教えてくれたのは……管理栄養士・関口絢子さん
料理研究家・管理栄養士・インナービューティスペシャリスト。「健康な体と豊かな心を育む食卓」をテーマに、季節の体の変化や旬の食べ物にフォーカスした食の知恵をお届けします。YouTubeでも体に優しいレシピや知識を発信。
「しょうが」は万能調味料になる
今回はしょうがを皮ごとすりおろし、乳酸発酵させて作る「発酵しょうが」をご紹介します。しっかり発酵させれば冷蔵庫で約半年保存ができるすぐれ物です。おろししょうがはチューブを買う方も多いと思いますが、この方法を覚えておけば生のしょうがの栄養もおいしさもそのまま楽しめます。薬味としてはもちろん、料理に使うなど万能です。
しょうが
しょうがに含まれる皮に、自然の植物性の乳酸菌がいます。それを利用して発酵させていきます。皮はくれぐれもむかないようにしてください。またしょうがの皮部分に香りやポリフェノールもたくさん含まれています。
発酵しょうが
しょうが自体の栄養やさまざまな効果に加え、発酵させるとさらにうれしい効果がプラスされます。しょうがは殺菌効果、血流や代謝アップ、体を温める食材の代表格です。辛味成分のショウガオールは体を温める作用を持ち、冷えや血流改善に役立ちます。
発酵することで乳酸菌が増え、もともと含まれるオリゴ糖が発酵によってさらに増えるので、腸内の善玉菌が元気になり、腸内環境の改善に役立ちます。食物繊維も多いので、便通がよくなる効果も期待できます。そのままでも十分素晴しいしょうがですが、発酵させることで健康効果や保存性も高まり、うれしいことづくめになります。
「発酵しょうが」の作り方
材料はしょうがだけです。うま味と栄養抜群の万能調味料「発酵しょうが」を作っていきます。作りたいだけご用意ください。しょうがは、容器に入りきるぐらいの量を用意します。保存容器は、しっかりと密閉できるようなモノをご用意ください。煮沸消毒もしますので、できれば耐熱のモノがおすすめです。
準備
しょうがを扱う前に、しっかりと手を洗ってください。
作り方
1.今回しょうがを皮ごと使うのがポイントです。悪い所や気になる所があったら、スプーンなどで取り除いでください。あとはしょうがを丁寧に水洗いします。余分な水分は、しっかりとペーパーで押さえて拭き取ります。
※水分をしっかりと拭き取ることで保存状態もよくなり、長持ちします。
2.容器を煮沸消毒します。耐熱の容器でなければ、食用のアルコールなどを使ってきれいに拭き取るのもOKです。煮沸消毒をした容器はしっかりと乾燥させるか、ふきんなどで拭き取っておきます。おろし金など、しょうがをおろす道具も煮沸消毒しておくと安心です。
※煮沸消毒をする際は、ヤケドに気をつけてください。
3.皮をつけたまま、しょうがをすり下ろします。
※フードプロセッサーなどを使ってもOKです。
4.3のしょうがを容器に入れます。
5.容器にしょうがを入れたら、箸などで平らにします。容器にラップをして、余分な空気が入らないように密閉させ、ふたを閉めます。ふたをした状態で2週間ほど冷蔵庫で寝かせて、できあがりです。
2週間経過して表面がヌルっとしていたり、膜が張っている場合は雑菌が繁殖している可能性もあります。そのような場合は様子をみて、上の部分を取り除いて使ってください。
保存の方法
使ったら常にラップをかぶせて、密閉させておいたほうが雑菌などの繁殖を防げます。
いかがでしたか? 発酵しょうがは薬味として使ったり、みそ汁や甘酒、ヨーグルトに入れたりして活用できます。ぜひ、試してみてください。
※こちらの記事は元動画の提供者さまより許可を得て作成しております。