教えてくれたのは……満尾 正(みつお ただし)先生
満尾クリニック院長。医学博士。
北海道大学医学部卒業。内科研修を経て杏林大学救急医学教室講師として救急救命医療に従事。ハーバード大学研究員、救急振興財団教授を経た後、アンチエイジングを中心としたクリニックを2002年に開設し、現在に至る。
食べる投資とは?
「投資」とは金融資産に利益を見込んで自分の資金を投じることを言います。では、「食べる投資」とは一体どのようなことを指すのでしょうか?
満尾先生によると、食べる投資とは「普段の食に対して栄養知識を身につけて実践し“健康”という資産を作り上げること」なのだそう。
つまり、「健康な体は食事から」とも言うように、バランス良く栄養を摂取していくことは健康(資産)を作っていく投資のようなものという考えなのです!
一般的な投資も、目先の利益だけではなく「長期の積み重ね」が大切です。健康も、日頃から栄養面に気を遣うことで免疫力がアップして、風邪をひきにくくなったり体力がついて疲れにくくなったりします。
そう考えると、「食べる投資」という考え方には深く納得がいきますね。
一方で、「食べる」と一言に言っても、ただ闇雲に食べればいいわけではありません。
食べ方のポイントについても、満尾先生に教えていただきました!
いつ、何を、どう食べる?2W1Hが重要!
満尾先生曰く、食べる投資にはいつ・何を・どう食べるかの「2W1H」が重要なのだそうです。
一般的に1日3食摂っている方が多いので、1食ずつポイントを見ていきましょう。
朝食は軽くてOK
みなさんは毎朝どのような食事をしていますか?
「1日のスタートだからしっかり食べないと」と朝からたくさん食べている方もいるかもしれませんが、満尾先生によると「朝はまだ体の消化準備ができていない状態」なのだそう。
そのため、朝は胃腸への負担が少なく済むように軽く食べるのがよいとのことでした。
食事を抜くのはよくありませんが、あくまでも「朝食は軽く」を心がけましょう!
昼食はしっかり食べる
仕事や家事に追われて、つい昼ごはんを軽く済ませてしまう人も多いかもしれませんね。
しかし、満尾先生によると、昼ごはんは3食の中で一番しっかり摂る必要がある食事なのだそう。
というのも、朝にはまだ整っていなかった消化能力も昼には最も高くなります。
日常生活を送っているだけでも体の中のエネルギーがどんどんと消費されていくので、ここできちんとエネルギーを補充する必要があるのです。
朝を軽くした分、きちんと昼食で栄養を補充しましょう!
夕食は軽めに
1日の中で比較的余裕のある夜は、食事の量もつい多くなりがち。ところが、満尾先生によると、夜は体が栄養やカロリーを吸収しやすい「太る時間帯」なので注意が必要です!
また、食べたものが消化されないまま就寝してしまうことで、消化不良を起こすこともあります。
夕食も朝食と同じように軽めに済ませると、翌日の体調もよくなるのだそうですよ。
食べる投資に必要な栄養素
食べる投資では、朝夕は軽く、昼はしっかり食べることがポイントだとお話しました。
では、一体どのような栄養素を摂るといいのでしょうか?
- ビタミン・ミネラル……小魚・ナッツ類・ローヤルゼリーなど
- 発酵食品……納豆・ヨーグルト・チーズなど
- ファイトケミカル……玉ねぎ・トマト・チョコレートなど
- 食物繊維……きのこ類・里芋・アボカドなど
- 良質な炭水化物……穀類・全粒粉などのホールフードなど
- 良質なオイル……アボカド・ナッツ類・オリーブオイルなど
- 良質なタンパク質……魚介類・牛乳・ローヤルゼリーなど
これらの栄養をバランスよく摂取することで、健康という資産を効率よく作り上げていけるのだそうです。
中でもミツバチが作るローヤルゼリーは幹細胞を活性化させると、山田養蜂場健康科学研究所の最近の研究でも解明された注目の食材。
幹細胞には傷ついたり不足したりした細胞の代わりに、細胞組織を修復する働きがあります。
幹細胞は、血液・筋肉・骨など全身の組織にも関与しているので、ローヤルゼリーを摂ることで、まだ研究段階であるものの、免疫力の低下や貧血の防止、慢性的な疲労の改善も期待されています。
食べる投資でリターンに期待!
健康という資産を作り上げる「食べる投資」のポイントについてお話しました。
一般的な投資には、資産運用で得られる収益「リターン」がありますよね。
食べる投資にも、免疫力が上がる・適切な食事方法で頭が冴え渡るなどのリターン(メリット)が多くあります。
適度な運動や睡眠などと併せて、食べる投資で免疫アップを目指していきましょう!