新型コロナウイルス感染症の影響で、この数年のおうち時間は増加傾向に。最近はコーヒーの飲み方、フレーバー種類ともに多様化していますね。
さて、#コーヒーのある暮らし第2回目は「コーヒーが40代女性にもたらす身体的メリット~前半編~」。元バリスタライターが医学博士の豊田さんに今回もお話を伺い、40代女性に嬉しいメリットをまとめました。さっそくチェックしていきましょう!
コーヒーのカフェインがもたらす3つの効果
テレビやSNSでも「コーヒーを飲むと健康維持に良い」といった情報が多く出回っています。
しかし具体的にどんな効果があるのか、どの成分がなにに良いのか……この辺りの情報がふわっとしていてイマイチ理解できていないという方もいるのではないでしょうか。
まずは、コーヒーが含有する代表的な成分である“カフェイン”について。摂取することによって、40代女性の身体面にもたらされる嬉しい3つの効果からチェックしていきましょう。
覚醒作用で集中力アップ
40代に入ると、更年期の症状に悩まされる方も出てきます。「なんとなくやる気が出ない」といった症状には、コーヒーが効果的です。カフェインがもたらす覚醒作用は、交感神経を刺激することで眠気覚ましだけでなく集中力のアップも期待できます。
自律神経のなかでも、興奮の刺激を全身のさまざまな場所に届ける役割をもつ神経が交感神経です。
少し専門的な話しになりますが、私たちのからだは、摂取したカフェインが血液に溶け込んで血液脳関門を通過し、疲労感や眠気を誘うアデノシンと呼ばれる物質が結合する受容体と拮抗することで覚醒効果を発揮する仕組みになっています。
ランチを食べたあとなどにコーヒーを飲んだ場合、血液に成分が溶け込んで脳まで作用が届くのには約30分かかるといわれています。ひとつの目安にしてみてください。
血管拡張作用でエネルギーを増加
血管が拡張されることにより全身の血流を促進する効果が期待できます。一般的には血圧が下がったり、心臓へかかる負担を軽減したりといった特徴があげられることが多いです。ほかにも、コーヒーを飲むことで得られる血管拡張作用には、40代に入って低下しやすくなった身体のエネルギーを増加させる効果があるといわれています。
具体的には、基礎代謝の低下・疲労回復力の低下・冷え性などの改善があげられます。
また、中枢神経にコーヒーの成分が作用することでからだの機能が高まり、気管支炎喘息の改善、二日酔いにも効果があることが認められています。
病気の予防にも効果あり
国立がん研究センターの研究結果によると、コーヒーを全く飲まない人に比べてコーヒーを1日3~4杯飲む人は種々の疾患の死亡リスク低下が認められています。
※死亡リスクの低下率:全死亡率24%、心疾患36%、脳血管疾患43%、呼吸器疾患40%
その他の研究でも、1日に1~2杯のコーヒーを飲む人は、循環器疾患、特に脳卒中のリスクが低くなる結果に。またコーヒーの摂取量が多くなるほど、肝臓がんの発症率も低くなることが様々な研究でわかっています。
(参考)
・American Journal of Clinical Nutrition, 101, 1029-1037, 2015
・Journal of Epidemiol Community Health, 65, 230-240, 2011
・Journal of National Cancer Institute. 97, 293-300, 2005
コーヒーに含まれる抗酸化物質は、アンチエイジング効果(老化防止)もあるといわれているため、からだの内側の病気だけでなく見た目の美しさにも良い影響を与えてくれます。
……次回は「「コーヒーが40代女性にもたらす身体的メリット〜後半編〜」。カフェインだけじゃない、コーヒーに含まれる魅力的な成分と効果についてご紹介します。お楽しみに!