教えてくれたのは……小林青果株式会社さん
創業以来70年以上にわたり、北九州中央卸市場にて青果の生産者と小売店舗のバイヤーを結ぶ仲卸業を営む小林青果株式会社。九州各県だけでなく、全国各地から旬の食材や特性の強い商品を仕入れ、お客様へお届けしている。安全で安心できる食品の提供はもちろん、作り手の思いや熱量、消費者の期待、販売店の信頼を大切にしている。
栄養の吸収を阻害する【NGな食べ合わせ】
牛乳はカルシウムの吸収率が高いうえに1回の摂取量も多く、効率よくカルシウムのとれるすぐれた食品として知られていますよね。
しかし牛乳には、”相性の悪い食品”が存在します。
それらの食品の成分は牛乳の成分と結合することで、体への栄養の吸収を阻害してしまうのだそう。
そこで、牛乳との食べ合わせの悪い5つの食品について、小林青果株式会社さんに詳しく教えていただきます。
NG1.牛乳+チョコレート
牛乳とチョコレートの食べ合わせは、おやつでも定番ですが、栄養摂取という点では悪いものに分類されます。
理由は、チョコレートに含まれるカカオマスポリフェノールと、牛乳に含まれるカゼインとの相性にあります。どちらも体にはよい成分ですが、いっしょに摂ると両者が結合してしまい、体内で吸収されにくくなるというデメリットがあります。
NG2.牛乳+トウモロコシ
トウモロコシと牛乳の組み合わせも食卓ではそれほど珍しくないものですが、栄養摂取の観点ではよくない食べ合わせとなっています。それは、トウモロコシに含まれる食物繊維が牛乳のカルシウムの吸収を阻害してしまうためです。
さらに、お腹をこわしやすいという危険もあります。ただし、両方を使ってコーンポタージュにした場合は、”消化によく、栄養もたっぷり”という最高の組み合わせになります。
NG3.牛乳+枝豆
牛乳には、カルシウムが豊富に含まれています。カルシウムは骨や歯の原料であり、不足すると骨粗しょう症などの危険性が高まります。
このカルシウムを吸収するうえで避けた方がよいのが、枝豆やゴマなどの食材です。これらには「フィチン酸」という成分が含まれますが、この成分はカルシウムと結びつきやすく、体への吸収率を下げるという特徴があります。
NG4.牛乳+緑茶
牛乳と抹茶を組み合わせた「抹茶ミルク」は、女性を中心として人気のある飲み物ですよね。
しかしじつは、牛乳と緑茶の食べ合わせ(飲み合わせ)は、栄養摂取の点であまりよくありません。
理由は緑茶に含まれるタンニンと、牛乳に含まれるカゼインとの相性にあります。タンニンはカゼインを凝固させ、体への吸収を阻害する働きを持っています。
牛乳の栄養をしっかり摂りたいときは、抹茶ミルクは避けたほうがよいでしょう。
NG5.牛乳+玄米
玄米は体によい食べものとして有名ですが、これも「フィチン酸」を含んでいます。フィチン酸は抗酸化作用が強く血中のコレステロールを低下させる効果がある一方で、有効な成分も排出させてしまうという難点があります。
カルシウムなどの必須ミネラル成分といっしょに摂ると、両者が結びついて吸収を阻害するため、牛乳との食べ合わせは要注意となっています。
ヨーグルト+スナック菓子
牛乳ではありませんが、ヨーグルトとスナック菓子という食べ合わせも栄養面ではよくありません。これは、市販のスナック菓子の多くに含まれる「リン酸塩」が体内でヨーグルトに含まれるカルシウムと結びついて「リン酸カルシウム」となり、吸収されづらくなる性質があるため。
こちらもNGな組み合わせとして覚えておくとよいでしょう。
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教えていただいたのは、牛乳といっしょに食べがちな身近な食品ばかりでした。これらは単体ではそれぞれに体によい食品でも、同時に食べることで成分同士の結合により、せっかくの栄養が摂取できないおそれがあります。
体に栄養素をしっかり届けるために、食品によっては食べるタイミングに注意しましょう。