教えてくれたのは……永松茂久さん
90万部突破のベストセラーとなった『人は話し方が9割』の著者、永松茂久さんの最新著書『人は聞き方が9割』から、人に好かれるようになる話の聞き方について教えていただきました。
『人は聞き方が9割』(株式会社すばる舎)
著者:永松茂久
価格:1,540円(税込)
こんな聞き方が嫌われる原因に
相手の意見に対し「それは違う!」とバッサリ言い切った場合と、「そうだよね、わかるよ。それならこういう方法も……」と一度共感してから話した場合。伝えたいことは同じなのに、相手に与える印象は180度変わります。あなたなら、どちらの人と仲良くしたいですか?
永松さんによると、話を聞くときにやると損することがあると言います。聞き方で損しないために、覚えておくと役立つことを教えていただきました。
(1) 違う意見の人を否定しない
(2) 自分の常識を押し付けない
(3) 相手の話にマウンティングしない
(4) 日常会話では結論を求めない
(5) 相手の話の答えや解決策をはじめから言わない
(6) 話をさえぎらない、途中で話を変えない
(7) ネガティブな言葉は極力使わない
(8) 相手に不用に深入り、干渉しすぎない
(9) 「ここだけの話」は絶対人に言わない
違う意見の人を常に否定したり、自分の常識を押し付けることが積み重なっていくと、相手はあなたに警戒心を抱きます。その警戒心がさらに強固になると、相手の心のドアは固く閉ざされ、冷え切った人間関係に……。
聞き方で損しないために、人とのコミュニケーションの際にはこれらの9つのことを意識してみましょう。
口下手の人の方が人気者に!?
自分は話下手だからうまく話すコツを教えてほしい! と思うこともありますよね。でも、人に好かれる話し方はとても高度なテクニックや言い回し、語彙力が必要で、すぐに身につけるのは難しいかもしれません。
でも、あなたの周りにいませんか? おしゃべりではないのに、なぜか人気のある人。相手が話さなくても、一緒にいて心地よい人。周りの人と自然にコミュニケーションが取れる人……。そんな人たちを観察してみてください。きっと、あることに気がつくでしょう。
「その人は、相手の話を聞く時間が長いはず。人は本来、話したい生き物なんです。だから、相手の話す時間を削って自分の話をする人よりも、相手が話しやすいように配慮する人、つまり聞く力を持っている人のほうが、相手の願いに沿っているため、結果的に人に好かれることになります」(永松さん)
リアクション美人で好かれる人になる
実は、人間関係を円滑にしたいなら、「話す力」ではなく「聞く力」の方が大事だったんですね。
永松さんによると、聞く力を高めることはとても簡単。以下の2つのテクニックを使うだけで、好かれる人に近づくことができるんです!
(1)相手の話をうなずきながら、聞くこと
(2)まず「そうだよね、わかるよ」と、相手の話に共感ワードで返すこと
(2)で勘違いしやすいポイントがあります。それは、共感するのは「感情」であって「内容」ではないこと。相手が大変な思いをしたときは、その大変だったという気持ちに寄り添いましょう。
もちろん、2つのテクニックを使って、すぐに相手と親密になれるわけでもありません。うなずき+共感ワードを日常的に使い続けることで、相手の心にこんな変化が見られます。
相手「あれ? なんか安心する」
↓さらに、うなずき+共感ワード
相手「うわ、やっぱり安心する。もっと話したい」
↓さらに、うなずき+共感ワード
相手「安心したー、もっと聞いてー」
↓さらに、うなずき+共感ワード
相手「たくさん聞いてくれてありがとう。大好き。また会いたい!」
このように聞く力を高めると、徐々に相手の心の扉が開かれ、あなたは好かれる人に変化していきます。
今度はあなたが誰かの孤独を救えるかも……
人間関係が崩れると、自分の全てを否定された気持ちになりますよね。でもきっと、好かれる人になる聞き方を身につけたあなたなら、崩れかけた関係を修復できたり、新しい信頼関係を築けたりすると思います。
「世の中には、いろんな人がいます。残念ながら、幸せな人ばかりではありません。人は孤独になると、判断を誤ると聞いたことがあります。人の話を聞くことは一見地味ですが、相手に与える安心感は、相手にとって想像以上のギフトなのです」(永松さん)
ぜひ、身につけた「聞く力」を、自分のためだけでなく、大事な人のためにも活用してください。あなたの「聞く力」が、きっと家族や友人の笑顔を生み出す原動力になるはずです。