令和のサービスで昭和のおいしさを
14時間ほぼほぼ密着取材をしていると、作り置きをせず注文が入ってから調理を始める丁寧な仕事ぶりに「昭和」を感じるのと同時に、端末でオーダーを管理するシステムや、コーヒーマシンなど、昭和にはなかったレトロとは対極の近代的な機械がサンシャインのサービスに貢献していることに気づきました。
「先代が新しモノ好きで『便利なものはどんどん使えばいい』という主義なんですよ。意外でしょ?(笑)コロナ禍にUbarを早くから導入しましたし、コーヒーマシンは抽出が早くて便利なだけではなく、誰が淹れてもおいしさを提供できる利点があり、オーダーシステムはミスを防げるので、お客さまをお待たせしないために役立っていると思います。」
昭和感が漂う喫茶店とはいえ、何もかもが50年前と同じ…ということではありません。先進的なシステムを積極的に取り入れて、味にムラの無いコーヒーの提供や、オーダーミスを防ぐなど、さまざまな工夫をされています。
お仕事帰りにホッとひと息
【15:45】
行列が続いていた15時台。着席するなりピンクのスマホでメッセージを送るお仕事帰りらしい女性が。
ーーお仕事帰りに寄られたんですか?メッセージはご家族に?
ステキ★ワーキングマザー:ええ、そうです。ここには月に3回くらい…アイスティーオーレは初めてなんですけど「あ~おいしい!」って(笑)もうリピ決定です。仕事が終わっても、帰宅したらまだ家事が待っているので、ここで気持ちを切り替えるんです。「さっ!家でも頑張るぞ!」って(笑)。
仕事終わりに家族やお友だちにメッセージを送信しながら、ホットケーキでホッとひと息。帰り道ではお買い物、帰宅をしたら夕飯の支度…と続く主婦仕事。だから気持ちの切り替えって本当に大切。「あ~おいしい!」の笑顔が素敵でした。アイスティーオーレ、次は私も味わってみなくちゃ。
ディナーもカフェも楽しめます
この日は21時までの営業。18時を過ぎるとオムソバやカレーなどのフードメニューのオーダーが増えてきました。
夜まで充実のフードメニューは梅田で働く人々にとって頼もしい限り!
とはいえ、人気のホットケーキもラストオーダーまで注文が途切れません。そういえば、飲み会帰りにコーヒーを飲みながらのおしゃべりは、お酒の席とはまた違って、しみじみ楽しいものですよね。
賑やか華やか美女軍団登場!
【18:50】
6名の美女軍団が登場!みなさんおしゃれで華やかで、パワフルキレイ!
恐る恐る?話しかけてみると、息の合ったトークが炸裂!
ーーええっとみなさんはどういうお仲間で、今日は…(言い終わっていない)
「共通点は全員独身!」
「婚活パーティ仲間かな?!」
「ま、絆は強いよ~っ!」
「5人は3時から飲んでて、ひとりが仕事でここで合流ってことになって」
「ちょっとご飯も食べられて、お茶できるところ…ってことで調べてくれて」
「レトロでいいやんね~」
「お客さん見てみたら、みんなホットケーキ食べてるし…」
「これ、きっとおいしいんやな!って注文してみてん、そしたら大当たりやん!」
「もうびっくりした、ふわふわで!そりゃこれ食べな~って」
「なんか、お母さんの味やったぁ~」
「ほんまほんま…それやわ」
トレダカ満点なトークを展開してくださり、感謝!きっとみなさんおひとりおひとりが各自の持ち場で「頼れるパワフルなお姉さん」として頑張っておられるんだろうな…と想像できました。「〇〇さんに聞いてみて」「〇〇さんについて行けば大丈夫」そんな風に言われてそう。もっとたくさんお喋りしたかったなぁ。
のんびりまったりカップルも。
【19:15】
ニコニコと笑顔で言葉を交わす20代のカップル。彼は今日で4回目、彼女は2回目とのこと。
ーー喫茶店にはよく来られるんですか?
彼:スタバもいいけど喫茶店も好きですね。いつも時間が無くてなかなか頼めなかった2カップでコーヒーを飲めて今日はウレシイです。
彼女:私は仕事帰りで彼はお休みで、念願のホットケーキを食べようと思って。
よくお酒を飲みにも行くというふたり。もしかしたら今日は少し久しぶりだったのかな?ふふふ、と彼女の笑い声が可愛らしい素敵なカップルでした。
明日の準備が始まります。
19時を過ぎるとマスターはカウンター内で明日の準備に取り掛かります。人気のプリンはさすがにその都度作るには時間がかかるため、前日に準備。型の中にはカラメルが卵とミルクとお砂糖の液体を待ち構えています。
20時ごろになると、オーブンで焼かれて準備万端。次は、ネルドリップのアイスコーヒー。こちらはひと晩、ネルの袋に投入されたコーヒー豆を水に浸して抽出。味わい深く、すっきりと飲みやすいアイスコーヒーの秘密です。
仲良し姉妹のオーダーは?
【20:00】
姉妹で仕事帰りに居酒屋の帰り、とのこと。ホットケーキを仲良くシェア。
左のお姉さん:月イチで待ち合わせをしてご飯に行くんです。今日は私がここを見つけました。
ーー居酒屋帰りでもホットケーキは別腹?
右の妹さん:クリームモリモリなタイプじゃないから、食事の後でも寄れるかな…って。
ーードリンクは好みが分かれるんですね?
お姉さん:今日はカフェオレとティーオーレ。ドリンクはおいしいしスタッフさんがいい感じでゆっくりできるね。
妹さん:うん、また来たいね。
静かに語らう仲良し姉妹。友だちには言わないような話もきっと分かち合えて支え合っているんだろうな。心強いね、そしてちょっとうらやましい…。
喫茶サンシャイン<密着取材>を終えて
50年前ならお客さまの注文が入ってから、粉を計量してホットケーキを焼くお店や、パンを切ってトーストを焼くお店は他にもあったはず。
しかし時を経て、様々な便利な道具や機械が登場し、保存についての技術が発達し、業務用冷凍食品も次々と発売され、今はカタチだけならちょっとした思い付きでカフェを経営できる時代に。
そんな中でも従来のスタイルを失わずに続けて来たお店だけが、令和の時代に「喫茶店・純喫茶」という懐かしくて新しいジャンルを確立し、人気を得ています。昭和の時代の「普通」を粛々と続けるご苦労と潔さ、そしてその心意気と誠実さを支持するお客さまの熱い思いをひしひしと感じる1日でした。
喫茶サンシャイン
〒530-0057
大阪府大阪市北区曽根崎2-11-8 B2
大阪市営地下鉄谷町線 東梅田駅 7番出口 地下直結すぐ
営業時間
〔 平日 〕 7:00~20:00(ラストオーダー19:15)
※ 先代マスターの引退により営業時間が変更になりました。
長らくお疲れさまでした!
〔 土日祝 〕 8:00~18:30(ラストオーダー18:00)
定休日
第3日曜日·不定休
※お休みは毎月変わります。SNSをご確認頂いたけると幸いです。
※記事内の写真に写っている方には記事掲載の許諾済みです。取材にご協力頂いたマスター、スタッフの皆様、お客様、ありがとうございました!