教えてくれたのは……管理栄養士・関口絢子さん
料理研究家・管理栄養士・インナービューティスペシャリスト。「健康な体と豊かな心を育む食卓」をテーマに、季節の体の変化や旬の食べ物にフォーカスした食の知恵をお届けします。YouTubeでも体に優しいレシピや知識を発信。
栄養バランス満点の豚汁
今回は、完全栄養食品を作ります。完全栄養食品というのは、1日に摂らなければいけない栄養素が全て含まれているものです。レトルト食品やいろんなものが商品化されていますが、ちょっと工夫をすれば自分でも作ることができます。
そこで今回は、全ての栄養が摂れる、栄養バランス満点の豚汁をご紹介します。
完全栄養食品とは?
「完全栄養食品って何」って思う方も多いのでは? 11種類のビタミン、5種類のミネラル、たんぱく質、脂質、糖質これらのものを全て含んでいる食品です。単品でこれらを含んでいる食品もありますし、卵のようにビタミンC以外全て含まれているという準完全食品もあります。
栄養バランスを考えて構成すれば、完全栄養食品が簡単に作れるんです。管理栄養士として栄養価計算もして、全ての栄養がきちんとバランスよく取れるようなレシピをご紹介したいと思います。
今回のポイント
完全食にするためのポイントをご紹介します。たんぱく質食品に大豆製品(今回は油揚げ)を使ってください。野菜はこの野菜ではなければいけないということではなくて、葉物野菜やにんじんなどの緑黄色野菜、温野菜(ごぼうや玉ねぎ)、きのこ類、芋類もさといもなどなんでもOKです。炒めるときに使う油もお好みの油をお使いください。
・たんぱく質食品……動物性(今回は豚肉)と植物性(油揚げ)をおり混ぜる
・糖質……糖質が多いさつまいも
・食物繊維……食物繊維が多いごぼうやさつまいも
・βカロテン……βカロテンが豊富な小松菜やにんじん(色の濃い野菜)
・硫化アリルで血液サラサラ 解毒作用を高める野菜……長ねぎ
・免疫力を高める……きのこ類
ジャンルの違う野菜を取り入れる、微量栄養素を多く摂るにはなるべく可食部を多くすることもポイントです。皮ごと使うこと、食べられるところは全て使いましょう。
栄養バランス満点「豚汁」の作り方
レシピ通りに作っていただくと、間違いなく完全食品になります。さっそく、ご紹介します。
材料(4~6人分)
- 小松菜(チンゲン菜やモロヘイヤなどほかの濃い葉物野菜でもOK)……2株
- にんじん……120g
- ごぼう……100g
- 長ねぎ……1本
- しいたけ……3個
- さつまいも……100g
- 油揚げ(豆腐でも代用可)……1枚
- みそ……90g
- ごま油……大さじ1
- 水……1200CC
- だしパック
ごぼうの変色はクロロゲン酸やタンニンによるもので、どちらも抗酸化物質なので、水にさらさずに使っていきます。
作り方
1.野菜、豚肉、しいたけをひと口大に切ります。にんじんやごぼう、さつまいもはよく洗って皮をつけたまま、ひと口大に切ります。しいたけは硬い石づきのところだけ取り除いて、軸の部分を使っていきます。
2.油揚げはキッチンペーパーにくるんで、手できゅっとおさえると、油がしみ出て油抜きが簡単にできます。
3.鍋にごま油をひいて、豚肉を炒めていきます。豚肉の色が変わったら、にんじん、ごぼう、さつまいも、しいたけ、油揚げを入れて、炒めます。
4.全体に油が回ったら、水とだしパックを加えます。にんじんやごぼうなどの野菜が柔らかくなるまで煮ていきます。
5.野菜が煮えたらだしパックを取り出し、長ねぎと小松菜を加えます。長ねぎと小松菜を加えたらすぐにみそを溶かします。みそを溶かしてひと煮立ちしたら、火を止めます。
6.器に盛りつけたらできあがりです。
完全栄養食品として、これ一品で全ての栄養が摂れる豚汁です。いろいろな食材が入って具だくさんなので、一杯で満足できるのではないでしょうか。
今回は「一品で全ての栄養が摂れる豚汁」をご紹介しました。豚汁の具材に迷ったときは、参考にしてみてはいかがでしょうか。
▼詳しい作り方は動画で確認できます。
※こちらの記事は元動画の提供者さまより許可を得て作成しております。