パートナーと受験に向けての足並みがそろわない
子どもが中学受験をするかどうか、受験に対する賛否が分かれるご家庭は多いよう。
夫婦それぞれの学歴や生育環境、教育観の違いなど、様々な考えが子どもの受験には影響してきます。
中には、夫婦それぞれの考えが異なるまま受験準備をスタートしたり、受験を諦めたりする方も。
夫婦で受験に対する意見が異なるとき、どんな風に折り合いをつけたいったらよいのでしょうか。
夫婦の意見が揃うことのメリット・デメリット
一見、家族みんなで足並みがそろっていた方がよいように考えられますよね。しかし夫婦間の意見の一致には、メリットとデメリットがあるんです。
メリット
意見が一致しているメリットとしては、教育の指針が明確となり、子どもの受け止め方もシンプルになる点。
子どもが賛同するかは別として、「うちの親たちはこう考えているんだな」と理解しやすくなります。
片方の親が受検賛成、片方が反対であれば子どもはどちらの意見に沿えばよいのかわからず板挟みになってしまいがち。
例えば父親からは「そんなに勉強ばっかりしなくていいよ」と言われ、母親からは「塾のみんなはもっとやってるんだから頑張らないとね」と言われ、結局何事も中途半端になってしまうかもしれません。
夫婦で協力して子どもの受験をサポートできれば、もめごとや喧嘩も少なくなるでしょう。
デメリット
意見が一致しているデメリットとしては、家庭内での逃げ場がなくなる点。
両親ともに受験一色だと、ときに模試のA判定や合格によって自分の価値が認められると感じてしまうかもしれません。
また、辞めたいと言い出しづらかったり、弱音や愚痴を吐く場所がなく息苦しくなってしまう子も。
夫婦2人対子ども1人になってしまうと、子どもから見て勝ち目を感じられなくなり、知らず知らずに親の意向に沿うしかなくなるケースも多いよう。
夫婦の意見が完全に一致していると、ときに子どもの意見が見えにくくなってしまうんですね。
どうやって話し合っていけばいい?
まず必要なのは、親の感情と子どもの実態を切り分けて考えること。
親御さんに、なぜ中学受験を子どもに勧めたのかを尋ねたとき、半数くらいは「親である自分が受験をしてよかったから」など、半親自身の経験を交えて話されます。
反対している方も同様で、「公立に通って楽しく過ごせたから」などが反対理由になっているケースが多いです。
また、親自身が過ごしてきた家庭環境やコンプレックスも関わってきます。
- 父親自身、勉強については親から厳しく言われてきた。当時は辛かったけど今成功できているのはあのときの教育だったと感じている。
- 母親は、上京して難易度の高い大学に行きたかったが親から反対され、地元の大学に進んだ。当時の選択についていまだに後悔している。
- 予備校などが充実していない地方で懸命に勉強し医者となった父。同僚は小学校から私立に通い、恵まれた環境で学生生活を謳歌しつつ医者となったという話を聞き、格差を感じた。
誰しもが多少なりとも持っているコンプレックスですが、自分ではなかなか認められないもの。かといって夫婦間で指摘しあえば角が立ちますよね。
自身の考えとその背景にある複雑な気持ちを認識し、夫婦間で共有するのがよいでしょう。
そしてお互いの価値観を認め合ったうえで、子どもの性格や将来に焦点を当てて話し合っていくのがおすすめです。
親の幼少期と子どもの現状は大きく異なるもので、時代や住んでいる地域によっても子どもが受験する理由は変わってきます。
親自身の感情と、子どもの現状は切り離して冷静に検討していけるといいですよね。