教えてくれたのは……管理栄養士・関口絢子さん
料理研究家・管理栄養士・インナービューティスペシャリスト。「健康な体と豊かな心を育む食卓」をテーマに、季節の体の変化や旬の食べ物にフォーカスした食の知恵をお届けします。YouTubeでも体に優しいレシピや知識を発信。
切り干し大根で作るゆず大根
今回は、柚を楽しむレシピをご紹介します。柚大根といえば定番の漬け物ですが、今回は切り干し大根を使って柚大根を作っていきます。柚子は冬至の柚子湯でお馴染みですが、じつはすばらしい栄養成分がたっぷり含まれているんです。
捨てるところがない柑橘類ですので、皮だけではなく果汁や果肉も使って冬場に常備したい、血流アップや冷え予防に役立つとっても健康的なレシピです。
柚子
柚子は、部位によってさまざまな機能性成分が含まれます。そのまま果物として食べることはないですが、丸々捨てるところがない柑橘類なので、全て使い尽くすのがおすすめです。
代表的な栄養素はビタミンCです。果物全般の中でもトップクラスで、特に柚子の皮にはレモン果汁の4倍ものビタミンCが含まれています。ビタミンCは、毛細血管拡張して血流を促進し、風邪予防に役立ちます。
また独特の香りの元になるリモネンやシトラールも果皮に多く含まれます。リラクゼーション効果や交感神経を刺激し、血行促進に役立ち、消化活動を活発にする働きがあります。
柚子には特有の苦みがありますが、ヘスペリジンと言って末梢血管を強化する働きがあります。ゴースト血管を防いで、体の隅々まで血液循環を助けます。寒い季節には積極的に取りたい食材です。
切り干し大根で作る「無限ゆず大根」の作り方
今回は柚子の果汁を使いますが、柚子は種が多いのであまり果汁が採れません。果汁が足りない分は、酢で調節します。
材料
- 切り干し大根……1袋(30g)
- ゆず……1個
- 酢……大さじ3
- はちみつ……小さじ2
- 出汁用昆布……5cm
- 塩……少々
- 熱湯……100cc
出汁用昆布がない場合は、細切り昆布や塩昆布で代用したり、塩で調節したりしてください。塩昆布を使う場合は、塩の量を調節してください。
作り方
1.ボウルに水(分量外)と切り干し大根を入れて、サッと洗います。洗った後は、手でギュッと絞ります。
※水に長く浸けてしまうと切り干し大根に含まれるビタミンB群(水溶性)が出てしまうので、サッと流す程度でOKです。
2.ボウルに切り干し大根を広げて入れ、切り干し大根がヒタヒタになるくらいの熱湯を入れます。ラップを密着させて、10分間ふやかします。放置しておくだけでOKです。
※あまり熱湯の量が多くても栄養が流れ出てしまうので、切り干し大根がヒタヒタになる程度の量でOKです。
3.柚子をきれいに洗って、皮をむきます。皮の裏に白い部分がついていてもOKです。
4.柚子の実を半分に包丁で切り、果汁を絞ります。種が出てきますので、茶こしに受けながら果汁を絞るのがおすすめです。果汁と酢の合計が60mlになるように酢を足します。
※大さじ1は15mlです。たとえば、果汁が大さじ1程度(15ml)絞れたら、酢を大さじ3(45ml)を入れてください。
5.4の果汁に、はちみつ、塩、細かく刻んだ昆布を入れて混ぜ、熱湯(大さじ2程度)を加えます。お湯を入れて混ぜ合わせたら、調味液ができあがります。柚子の皮は包丁で刻んで、全量でもいいですし、お好みの量でOKですので調味液に加えていきます。
6.切り干し大根の粗熱が取れてから手で水分を絞って、5に加えます。もどした切り干し大根に調味液を加えて菜箸で混ぜます。
7.お皿に盛りつけて、できあがりです。
生の大根とはまた違った切り干し大根の元々の甘み、シャキシャキ感、染み深い味わいが楽しめる一品です。
今回は、切り干し大根で作る「無限ゆず大根」をご紹介しました。切り干し大根をもどした汁は栄養が満点です。スープなどに入れて活用してみてください。
▼詳しい作り方は動画で確認できます。
※こちらの記事は元動画の提供者さまより許可を得て作成しております。