教えてくれたのは……小林青果株式会社さん
創業以来70年以上にわたり、北九州中央卸市場にて青果の生産者と小売店舗のバイヤーを結ぶ仲卸業を営む小林青果株式会社。九州各県だけでなく、全国各地から旬の食材や特性の強い商品を仕入れ、お客様へお届けしている。安全で安心できる食品の提供はもちろん、作り手の思いや熱量、消費者の期待、販売店の信頼を大切にしている。
糖尿病予防や血糖値の管理によい飲み物とは?
国内の糖尿病患者数は、生活習慣と社会環境の変化に伴って急速に増加しています。国内の糖尿病の大部分をしめるのは、生活習慣が環境因子として重要である2型糖尿病であり、この疾患の対策としては、発症の予防・早期発見・合併症の予防が重要であるとされています。
参考:厚生労働省 糖尿病
前回の記事では、「ジュースなのに糖尿病にいいって本当? 口にすることで“体によい働きが期待できる飲み物”とは」を、ご紹介しました。
今回も引き続き、糖尿病の予防や健康管理によいとされる飲み物と、飲むときに気をつけるべき点について教えていただきます。
1.コーヒー
カフェインはコーヒーの最もよく知られた成分であり、その覚醒作用は多くの人々にとって朝の必需品です。カフェインは眠気をもたらすアデノシンの作用をブロックし、集中力を高めることで知られています。
また、消化を促進し、基礎代謝を高める効果もあり、適量であれば健康維持に寄与するとされています。
ポリフェノールは抗酸化作用を持ち、体内のフリーラジカルを減少させることで、細胞の老化や病気のリスクを低減します。コーヒーに含まれるポリフェノールの一種であるクロロゲン酸は、糖尿病予防や肝臓の健康維持に効果があるとされています。
コーヒーの適量摂取は、”糖尿病の予防”、”寿命の延長”、”痛風の発症リスクの低減”など、さまざまな健康効果が期待できます。
国内の研究では、コーヒーを飲む人は飲まない人に比べて死亡リスクが下がることが示されており、1日に3〜4杯のコーヒー摂取が推奨されています。
コーヒーを飲む上での注意点
一方で、コーヒーの飲み過ぎは、体に悪影響を及ぼす可能性があります。
過剰なカフェイン摂取は不安感や睡眠障害を引き起こすことがあり、個人の体質や健康状態によっては胃腸に負担をかけることも。
コーヒーを飲む際には、適量を守って飲むことが重要です。
2.緑茶
緑茶に含まれるカテキンやポリフェノールなどの成分は、さまざまな健康上の利点を提供するとされており、糖尿病の予防や管理にも効果があると考えられています。
緑茶が糖尿病に及ぼす影響に関する研究は数多く行われており、その結果は非常に興味深いものです。
例えば、40歳から65歳の日本人17,413人を対象に行われた研究では、緑茶を週に1杯未満しか飲まない人と比較して、毎日6杯以上飲んでいる人は2型糖尿病の発症リスクが33%減少したと報告されています。
緑茶に含まれるカテキンには、食後の血糖値の上昇を抑える効果があるとされており、これが糖尿病の予防や管理に役立つ可能性があります。
九州大学の研究では、テアニンを含む緑茶の摂取が糖尿病の発症リスクを低減する可能性があることが明らかにされています。
研究結果の引用元:
大阪大学大学院医学系研究科公衆衛生学 緑茶・コーヒーの糖尿病予防効果
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ご紹介した飲み物は、糖尿病の予防や管理において有効な役割が期待できます。しかし健康効果を最大限に活用するためには、適切な生活習慣の維持が不可欠。
糖尿病の予防のためにも、バランスの取れた食事や飲み物に気を配り、適度な運動を心がけましょう。