挑戦する経験をしてほしいけど……
ピアノの発表会や体育の試験、係や委員への立候補など、学校生活では様々なチャレンジの機会がありますよね。
学校の先生から、こんな話を聞いたことがあります。
ピアノが得意なAちゃんとBちゃんがおり、合唱コンクールの伴奏を2人のどちらかにお願いしたいと思っている。クラスのみんなの前で弾いてもらい、投票で選びたいけど引っ込み思案なBちゃんは「それならAちゃんにやってもらう」と拒否している。
無理に前に出させるのはできないけど、Bちゃんにもチャレンジする経験をして自信をつけてほしいんだけど.....
Bちゃんのように力を持っていても、失敗を恐れて安牌な選択を選ぶ子、やる前から怖気づいてしまう子はいますよね。そんな子に対して、周囲はどのように理解して、挑戦する力を伸ばしていくべきなのでしょうか。
失敗を恐れる子への理解とサポートについて考えていきます。
背景にある気持ちや性格とは?
失敗を恐れる子の中には「完璧主義」の傾向を持っている子が多いです。
「完璧にやれなかった=失敗」と感じてしまうと、挑戦のハードルをどんどん高く感じてしまうように。「何をもって失敗と捉えているのか」を知ると、子ども本人が設定しているハードルの高さを理解しやすくなります。
また、比較や評価をされることに怖さを感じている子も。
「多くの子がでるコンテストならいいけど、上記のようにクラス内で比較されるのは嫌」など本人なりの基準が設定されている場合も多いです。どうしても苦手な場については、無理に挑戦させず、本人のモチベーションが維持できる範囲でトライしていけるといいですよね。
「失敗を恐れない子」の親に共通する言動とは?
失敗やミスを見せていく
子どもから見て、親や兄弟を「しっかり者で何でもできる優秀な人」と捉えていたら、失敗や挫折をより恐れやすくなります。家庭の中では、失敗は当たり前にある、身近なものとしていくのがいいんですね。
職場でうまくいかなかった話や、幼少期の挫折経験など、ミスや失敗に関する話をシェアしていくのもひとつ。
失敗をしてもなんとかなるという認識や、失敗から得るものもあることを伝えていけるといいですよね。
結果ではなく本人の変化についてコメントする
何かに挑戦したときや、試験などで評価を受けたとき、どんな風にコメントしたらよいか悩まれる親御さんは多いです。
「今回はうまくいかなかったけど次頑張ろう」「何がうまくいかなかったのか考えよう」などの言葉がけも悪くはありません。前向きに捉える姿勢、次に活かす方法を身に着けていけるでしょう。
ただ、結果に目を向けるばかりでなく過程や変化についてコメントするのも大切。
「苦手なところを集中してたくさん練習したよね」「前よりも積極的に頑張れていたね」など過程への注目を伝えられるとよいです。
「ママ(パパ)は練習の結果ではなく、練習したことそのものを見てくれてるんだ」と感じられると、努力する姿勢が身についていくんですね。
「イレギュラー」を経験する
計画通りのスケジュールやルーティンをこなすのをよしとしすぎると、思う結果にならなかったとき挫折感を味わいやすいもの。
家族で過ごす休日や旅行など、「こんな1日になっちゃったけど、これもありか」「計画通りじゃなかったけど意外な発見があったね」などイレギュラーに強い家庭の子は、「なんとかなる」精神が養われやすいようです。
「予想通りにいかなければ悲しい目にあう」という認識は、「失敗したら終わり」思考に繋がりやすくなります。反対に、「どうなるかはわからないけど、何とかなるもの」という認識が根付いていると、失敗も経験の一つと感じやすくなるでしょう。
失敗もイレギュラーも、楽しみながら経験していけるといいですよね。