教えてくれたのは……管理栄養士 細野恵美さん
2005年から2010年まで千葉ロッテマリーンズにおいて選手の栄養管理を手がけ、チームは日本一を二度達成。その後、森永製菓(株)ウィダートレーニングラボに入社、浅田真央、錦織圭らの管理栄養士として、選手の躍進を支えた。現在はフリーランスとして活躍中。主な著書は 『一流アスリートの食事 勝負メシの作り方』(三五館)『スポめし賢く食べて結果を出す!』 (朝日出版新聞)、『強く美しくなる食事』 (大和書房)。
アラフォー女性には、美容面でも欠かせないタンパク質
育児や仕事に忙しいと、ついつい「おにぎりだけ」「サンドイッチだけ」といったランチをとりがちです。でもこの食べ方は栄養バランスの崩れを招き、カラダの機能が低下して、免疫力を弱めることにつながる可能性があると細野さんは言います。
美容面でも欠かせないタンパク質
そもそもタンパク質はどんな働きをしているのでしょうか?
「ヒトのカラダは、60%が水分で20%がタンパク質で構成されており、水分をのぞいた部 分の約半分を占めています。タンパク質は、筋肉や臓器を構成するほか、血漿(しょう)成分など重要な働き手であり、血液中で酸素を運ぶヘモグロビンもタンパク質でできています。
女性が気になる美容面でもタンパク質は欠かせません。ぷるぷる肌を保つ成分として注目されるコラーゲンもタンパク質。また、髪の美しさを保つキューティクルや爪、女性のからだ特有のトラブルや美に関わる女性ホルモンも全てタンパク質でできています。さらに、“タンパク質といえば筋肉”といわれるほど代表格である筋肉は、基礎代謝をあげてダイエットをサポートしています。」(細野さん)
細野さんによると、タンパク質は日々壊されてはつくられ、新陳代謝を繰り返しているとのこと。常に新陳代謝を繰り返すタンパク質のために、食事から摂取していく必要があるそうです。
糖質だけランチは要注意!
忙しい人はサッと食べられるランチをとりがち。でも細野さんは、「糖質とタンパク質は一緒に摂取すべき」と言います。
「強い体をつくるには、バランスの取れた食事をとることが重要で、糖質とタンパク質は一緒に摂取する必要があります。糖質だけではタンパク質不足になるのはもちろんですが、逆に糖質をとらないと、エネルギーを作り出すために体内のタンパク質を分解し、筋肉が合成されにくくなってしまうのです。
おにぎりだけ、パンだけではなく、意識して糖質にタンパク質をプラスしていきましょう。」(細野さん)
おにぎりやサンドイッチに、タンパク質10gの食品を追加して
ではタンパク質をどのようにプラスするとよいのでしょうか。
「肉、魚などタンパク質の摂取はどうしても夜に集中する傾向にありますが、1日に必要なタンパク質を、朝、昼、夜に分けてとることが重要です。1食当たりのタンパク質摂取量は20〜35gが目安。この量を毎食とるようにしましょう。」
特にランチのタンパク質量が少なくなってしまう傾向にあるため、意識してタンパク質をとるように心がけることが必要なのだそう。
「具体的には、シャケや明太子などタンパク質が入ったおにぎりを選ぶ場合、2個で10g程度のタンパク質が摂取できますので、サイドディッシュは10g以上のタンパク質が入ったものをプラスして下さい。最近は、タンパク質の量が記載されている商品が登場しているので計算しやすいと思います。
梅干しや昆布だとタンパク質はほとんど摂れませんので、サイドディッシュはプラス20gのタンパク質を目指しましょう。」
コンビニでランチを買うならこの組み合わせ!
忙しい日のランチをサッと買うためコンビニを利用する方も多いはず。そんなときは、細野さんのオススメの組み合わせを教えていただきした。
サンドイッチ+スープ
サンドイッチ+ポッカサッポロ『きちんとチキン 鶏だし白湯スープ』
おにぎり+スープ
おにぎり+ポッカサッポロ『きちんとチキン 鶏がら醤油スープ』
おにぎり+厚焼きたまご or シュウマイ
おにぎり+ローソン『切れてる厚焼き玉子』
おにぎり+ ファミリーマート『肉汁たっぷり肉シュウマイ』
そば+ジャンボフランク or 茶碗蒸し
そば+ファミリーマート『ジャンボフランク』
そば+セブンイレブン「たんぱく質が摂れる だし香る豆乳茶碗蒸し」
今はタンパク質がおいしくとれるカップ入りスープなどもコンビニに並んでいますので、そんな商品も活用しながら、おいしくてバランスのいい食事を取りたいですね!