教えてくれたのは……管理栄養士・関口絢子さん
料理研究家・管理栄養士・インナービューティスペシャリスト。「健康な体と豊かな心を育む食卓」をテーマに、季節の体の変化や旬の食べ物にフォーカスした食の知恵をお届けします。YouTubeでも体に優しいレシピや知識を発信。
白菜を使った時短鍋!
今回は冬を代表する野菜、白菜を主役にしたレシピです。材料たった2つで作る、とっても簡単で、美肌や若返り効果が抜群の鍋をご紹介します。
今回は、アンチエイジングや美肌効果が期待できるような材料や作り方にこだわりました。白菜と鮭を使った鍋をご紹介します。具材を小さく細かく切るので、煮込まないで作る鍋です。調理時間を時短できて、忙しい日もおすすめです。
白菜は芯がついたままにしておくと、どんどん成長していきます。白菜の栄養分も消費しますので、芯の部分は取り除いていってしまった方が持ちがいいですよ。
白菜
白菜の栄養についてご紹介します。白菜は、あまり栄養がないイメージが強いのでは? 確かに水分がほとんどなのですが、以下の栄養が含まれます。
- 冬場にとっても大切な、ビタミンCやβ-カロテンが含まれていて、免疫力を高める栄養素です
- 食物繊維、カリウム、カルシウム、ビタミンB群、ビタミンKなどが含まれます
微量栄養素が幅広く含まれているのが特徴です。
そしてもうひとつ、白菜はアブラナ科の野菜で、同じアブラナ科のブロッコリーや小松菜と同じで、特有のピリっとしたか辛みがある野菜です。辛みの元となる成分が、グルコシノレートです。それが噛んだりすることで酵素や腸内細菌によって、イソチオシアネートになります。
それによって免疫力やがん予防、解毒酵素をサポートするなど、重要な成分が含まれているんです。白菜全体的に突出した栄養素というわけではありませんが、幅広くいろいろな栄養素が含まれています。
白菜は細かく切ると、白菜の中のグルコシノレートがイソチオシアネートに変換されます。切り口から酵素が反応して、イソチオシアネートが増えます。有効成分にもなりますので、今回は白菜を細かく切って使っていきます。
鮭
鮭はアスタキサンチンという赤い色素で鮭のオレンジ色を作っています。
アスタキサンチンは高い抗酸化物質で、スーパービタミンEと呼ばれます。野菜や果物にはない成分で、鮭はアスタキサンチンが豊富です。また、DHAやEPAといったオメガ3脂肪酸も多く含まれています。アンチエイジングには、とってもおすすめの食材です。
鮭はビタミンDも多いので、カルシウムの吸収を助け、骨を強くする栄養素でもあるんです。皮にはコラーゲンやビタミンB群が多いので、調理には皮も使った方がおすすめです。
皮の白い部分にはウロコが残っていることが多いでので、包丁で皮をなぞるとウロコが出てきます。ウロコを取ると、皮もおいしく食べられます。
白菜が主役の「若返り鍋」の作り方
鮭のほかにも、白菜や豆乳、魚の出汁にもカルシウムが含まれます。またごまは、カルシウム、鉄分、亜鉛とミネラルが豊富に含まれます。ゴマリグナンというポリフェノールがたっぷり含まれているので、生活習慣病を始め、アンチエイジングやさまざまな健康効果が期待できる食品です。
材料
- 白菜……4分の1株
- 鮭切り身(甘塩)……3枚
鍋つゆ
- しょうが(大きめ)……1掛け(大さじ2程度)
- ごま油……大さじ2
- すりごま……50g
- 水……2カップ
- だしパック(かつおだし)……1袋
- 豆乳……1カップ
- みそ……大さじ3〜4
今回は鮭の切り身を使いますが、牡蠣や豚肉、鶏肉などお好みの具材を1品用意してください。おすすめは、たんぱく質(肉類や魚介類など)系です。
生のしょうがを使うと、温め成分のジンゲロールがしっかり取れます。冷えが気になる方は、生のおろししょうがを使っていただくのがおすすめです。
作り方
1.葉と白い部分を包丁で切り分け、葉は柔らかいので大きめに切ります。芯の部分はシャキシャキとした食感を活かしたいので、少し長めに切り、繊維方向に縦に切ります。芯の部分が大きい場合は半分に切ってから、繊維方向に縦に薄切りに切ってください。
2.鮭の皮を包丁でなぞり、ウロコを取ります。水で軽く洗い流し、骨を包丁で切り取り、手で触って骨がないか確認してください。今回は煮込まない鍋なので、早く火を通すために小さめに切ります。
3.鍋に直接しょうがをすり下ろして、大さじ2程度入れます。ごま油(おろししょうがと同じ量)を入れて中火にかけ、しょうがをしっかりと炒めていきます。温まった油にしょうがを入れると跳ねるので、冷たい状態で一緒に炒めたほうが調理がラクなのでおすすめです。
〈ポイント〉
炒めることで、しょうがに含まれる成分ジンゲロールが、温め効果が高いショウガオールに変わります。しょうがの温め効果を引き出していきます。
4.しょうがのいい香りがしてきたら、すりごまを半分程度、鍋に入れます。すりごまを炒めて、香ばしい香りを引き出してきます。焦がさないように注意してください。
〈ポイント〉
ごまの有効成分、ゴマリグナン(セサミ)は、油と一緒に炒めてあげると溶け出しやすくなります。
5.鍋に水を入れ、混ぜ合わせます。出汁パックの中身を全て鍋の中に入れて、混ぜ合わせて沸騰させます。
〈ポイント〉
今回使った出汁パックは、中身がとても細かくなっています。中身ごと食べてしまうと、カルシウムや各種美容ミネラルが摂取できるのでおすすめです。ない場合は、お好みの出汁を使ってください。
6.沸騰してきたら、具材を入れて煮込んでいきます。白菜を鍋の中に入れ、鮭は白菜の上に散らすように置きます。ふたをして、具材がしんなりするまで火を通していきます。
※鍋の大きさに合わせて、野菜の量を調節してください。
7.鍋がグツグツとしてきたらふたを開け、具材全体を菜箸で鍋に沈め、火を通します。火を通しながら鍋にみそを溶かし、すりごま(お好みの量)を入れます。混ぜ合わせて、豆乳を入れます。さらに残りのすりごま(お好みの量)を加えて、できあがりです。
〈ポイント〉
豆乳は最後のしあげに入れないと、分離しやすくなります。鮭からも塩分が出て、塩辛くなる場合があります。味見をしながら、みそを調節してください。ごまの量は、お好みで加減していただいてもOKです。
今回は、自宅にある材料で作れる「白菜が主役の鍋」をご紹介しました。豆乳を入れることで、一気にスープがまろやかになり、濃厚にしあがります。寒い日の食卓にいかがですか?
▼詳しい作り方は動画で確認できます。
※こちらの記事は元動画の提供者さまより許可を得て作成しております。