教えてもいないことを叱っていませんか?
さらにぬまっち先生からはもう一つのNGワードを教えてもらいました。
「『早くしなさい』と一緒で親御さんがよく使ってしまう言葉は、『なにやっているのー!』です。この言葉も頻繁に使ってしまう人が多いのではないでしょうか?
低年齢の子に限りますが、たとえば壁に絵を描いていたとします。当然親は『なにやってるのーっ!』と大声を張り上げるでしょう。しかし、子どもからしたら絵を描いているだけの話です。昨日は上手に描けたね! と褒めてくれたのに『なんで?』って思っているかもしれません。
そこで、壁に描いてしまったら簡単には消せないということ、絵を描くならば紙に描くということをきちんと教える必要があります。
他にも夜更かしをしてはなぜダメなのか、食事の前になぜお菓子を食べたらいけないのかなども同じです。子どもにやってはいけない理由をきちんと教えてもいないのに、叱ってはいけないということです」
子どもを叱る前に、立ち止まることが大事
子どもを叱る前に、前もって具体的に説明していたか。教えてもいないことを頭ごなしに叱っていないか。
こうしてぬまっち先生に教えてもらうと「はっ」とさせられます。シンプルなことですが親はつい忘れてしまいがちです。
子どもにとって理不尽な親にはならぬよう、肝に銘じておきたいものですね。
お話を伺ったのは……沼田晶弘先生
1975年生、東京都出身。
国立大学法人東京学芸大学附属世田谷小学校教諭。
子どものやる気を引き出すユニークな取り組みが話題となり、多くのメディアで取り上げられる。『ぬまっち流 自分で伸びる小学生の育て方』(KADOKAWA)など著書も多数手がけている。