「中学受験、うちの子もさせた方がいいのかな…」子どもの意見を尊重すべき?親が誘導するべき?

家族・人間関係

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2023.06.19

臨床心理士・公認心理師のyukoです。中学受験をするかしないか、志望校はどこにするか。親の希望と子どもの希望が必ずしも一致しないときは結構あります。現実的ではない希望でも子どもを優先させた方がよいのか。それとも、親が誘導した方がよいのか。中学受験の始め方を考えていきます。

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もくじ

周りが受験するなら、うちの子もさせるべき?
親子の意向がずれたとき、子どもとの話し合い方について
子どもは乗り気でないが、親が中学受験を勧めたいとき
親はどちらでもよいが、周りが勧めてくるとき
親は乗り気でないが、子どもが希望しているとき

周りが受験するなら、うちの子もさせるべき?

周りの友達がするから、地元の公立はよくない噂があるから、祖父母が勧めてくるから……小学校中学年になると、中学受験の準備を始めている子が増え、「うちの子もさせた方がいいのかな」と迷うご家庭は多いよう。

しかし一方、頑張ってるスポーツを我慢できるか、小学校の友達と離れてしまうのは寂しいかも、この子に受験勉強耐えられるかな……?など、中学受験をする上で乗り越えなければならない壁に悩んだり。

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加えて、子どもの意向と親の意向がずれたときはさらに決めるのが難しくなります。

中学受験をするか・しないか、どんな風に考えていけばよいのでしょうか。

親子の意向がずれたとき、子どもとの話し合い方について

子どもは乗り気でないが、親が中学受験を勧めたいとき

親が受験を勧めるか、親の意向で自然と受験ルートに乗り、中学受験を目指していく家庭は多いです。
子どもがスムーズに理解してくれたり、子どもなりのメリットを感じていれば衝突することなく話が進んでいきますよね。

しかし躓きやすいのは、子どもが乗り気でないけど親が勧めたいとき。

避けてほしいのは、メリットばかりを伝えて説得しようとする方法です。

例えば、「かわいい制服が着られるよ」「中高6年間部活に打ち込めるよ」「高校受験がないから楽だよ」とだけ伝えるなど。
子どもを誘導するために都合のよい情報だけ伝えても、あとから必ずひずみが生じます。

「小学校4年生から塾に通わないと行けない」「小6の夏には部活の練習を抑えて受験勉強をしないといけない」など、その子にとってのデメリットになりうる情報もしっかり伝える必要があるんですね。

また、今は学校のホームページを見れば「実際に通う中学生の過ごし方」や「部活の種類」「学習スケジュール」を知れるので、一緒に見てみるのがおすすめです。

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親がよいと思った情報だけでなく、雑誌やネットから客観的な情報を得られると、子ども自身のモチベーションも高まりやすくなるのではないでしょうか。

親はどちらでもよいが、周りが勧めてくるとき

本人の祖父母が受験を勧めてくる家庭もよくあるといいます。
「今いる地域の公立は荒れているんでしょ?」「私立でのびのび過ごした方がいいわよ」など、孫の進路を心配して助言する方は多いよう。

また、ママ友から「〇〇君賢いし受験しないともったいないよ」「うちの子と一緒に塾通わせようよ」と声をかけられる方も。

親としてはあまり考えていなかったけど言われてみれば、私立の方がいいのかな?と思い、子どもに尋ねると「よくわかんない」「どっちでもいい」と返答。
そんなとき、「周りがいいと言うから」という理由で始めるのはおすすめできません。

中学受験は、親のサポートや情報収集力が求められるもの。
他の人に任せきりにしてしまうと、子どものモチベーションもどっちつかずのままになってしまいます。

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また、子どもは親自身どう考えているか、自分は受験に向いているのか、親から聞きたいもの。
子どもに選択を委ねるばかりでなく、親が学校や塾の下調べをしたり、子どもの性格と受験の相性を考えたうえで話し合うのが大切です。

親は乗り気でないが、子どもが希望しているとき

「〇〇ちゃんも、〇〇君も、みんな受験するんだって」
「〇〇中学は部活に力をいれているから、私もそこで頑張りたい」
など、子どもから受験を希望するケースもあります。

そのような場合、「子どもが希望するなら」と要望を受け入れるばかりが優しさとは限りません。

子どものモチベーションから入る受験はよい方向に進むときもありますが、事前にしっかり話し合っておかないと、子どもが投げ出したくなったとき「あんたがやりたいって言ったんでしょ」と責任を押し付けてしまいます。

  • 中学受験と家計のお財布事情は現実的に釣り合っているか。
  • 子どもの学力と志望する中学のレベルは?
  • 「仲の良い友達がするから」という理由で始めさせてよいのか。
  • もし途中で辞めたいと思ったらどうするか。

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受験のメリットとデメリット、子どもの性格傾向、想定できる様々な可能性を親子会議で話し合っていくのがおすすめです。

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著者

yuko

yuko

臨床心理士・公認心理師。現在は小児の総合医療センターと大学の心理教育相談センターにて勤務。児童期から思春期の子どもへのカウンセリングやプレイセラピー、子育てに悩む保護者の方への育児相談を専門にしています。色彩心理学やカラーコーディネートについても学んでおります。

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