『発表がうまくなる! 好きになる! 10歳から知っておきたい魔法の伝え方』(日本能率協会マネジメントセンター)
著者:鈴木深雪
価格:1,650円(税込)
妻のプレゼンに、夫の反応は?
何か家で必要なものがあるとき、特にそれが大きい金額のものだとすると、夫婦や家族で相談することになりますよね。例えばロボット掃除機を買いたいとき、今までこんなプレゼンをしていませんでしたか?
「平日に掃除をするのって、結構大変だよね。特に床の埃が気になるけど、掃除機を出すの大変だし。夜は近所迷惑も考えるとちょっと。でも最近、子どもの咳も気になってて。そういえば、共働きの友達に聞いたんだけど、便利な家電を導入して回してるんだって。うちもロボット掃除機とか買いたいよねー」
こんなプレゼンでは、夫は妻の意見に納得して、購入への行動なんてしないかもしれませんね。でも大丈夫。自分の話し方の傾向を知れば、プレゼン成功への道が開かれるかもしれませんよ。
「聞き手の3大質問」原因と攻略法は?
ロボット掃除機がほしい場合に、家庭内プレゼンで思いを伝えてみたら、相手からこんな言葉をかけられた……。そんな場合に備えて、付け加える内容を考えてみましょう。
「つまり?」と聞かれたなら……
「これは、結論や具体例が抜けている場合に、よく聞かれる質問です。話の最後に『つまり』『まとめると』の一言を足して、自分の要望をハッキリさせましょう」(鈴木さん)
修正文:「~つまり、うちも『お掃除ロボ』を導入して、清潔な環境の維持と家事の負担を減らしたいんだ」
「なぜ?」と聞かれたなら……
「話の主張を支える理由や根拠が抜けがちなときに、よくされる質問です。筋道を整理し『なぜなら』の一言を足してみて!」(鈴木さん)
修正文:「なぜなら、平日は掃除している時間も体力もない。けれど、子どものアレルギー対策は万全にしておきたいから、お掃除ロボットが必要なんだ」
「たとえば?」と聞かれたなら……
「話に具体例などのリアリティが足りないときに、よくされる質問です。『例えば』の一言で、具体的にイメージしてもらいましょう」(鈴木さん)
修正文:「例えば、日中留守にしている間、床のホコリを90%除去してくれるんだって」
想定質問を織り込んだプレゼンにアップデート
夫が納得して行動してもらえるよう、あらかじめ「聞き手の3大質問」を織り込んだプレゼンに修正してみました。
「平日に掃除をするのって、大変だから『ロボット掃除機』を導入しない? なぜなら、平日はお互い仕事していて、掃除している時間も体力もない。けれど、子どものアレルギー対策は万全にしておきたいよね。
例えば、日中留守にしている間、床のホコリを90%除去してくれる掃除機があれば、帰宅後きれいな部屋で過ごせるね。つまり、うちも『ロボット掃除機』を導入して、家事の負担を減らしたいの。どうかな?」
こんな相談なら、家族も早々に導入へ動いてくれそうです。
自分の癖を知っておきましょう
話す場所や相手が違っても、人の話し方にはその人ごとの傾向があるとのこと。「つまり?」「なぜ?」「たとえば?」など、いつもどの質問を多く返されるのか? 普段から自分の傾向を知って、相手に何か伝える際には、前もって攻略法を考えておきましょう。