「最近元気ないかも…?」お子さんと"対話”するときに思い出してほしい3つのこと

家族・人間関係

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2022.04.12

臨床心理士・公認心理師のyukoです。子どもと一緒に生活する中では、なんだか最近元気ないかも?と感じることもありますよね。でも、どう声をかけたらいいかわからない、声をかけても無視されたり、そっけなかったりする。「どんな風に声をかけていいのかわからない」というお悩みをよくお聞きします。親子だからこそ難しいコミュニケーションもありますよね。子どもに寄り添い、「対話」するために思い出したい大切なことについて考えていきます。

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もくじ

子どもの見ている世界とは
子どもが悩んでいるときに思い出したい大切なこと
1.悩みを話せるタイミングと、親が尋ねるタイミングは一致しない。
2.子どもは、身近にいる人同士のコミュニケーションを見ている。
3.「周囲の人に頼るのが役に立つ」という感覚を築いておく。
鍵となるのは「ご機嫌なコミュニケーション」

子どもの見ている世界とは

子どもは成長していく中で、親に話さないことが増えていくものです。友人に悩みを打ち明けたり、ときには自分の中に留めておいたり。

大人の階段には、「甘え」と「自立」が葛藤し続けます。
1人で歩くのを邪魔しないでほしい。一方で、帰る場所にはなっていてほしい。子どもはそんな願いを抱いているのかもしれません。

悩む子ども出典:www.photo-ac.com

親としては、大切なことを話してくれないのは寂しいですよね。
一方で子どもは、反抗心・自立心・親に迷惑をかけたくない気持ちの狭間で揺れています。

子どもに寄り添いたいとき、どんなことを大切にしたらいいでしょうか。

子どもが悩んでいるときに思い出したい大切なこと

1.悩みを話せるタイミングと、親が尋ねるタイミングは一致しない。

親が声をかけても応えないのは、なぜでしょうか。

  • 不安や怖さ、怒りや悲しみなどが入り混じり、整理できていない。
  • 子どもの年で考えられることを精一杯案じている。
  • 言ったら悲しまれる、怒られると予想している。
  • どんな言葉で伝えたらいいか、迷っている。
  • 面と向かっては言い出せない事情がある。

頭を抱える子ども出典:www.photo-ac.com

「言いたくない」は、「(今は)言いたくない」という意味かもしれません。子どものタイミングまで待つ優しさも必要だと思います。
また、手紙やLINEなら打ち明けられることもあります。面と向かって話す以外の選択も、ときに有効かもしれません。

2.子どもは、身近にいる人同士のコミュニケーションを見ている。

子どもの観察眼は、想像以上に鋭いものです。

兄や姉がどのように両親を説得しているか。
母と父はどうして喧嘩しているか。
先生は誰に何を注意しているのか。

子どもの視点でよく見ています。

見つめる子ども出典:www.photo-ac.com

そして、説得の成功例や失敗例、仲直りの方法、何をしたら怒られるのかも、学んでいるのだと思います。
身近な人との距離感は、いくつになっても難しいものですよね。

子どもとどのように向き合っていくか、同時に親が周囲とどう付き合っていくか。大人の世界を生きながら子どもと接するのも大変だと思います。
子どもの前では、笑顔の多いコミュニケーションを見せられるといいですよね。

3.「周囲の人に頼るのが役に立つ」という感覚を築いておく。

子どもの失敗を案じながら、見守る姿勢を保ち続けるのは容易ではありません。
ただ、子どもは親が思うよりも早く成長し、たくましい一面も備えていくものです。

この子自身は、この問題とどう向き合っていくのか。

それもまた、親の予想を超えていくのかもしれません。

親に求められる役割は、「困ったときに周囲を頼る選択」を伝え続ける関わりだと思います。
なぜなら親は、子どもを残して旅立つ存在だからです。
長い目で見たときに必要なのは、「周囲に頼りながら、自分で立ち上がる力」です。

勉強する子どもたち出典:stock.adobe.com

ときに親として、子どもの”1番近く”にいたい気持ちがあるかもしれません。
ただ、”誰が1番”という考えだけではなく、”できる人がやればいい”という発想もあります。

人と話すのが苦手な子は、親が架け橋となり、スクールカウンセラーや習い事、療育などの支援施設に繋がる経験も大切になってきます。

子ども 面談出典:stock.adobe.com

人は、一人では生きていけません。子どもの一歩後ろで歩きながら、見守る存在が支えになると思います。

鍵となるのは「ご機嫌なコミュニケーション」

何かあったとき、頼りにするのは、どんな人でしょうか。

聡明な人、意見をしっかり持っている人、相手の意見を否定しない人。
そして、温かい思い出を共有してきた人にこそ、相談しようと思うのではないでしょうか。

相談する女性出典:www.photo-ac.com

楽しさも嬉しさも共有している人にこそ、ぽろっと本音を話してしまうものです。

嬉しそうに帰ってきたとき、「なんかいいことあった?」と聞いて一緒に喜ぶ。
夢中になっているゲームについて、どんなところが面白いのか尋ねる。

何気ない「ご機嫌なコミュニケーション」こそ、悩んだときに生きてきます。

親子 後ろ姿出典:unsplash.com

幸せな時間を過ごした相手にこそ、辛い悩みも共有できるはずです。
喜怒哀楽を分かち合える関係性を育めるといいですよね。

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著者

yuko

yuko

臨床心理士・公認心理師。現在は小児の総合医療センターと大学の心理教育相談センターにて勤務。児童期から思春期の子どもへのカウンセリングやプレイセラピー、子育てに悩む保護者の方への育児相談を専門にしています。色彩心理学やカラーコーディネートについても学んでおります。

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