教えてくれたのは……石坂淳先生
北里大学医学部を卒業後、大学病院および関連病院での勤務を経て、「石坂整形外科クリニック」を開院。中高生のスポーツ障害から高齢者の腰痛・膝関節痛、関節リウマチ、骨粗しょう症、捻挫・骨折等の外傷など多岐にわたる患者様を診察している。
スポーツ障害になったときの適切な対処のしかた
前回の記事では「スポーツ障害が起こりやすい子どもの特徴」や「予防・改善策」について教えていただきました。
では、痛みがあり「スポーツ障害かもしれない」と思ったときに、どのように対処するのがよいのでしょうか。
石坂先生「まずは、症状を悪化させないことが肝心です。繰り返さないような軽い痛みであればいいのですが、同じ部位に繰り返し痛みを感じたり、痛みが徐々に強くなっていったりする場合は、冷却やマッサージなどを行って症状の悪化を防ぎます。
もしプレイに支障をきたすほど悪化してしまったときには、『いつまでに治したいのか』を考えましょう。プレイを継続しながら治したほうがいいのか、ある程度は改善するまで休んだほうがいいのか冷静に判断してください。
目指している大会や試合がある場合、その日程から逆算して、いつから本格的にプレイを再開するのか考えていくことが必要です。このような判断は、選手本人やご両親にとって難しいこともあると思います。痛みが一定のレベルを超えてしまうようになったら、信頼できる整形外科医の診察を受け、アドバイスを求めることが重要だと考えます」
子どもがこれからも好きなスポーツを楽しめるように、「スポーツ障害」に関する知識を持っておくことが大切です。親やまわりの大人が「無理をしすぎていないかな?」と痛みに気づき、早期に対処してあげられるとよいですね。