大阪で1番の激戦区で50年。人気店「喫茶サンシャイン」を愛する人たち。<密着取材>

カルチャー

2023.04.20 更新

「密着」することで見えてくるノンフィクションにこだわった新連載の1回目。大阪で一番の飲食店の激戦区梅田で、創業50年を迎える「喫茶サンシャイン」にオープンから閉店までほぼほぼ徹底密着!大人気のホットケーキのおいしさの秘密や長年通い続けるお客さまや「今日初めて!」と仰るお客さまにお話を伺いました。

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大阪で1番の激戦区で50年「喫茶サンシャイン」

サンプルイメージ懐かしめのサンプルと焙煎機が入口から見える純喫茶。
大阪で一番の激戦区で創業50年を迎えました。

梅田エリアはカフェ、喫茶店のみならず飲食店の大阪で一番の激戦区。喫茶サンシャインはこの地で50年の歴史を誇る、いわゆる純喫茶。人気メニューと言えば、ホットケーキ、オムライス、ピザトースト、プリンにクリームソーダ、カレーピラフ…と、お客様にお聞きするとさまざまなメニューが飛び出します。

つまり、ハズレ無しのお店が喫茶サンシャイン。今回は新しい試みで、そんな老舗喫茶の人気の秘密と、どんなお客さまがここを支持されているのか…を取材すべく3月下旬のある日「オープンから閉店までほぼほぼ密着取材」を敢行しました!

オープンは午前7時

ホットケーキ計量朝7時のオープンとともに、食パンやレーズンパンがスライスされ、
ホットケーキの粉と卵、ミルクの計量が始まりました。

店名とは趣が違い、ビルの地下にあるため日の光は無く、少々見つけづらい場所にあるので「偶然通りかかった」お客さまはとても少なく、「わざわざ目指して行く」お店として有名です。

そのオープンは午前7時。オフィス街にあるため、スーツにネクタイの男性やスプリングコートを椅子の背にかけた女性の姿が目立ちます。

大人気のモーニング

モーニングメニューオープン間もない7時台では、Bモーニングが大人気。
「レーズンパンのトーストがおいしいんですよ。出しているお店は少ないけどね。」
と、長年通う女性ファンの言葉にもお店への愛情がひしひしと。

モーニングと言えば、トーストに卵、サラダやヨーグルトにコーヒーが定番。もちろんここにも同様のメニューもあり人気ですが、サンシャインの特徴は、それ以外のメニューも充実しているということ。しかもモーニングは11時までです。

モーニング色々お決まりのトースト以外にも厚切りやサンドイッチ、
人気のホットケーキも!

「せっかくだからサンシャイン!」

お客様1最初にお話を聞いたのは、以前梅田付近にお勤めだった女性。

【7:16】「えっ?saita?知ってますよ!読んでます。」そう言ってくださったのはホットケーキとミックスジュースを優雅に味わう女性。好感度の高い清楚なファッションが印象的。ここには以前は梅田にお勤めだった頃によく通われていたのだそう。今日はこのあたりに用事があり「せっかくだからサンシャインに来たくて。」と、わざわざ早朝に立ち寄られたとのこと。「ホッとする場所ですよね。」とにっこり。もしかすると、今日はちょっと慌ただしい日になるのでしょうか?そんな1日のスタートにホットケーキとミックスジュース。きっといい日になりますね。

ホットケーキの人気の秘密

初代マスター終日味わえるホットケーキはサンシャインの超人気メニュー。
モーニングの時間帯には、初代マスターが1枚1枚丁寧に焼き上げます。

一方、キッチンでは、この日ヘルプでご登場の初代マスターが大活躍。注文が入ってから粉を計量して卵、ミルクを調合するホットケーキはふわふわで、この店一番の人気メニュー。決して作り置きはしません。

初代ホットケーキに限らず、フード類の作り置きは一切せず
オーダーが入るごとに1から作り始めるのがサンシャイン流。

週4で通う理由は正確なオペレーション

お客様2週4でモーニングに通うという女性。
「Bセットが気に入ってるんです」。

【7:36】次にお話を伺ったのは、saita世代の「週4で来てますよ。Bモーニングがお気に入りで。」とWBC優勝を1面で伝える新聞を店内の棚から手に取った出勤前の女性。聞けば以前は転勤したにも関わらず、わざわざ回り道をしてここでモーニングを楽しんでから出勤していたこともあるほどの大ファン。

モーニングB常連さんにファンの多いBモーニング。
通常メニューはレーズントーストに卵、ドリンクで、
ヨーグルトやサラダはオプションとして付けることもできる。

「いつも混んでいるけど、スタッフYさんのオペレーションが素晴らしくて朝から気持ちよく過ごせるんです。オーダーが通ってないとか、コーヒーが冷めているなどのトラブルは一度も無いから忙しい朝でも安心。モーニング以外にもカレーピラフもおいしいし、疲れた日にはホットケーキがいいんですよ。」とお話してくださったところで、新聞置き場で何かを探す男性客に気づかれました。するとすぐに丁寧に手元のスポーツ誌をたたみ、所定の位置にへ…お店への深い思いとともに、他のお客さまへの優しさ。気配りとふるまいに心が温まりました。

「北海道から来ました!とにかくうますぎる!」

北海道男子「梅田で朝ごはんを食べようと思ってネットで検索しました。
決め手はホットケーキです!」

【8:15】北海道からやってきたという大学生男子3人は、4月から社会人ということで卒業旅行中。今日はこれから京都観光の予定で、梅田で朝食を…と検索して辿りついたのが、ここサンシャイン。決め手は?と聞くと「ホットケーキの写真がおいしそうで。」「ミックスジュースは北海道ではほとんど無いし。」とのこと。

お客様③テーブルこのパーフェクトなオーダーを見よ!
ネットで研究し尽くしてやったきた…というのがよくわかります。

感想を聞いてみると、「ふわっふわのホットケーキがとにかくうますぎる!」「クリーミーなジュースは初めて飲みました。おいしい!」と、うれしそう。プリンをしっかり注文してる子もいて、思わず褒めちぎってしまいました。彼らを採用した会社は、どうかこの将来有望で感性豊かな新人たちを大切に育ててほしいものです。そしてまた大阪にも来てね!

8時を過ぎるとキッチンは大忙し

卵トーストサンド用の卵を丁寧に焼く初代マスター。
常連ビジネスマン&ウーマンの方々よりも、観光客の方の方が
比較的ボリューミーなメニューを注文している様子。

8時台になると常連の梅田で働く方々に加えて、春休みの観光客の姿も増え始めます。ホットケーキに加えてサンドイッチやピザトーストの注文が相次ぎ、ますますキッチンは大忙し。

トーストサンドボリューム満点で朝から元気いっぱいになること間違いなし!の
トーストサンドも朝から注文することができます。

祝甲子園出場!「アルプスで応援します!」

お客様4ママとお嬢さまふたりで朝食を。
一段と華やかな雰囲気に目が留まりました。

千葉からいらしたママとお嬢ちゃまおふたり。長女ちゃんの学校が甲子園に出場することになり、明後日にアルプス席で応援するために大阪滞在中。カフェ巡りが好きな長女ちゃんが念入りに調べて「ピザトーストのビジュアルに魅かれて…」来店。

オーダーこのビジュアルに惹かれてのご来店!

ママは「3人でホットケーキとピザトースト、トーストサンドをシェアしていただいたけど、ワタシ的にはトーストサンドがナンバーワンですね。パンが他と全然違う。なんでだろう…って今も話してて。」と仰るので「注文ごとにパンをスライスされていますよ。」と伝えると「切りたてってやっぱり違うんですね。明後日迄いるので、また来るかも!?」と、とても気に入られたご様子。

「初戦が雨にならないといいな~」と、春先の気まぐれなお天気を心配しながらお店を後にされました。1日順延になってしまった高校野球。アルプス席で応援できたのかどうかが気になるところですが、試合の方は見事ベスト8にまで進出したようで、またとない思い出の旅になったに違いありません。

「お客さんの声を聞けるのはうれしいね」

初代マスター数々のメディアで取材を受けられている初代マスター。
しかし、お店の取材が主だったとのことで
「お客さんの声を聞ける、というのは嬉しいねぇ。」と
言っていただきました。
…お忙しい中、ご協力ありがとうございます。

各テーブルでお客さまにお話を伺ったあと、キッチンの横で話の内容をメモしながら、モーニング対応に追われる初代マスターに「北海道からですって!」「転勤されても遠回りして寄られていたそうです。」と、お客さまのエピソードをお伝えしていると「50年やってるけど、どんなお客さんがどんな思いで来てくださっているのかは、あまり聞いたことがないので、それが聞けるのはうれしいねぇ。」と言ってくださいました。この日、急遽登板された初代マスターと奥様の担当はモーニングの時間まで。

慌ただしい朝は、長年通い続ける出勤前の常連さんにとっても、ホテルの朝食をキャンセルしてわざわざ来店する観光客さんにとっても貴重な時間。マスターをはじめスタッフさん全員にとっては目の回る忙しさですが、不思議と客席にはゆっくりと穏やかな空気が漂い、早朝にもかかわらずのんびりと寛ぐお客さまの姿が目立ちました。ここでの時間を満喫するために、みなさん少々早起きをされているのかもしれませんね。

喫茶サンシャイン

サンシャイン

〒530-0057
大阪府大阪市北区曽根崎2-11-8 B2 
大阪市営地下鉄谷町線 東梅田駅 7番出口 地下直結すぐ

営業時間
〔 平日 〕 7:00~21:00(ラストオーダー20:15)
〔 土日祝 〕 8:00~18:30(ラストオーダー18:00)

定休日
第3日曜日·不定休
※お休みは毎月変わります。SNSをご確認ください。
 

※記事内の写真に写っている方には記事掲載の許諾済みです。取材にご協力頂いたマスター、スタッフの皆様、お客様、ありがとうございました!

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著者

みやむらけいこ

みやむらけいこ

ライター歴20年。「あなたに逢いに行きます」取材ではなく出会い、インタビューではなく会話。わかりやすい言葉で丁寧に「ひと」を伝えます。好きなものは、サーフィンと歌舞伎、主食はチョコレート。#人生はチョコレート

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