教えてくれたのは……マインドトレーナー 田中よしこさん
株式会社コレット代表取締役。心理学・脳科学、コーチングの知見を取り入れ、「自分を本当に知る」ことをメソッド化。個人セッションやセミナーなどを中心に、潜在意識を整え、本心と「未来の理想の思考」を引き出す方法を伝えている。著書に『自分の気持ちがわからない沼から抜け出したい』(KADOKAWA)がある。
日常で幸せを感じられない理由
今の時代は、日常で幸せを感じにくいとも言えます。
今回は、日常で幸せを感じられないワケと、誰にでもすぐできる対処法をお届けいたします。
スマホの見過ぎ
今の時代は日常的にものすごい量の情報が目や耳に届けられています。電車やタクシーでも、モニターが付いていて、常にPR動画が流れていますよね。
私たちの脳は強い刺激に注意が向けられる習性や、自分との差を認識して埋めようとする機能があります。例えば、SNSでキラキラしている人を見たら、自分もそうしないといけない気になってしまう。しかし、自分はそうでないと落ち込んだり、高価なものを見て、持っていないことに気後れしてしまうのです。
日常的に強い刺激や情報にさらされていると、ささやかな幸せに気づけなくなっていきます。「当たり前なこと」「ささやかな幸せ」の方が大切なのにも関わらず。
ですから、スマホやメディアから離れる時間を持ち「当たり前の気持ちよさ」を味わう習慣をつけましょう。
当たり前に自宅に帰れる、当たり前にお風呂に浸かれる、健康であること。どれもプライスレスな幸せなのを改めて確認して、自分の体をいたわってあげてください。
“やるべきこと”に追われている
忙しくて余裕がない、帰ったらすぐに倒れこむように寝てしまう。これは、かつての私なのですが(汗)。
このような毎日を過ごしていると、いつも「やらないといけないことばかり」の時間やタスクに追われる毎日です。そして、休日に仕事がないと、“やることがない、なんだか虚しい”と、ワーカーホリック状態になってしまいます。
今の幸せを考えようとしない、幸せを味わおうとしていないのが問題なのです。
先日、有名なパンケーキのお店でとあるインフルエンサーが自撮りをしていたのですが、1時間近く撮影をしていて温かいふわふわのパンケーキは撮影されただけ。1口だけ食べて出て行ってしまいました。
カメラが自分に向けられれている時は笑顔ですが、終始険しい顔だったのが印象的でした。こんなにおいしくてほっぺが落ちそうな時間が、険しい顔になってしまうのか……と思ったものです。
仕事は仕事で楽しむ。ご飯はご飯時間を楽しむ。休日は読書を楽しむ。というように線引きができればいいいのですが、やるべきことに追われている人は、食事しながらスマホを見る、仕事をするなど、〇〇しながら〇〇をする状態になっていて、幸せやその瞬間を味わおうとしていません。
“日常の幸せを味わおうとしていない自分”、“当たり前の日常ほどありがたいものはないのに、それに感謝できているのか”というポイントに気づいてあげましょう。
自分への信頼が薄い
思い通りにならない、うまく行かないことがある度にへこんでしまう。こんな毎日を過ごしていませんか?
自分を信じるチカラが薄いと、事象や他人の言動に振り回されてしまいます。
自分への信頼度が薄い人は、何かを決めるのが苦手です。先ほど触れたように思い通りにならない、うまく行かないことがあるとへこんで辛い思いをするので、“うまく行きそうなもの”、“無難なもの”を選び、無意識に決断を避けようとします。
ご存じのように、人生はうまく行かないことがあって当たり前なので、いい結果だけを求めて決断を避けるのは幸せから離れ続けてしまいます。
自分が選んだ小さな選択、それによる結果を喜んであげるだけで、あなたの「幸せ」や「自信」は上がっていきます。
今日は時間通りに〇〇が終わった。今日はおかずがうまく作れた、昨日よりも〇〇が早くなった。なんでもいいのです。決断できたこと、他人は関係なく自分なりに良くやったなと思えることにフォーカスしてあげましょう。
幸せはいつもあなたの中、そして身の回りにもたくさんあります。意識しながら幸せを見つけて、楽しんであげてくださいね。