるように注意深く見守っていきましょう。
お話を伺ったのは……石井 志昂(いしい・しこう)さん
1982年、東京都町田市出身。
中学校受験をきっかけに中学2年生から不登校を経験。同年にはフリースクールへ入会し、19歳からNPO法人全国不登校新聞社が発行する『不登校新聞』のスタッフの一員に。2006年には編集長に就任。現在も多くの不登校の子どもたちと関わりを持っている。
ポプラ新書『「学校に行きたくない」と子どもが言ったとき親ができること』が発売中。
『「学校に行きたくない」と子どもが言ったとき親ができること』
ポプラ新書
定価:979円(税込)