腸活しても変化がイマイチわからない…。医師が教える「腸内環境改善の合図」

心と体

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2022.06.19

腸活しているという方も多いのではないでしょうか。しかし、腸内は自分で見ることができないため、腸内環境がよくなったのかどうかはわかりにくいもの。そこで医師の川本先生に、腸内環境にいい食事や改善した目安などについて詳しく教えていただきました。

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教えてくれたのは……みなと芝クリニック 川本徹院長

川本先生

"メスをとれる内科"たる外科医になれ」の教えの元、筑波大学附属病院の消化器外科で、内科医よりも内科的な外科医をめざす。2010年に東京の三田駅近くにみなと芝クリニック開院後、現在の地でリニューアルオープン。内科や外科から、皮膚科、整形外科、胃腸内科、大腸肛門外科まで、幅広い診療を行っている。日本外科学会認定医、日本消化器外科学会認定医、日本消化器病学会専門医。

善玉菌を増やすためにとるべき食材

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先日、腸内フローラの状態がわかる検査キットを活用して、腸内検査をした私。その結果からまさかの痩せ菌がいないことが判明しました。
そうはいっても、極端に太りやすい体質というわけではなく、腸内に善玉菌を増やすことが大切とのこと。まずは腸内環境にいいとされる食事のとり方について、医師の川本先生に教えていただきました。

――前回、腸内には善玉菌は多ければ多いほどいい、と伺いました。善玉菌を増やす食生活にすることが大事ですね。

川本先生:そうですね。腸内にビフィズス菌がある状態だと、生活習慣病や動脈硬化、心筋梗塞、糖尿病、癌などさまざまな病気になりにくいと言われています。 ビフィズス菌などの善玉菌は、「水溶性食物繊維」を餌として増えていきます。食事では水溶性食物繊維をたくさんとりましょう。普通の食事では自然と不溶性食物繊維が多くなるので、努めて水溶性食物繊維を食べるとバランスがよくなります。

例えば、オクラや納豆、山芋などのネバネバした食材や、海藻類、ごぼうなどがいいですよ。あとキムチやチーズ、ヨーグルトなどの発酵食品の成分も善玉菌を増やしますし、納豆菌は善玉菌と協力して腸内環境を良くする働きをすると言われています。

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悪玉菌を増やさないのが一番!

――先生ご自身が腸にいいと思って取り入れている食事はありますか?

川本先生:僕は一般的に腸にいいと言われるオリゴ糖を食べると、お腹が張って仕方がないので避けています。ヨーグルトなども食べすぎるとお腹を壊す人がいるように、必ずしも自分にいい食事が他の人にいいとは限らないので、絶対コレがいいというものはないんです。

――そうなのですね。

川本先生:それよりは、悪玉菌を増やさないようにする食事が大事。
揚げ物や肉類など、動物性脂肪が多い食事は悪玉菌の天国となります。できるだけ減らして、植物性タンパク質や水溶性食物繊維をとってください。

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2週間で変化がないなら自分に合っていない

――食事を変えてからどれくらいで腸内環境がよくなるものですか?

川本先生:腸内細菌叢が入れ替わるのは、約1カ月から40日くらいかかります。結構時間がかかりますよね。

腸内環境は目には見えませんが、腸内環境がよくなったことは、便通が増えたり、便の状態がよくなったりすることでわかります。また肌が荒れていた方は、腸内環境が良くなったことで改善することもあります。患者さんの中には、アレルギーやアトピー性皮膚炎がよくなったという人も実際にいます。

食生活を変えてから2週間見て、全く変化がなければ自分に合ってないと思って、どんどん変えていくといいですよ。あるものを食べたらお腹が張って苦しいとか、逆にゆるくなるようならそれは止めたほうがいいでしょう。

ーー腸にいいとされる食事を始めたら、まずは2週間様子を見ることから始めてみたいと思います。

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