トコジラミの深刻な被害
前回の記事では、トコジラミの特徴と旅行先でやるべき3つのことについて、お伝えしました。
トコジラミは、人への被害をはじめ、ホテルや自宅などの部屋にも被害を与えます。それぞれの被害内容をご紹介します。
※いざというときに判別できるよう、画像つきでご紹介します。苦手な方は注意してください。
人への被害
トコジラミは細い管状の口を持ち、人の皮膚に突き刺して吸血します。吸血時には血液が固まらないように唾液を注入するのですが、その唾液にアレルギー物質が含まれるため、刺された箇所は激しいかゆみや腫れ、発赤が生じます。
トコジラミは、手足や首などの肌が露出している部分を刺します。かゆみや腫れなどが現れるまでの時間は個人差があり、刺されてから数日後に症状が現れることや、刺される数が多くてかゆみを感じなくなることもあるので注意が必要です。
部屋への被害
吸血した大部分をフンとして出すので、血が混ざった赤いフン(血糞)の汚れ跡が潜伏場所付近に付着して、部屋の汚れの原因にもなります。「暗くて血を吸いに行きやすい場所」「亀裂などの狭くて暗い場所」「布が重なった部分、継ぎ目」「暖かい場所」はトコジラミが潜んでいる可能性がありますので、注意が必要です。
◆マットレスの被害
◆カーテンの被害
◆天井や壁の被害
旅行先から家の中に持ち込まないためにするべき「2つのこと」
繁殖力が高いトコジラミは家にまず入れないことが大切。旅行や出張から帰宅する際に、最初にするべきことが2つあります。トコジラミを家の中に持ち込まないために、ポイントを押さえておきましょう。
1.付着していないか確認する
鞄や衣類に、トコジラミが付着していないかを確認しましょう。成虫は肉眼で確認しやすいのですが、幼虫は1~4mm程度の大きさで乳白色のため、見つけにくいと言われています。特に、襟の裏や布製のスーツケースの継ぎ目などは要注意です。
2.身につけていたものを洗う
着て帰った衣服は、すぐに熱湯に入れるか洗濯しましょう。乾燥機にかけるのもおすすめです。
トコジラミに関する知識をもつことは、被害を受けるリスクを減らすことにつながります。まずは「持ち込まない」ことを意識し、対策アイテムを取り入れながら備えておきましょう。
「スーパートコジラミ」にも要注意!対策法は
現在では、「スーパートコジラミ」と呼ばれるピレスロイド系の有効成分に耐性を持つトコジラミが問題視されています。そこで、スーパートコジラミを含むトコジラミに対して高い効果を持つ新しい殺虫成分「テネベナール(一般名:ブロフラニリド)」が開発されました。
トコジラミ対策商品としては、「ゼロノナイトG ゴキブリ・トコジラミ用 くん煙剤 6~8畳用(第2類医薬品)」という商品があり、光や熱に強いうえに常温での揮発性が低いため、薬剤の持続性が高いのが特徴です。トコジラミが発生する前の予防対策としてもおすすめです。
取材協力:アース製薬