地域の日本人の力が必要です。
国際交流協会(センター)が、地域の外国人を支援していることは前回の記事でもお伝えしましたが、今回は「日本人にとっていいコト」をご紹介します。
公益財団法人吹田市国際交流協会(SIFA:しーふぁ)で人気なのが「語学教室」。英語を中心に中国語や韓国語のクラスがあり、1年、半年、10回など、ライフスタイルや目的によって選べます。受講者としては一般の英会話教室と比べて良心的な受講料も魅力の1つです。
個性あふれる授業が魅力!
もちろん、語学教室の講師はネイティブ。この日訪れたのは、アメリカ人講師のHosea先生のクラス。レベル1なので、日本語の上手なHosea先生が時々アシストしながら、受講生のレベルに合わせます。この日はクリスマス直前で「実はトルコの人が最初のサンタクロースだったんだよ!」「どうしてクリスマスツリーはもみの木なのか知ってる?」と、興味深い話題で会話をもりたててくれるので、月曜の朝にも関わらず教室はとても賑やかでした。
日本語が分からない時?変顔をします!(笑)
ここで、Hosea先生にお話をお聞きしました。
──何年、英語講師をしていますか?英語を教えることは楽しいですか?
Hosea先生:今年で20年になります。生徒の態度にもよりますが(笑)基本的に楽しいです。
──英語を教えるのは難しいですか?
Hosea先生:ターゲットにより難しさが変わると思います。日本人に英語を教えるのは、今ではそんなに難しいとは思わなくなりました。私は日本人の発音には慣れていますが、中国人や韓国人の発音はまだ勉強中なので、難しく感じます。
──では、ご自身が日本語を話すことはどうですか?
Hosea先生:最初は独学で勉強をしていて、そのあとSIFAの日本語教室で勉強しました。難しいと感じますが、脳への刺激になっていると思います。私にとって話すことは命なので、どんな言語でも話すのは好きです。特に!日本語の特徴である「主語抜き」で話すのはめっちゃ好きです!!たまに混乱するけどね(笑)。
──日本語が分からない時にはどうしますか?
Hosea先生:変顔をします(笑)。そうすると話している相手は、もっとやさしい言葉で説明してくれる(笑)。
──これから、日本でどんなことがしたいですか?
Hosea先生:自殺防止活動をしていますが、今後も続けたいです。去年の夏にバイリンガルの絵本「Japanese Fried Chicken」を出版しました。日本の図書館でも見つかると思います。この本のおかげで大学でのレクチャーも依頼されるようになりました。日本にいる間、さまざまな家族を励ましたいと願っています。
日本語チューターボランティア
専門の資格が無くても、養成講座や説明会などでレクチャーを受けた人が、外国人の日本語学習に寄り添う「日本語チューター」というボランティアがあります。マンツーマンまたは1対2での学習になるため、学習だけでなく日々の生活での困りごとなどを相談できる心強いパートナーになっているようです。
今回は長くSIFAで日本語チューターとして活躍している、西川利子さんにお話を伺いました。
日本人コミュニティに入れる道筋になれば…
──日本語チューターとして心掛けていることや、難しい部分は?
西川利子さん:学習者さんに、たくさん発話してもらうことです。大きな悩みはありませんが学習者さんの望むような活動ができてるかなと自問自答することは度々あります。
──印象的なエピソードはありますか?
西川利子さん:印象的だったのは、ネパール人のSさん。オンライン学習だったのですが、その時妊娠中で出産前に病院に提出する山のような同意書との格闘。外国人が日本で出産することがどれだけ大変かがあらためてわかりました。無事出産されて赤ちゃんをビデオで見せてくれた時は本当にうれしかったです。
──日本にに住む外国人が日本語以外で困っていることはどんなことでしょう?
西川利子さん:たくさんあると思います。お役所関係の手続き、子育てに関わる手続きなど日本人でもめんどくさいことなので。あとは、日本人のコミュニティの中での居場所をみつけることでしょうか。
──もしも、お隣に外国の方が引っ越して来られたらどのように話しかけるといいですか?
西川利子さん:やさしい日本語で話しかけてください。うまくコミュニケーションがとれないことも多いと思いますが、関わることをあきらめないでもらいたいです。
──日本語チューターをすることで、何か自分自身に変化はありましたか?
西川利子さん:いろんな国の人と接するので身近に思える国が増えました。あとは、これは外国人に限らず、思い込みや先入観で人を判断しないことを心がけるようになりました。
私サイズのインターナショナル!
外国人を支援する、というと語学が堪能で外国で暮らした経験のある、生活に余裕のある人がやること……と、思われそうですが、実際は気軽な習い事として語学を学びに来た人たちが、次第にさまざまな国の文化や国際交流に興味を持ち、ボランティアデビューする……というステップも多いようです。
自分に合った活動で支援を!
外国語ができなくても、日本語チューターに加え、外国人親子との交流や、学習支援など、ボランティアの活躍の場は多岐にわたっています。
学生時代に培った英語をもう一度!とか、K-POPにハマったから韓国語を習いたい!という思いから、あともう1歩踏み出して、ぜひ地域に住む外国人の方々への支援にも目を向けてもらえたら……と思います。まずはあなたの町の国際交流協会(センター)にアクセスしてみてくださいね。
※現在、吹田市国際交流協会では、4月スタートの語学教室の受講生を募集しています。