「中学受験勉強」で子どもがトラウマになってしまうかもしれない“親子関係”とは

家族・人間関係

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2023.06.18

臨床心理士・公認心理師のyukoです。受験勉強中、子どものためを思い、つい感情的に叱ったり、嫌味を言って奮い立たせようとしたりする親御さんは多いです。受験を控えている間、子どもは強く言われても言い返さずに黙って勉強しますが、受験が終わったあと、受験期間がトラウマとなり、親子関係が悪くなる子がいます。受験を終えたあとも親子関係を良好に保つため、今から注意しておきたいことを考えてみます。

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もくじ

合格すれば万事解決?
トラウマになってしまうかもしれない親子関係とは?
模試の結果で親が不機嫌になる
先生と親、兄弟と親がタッグを組む
「その子のために」と家族が頑張っている

合格すれば万事解決?

中高一貫でのびのび過ごしてほしい

充実した学習カリキュラムで大学受験に備えてほしい

将来のため、恥ずかしくない学歴であってほしい

子どもの将来を見据え、「子どものため」という想いから、親子二人三脚で頑張られている方がほとんどだと思います。
しかし、そんな親の愛情が裏目にでて、長く続くトラウマになってしまうケースも。

悲しむ子ども出典:stock.adobe.com

注意が必要な親子の状況とその後の危険性、覚えておきたい対処法を考えてみます。

トラウマになってしまうかもしれない親子関係とは?

模試の結果で親が不機嫌になる

小6の夏を過ぎると、周りの子も本腰を入れ始めるので模試の結果が上がりにくくなるといわれています。
様々な講習に課金し、「宿題やりなさい」と再三言ってきたのに成果が見えないとイライラしますよね。

しかし模試の結果によって家庭内がピリピリしたり、つい感情的に叱ってしまう。ゲームや好きなものの制限を厳しくするなどが続くと、子どものストレスも増えていきます。

怒られる子ども出典:stock.adobe.com

厳しく怒っているつもりはないのに、子どもが模試の結果を恐る恐る見せてくる、小テストの存在を隠すのも、黄色信号です。

親が成績によって子どもを評価し続けると、努力の過程は関係なく目に見える結果にだけ価値があると考え、自信をなくしてしまいます。
また、親が不機嫌になりやすい環境によって、人の評価を過剰に気にしたり、気を使いすぎてしまう性格が育まれていきます。

模試はあくまでも「現状を知るためのもの」「レベルに合わせた勉強法・受験校」を知るためのヒント。
その子が頑張った上での結果と認め、まずは「お疲れ様」の声掛けを欠かさずにしてください。

先生と親、兄弟と親がタッグを組む

意外と言ってしまいがちなのが、「お母さんはいいけどお父さんはどう思うかな」「先生にもこう言われたよね」と、他の人の言葉を引用した説教。
また、兄や姉が親と一緒になって「そんなんじゃ受からないぞ」と言ってくる家庭環境も、ストレスが大きいです。

先生や兄弟が親の意見に賛同して厳しく言ってくれると、親としては「自分は間違ったことを言っていない」と支えになるかもしれません。

しかし逆に、子どもにとっては、「みんなわかってくれない」「辛いのに味方はいない」と孤独感が強まります。
特に注意したいのは、受験をする子本人VS親・兄弟・先生・祖父母など、一対複数になること。

祖父母宅に行けば甘やかしてくれる、兄弟は大変さをわかってくれる、先生は厳しいけど親は勉強に干渉してこない、など各々の立場がある方が子どもの支えになります。

「その子のために」と家族が頑張っている

  • 受験生のお兄ちゃんが頑張ってるんだからと弟のゲーム時間も短くする。
  • 受験費用のためにお父さんのお小遣いを半減。
  • 毎年行っていた家族旅行も受験が終わるまでお預け。

怒られる子ども出典:stock.adobe.com

家全体の士気を上げなければならない、家族にも協力してもらわないといけないと考え、「家族みんなで我慢すべき」と考える家庭は少なくないよう。

たしかに、受験を控える子ども本人が希望しているのなら、勉強しやすい環境になるかもしれません。

しかし、親が決めた「家族全員の我慢」によって、「自分のせいで兄弟が我慢している、自分のせいで親同士が喧嘩している」と負担に思う子もいます。
そのような状況は、「落ちたら家族みんなの努力が無駄になってしまう」「成果を出せなければ自分は迷惑な存在」と思わせ、より強いプレッシャーを感じるようになります。

  • お兄ちゃんが勉強している間は自室でゲームするように弟・妹へ伝える。
  • お金の話は本人の前でしない。
  • 息抜きは息抜きとして考え、家族で楽しむ時間も確保する。

家族といえども、一心同体である必要はありません。
個人個人の時間を大切にしながら、受験生を応援できるといいですよね。

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著者

yuko

yuko

臨床心理士・公認心理師。現在は小児の総合医療センターと大学の心理教育相談センターにて勤務。児童期から思春期の子どもへのカウンセリングやプレイセラピー、子育てに悩む保護者の方への育児相談を専門にしています。色彩心理学やカラーコーディネートについても学んでおります。

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