ただの薬味ではなかった。「しそ」の意外と知らない“栄養”と“おいしい食べ方”

料理・グルメ

stock.adobe.com

2024.08.28

薬味や刺身の添え物などによく使われるため、脇役のイメージがある「しそ」。じつは、いろいろな栄養素を含む優秀な食品であることを知っていますか? 今回は、摂南大学農学部 食品栄養学科の岸本 良美准教授に「しその栄養素とおいしい食べ方」を教えていただきました。

広告

教えてくれたのは……岸本良美 准教授

摂南大学 岸本良美准教授

摂南大学農学部 食品栄養学科准教授。専門分野は、ライフサイエンス/栄養学、健康科学。ポリフェノールやカロテノイドをはじめとする食品成分の機能性を研究。
主な研究には「ポリフェノールと動脈硬化の関連を調べる研究」「皮膚のカロテノイド量の測定を野菜摂取量の増加につなげる研究」などがある。

「しそ」はポリフェノールが豊富!

大葉には抗酸化物質が豊富出典:www.photo-ac.com

意外と知られていないかもしれませんが、しそには抗酸化物質である「ポリフェノール」や「カロテノイド」が豊富に含まれています。
1枚あたり約1g程度なので、1~2枚では摂取量としては少ないのですが、いろいろな料理にトッピングすることで、栄養素の摂取量アップに貢献してくれます。

抗酸化物質を摂取すると、紫外線などによる体のダメージや酸化ストレスを抑えてくれる効果が期待できます。そのため、とくに夏に積極的に摂っていただくとよい食品のひとつです。

そのほかにも、しそにはビタミン、ミネラル分も豊富に含まれており、これらは野菜の中でもトップクラスといわれています。しそは栄養価が高い優秀な野菜のひとつなのです。

しそのおいしい食べ方とは

3つのおすすめの食べ方

  • 薬味にする
  • 醤油漬けにする
  • ペースト状にする

薬味として手軽に食べるのはもちろん、醤油などに漬け込むのも保存がきくのでおすすめです。

紫蘇のペースト出典:stock.adobe.com

しそに含まれるカロテノイドは油に溶ける性質があり、油と一緒に摂取すると最も吸収率が高くなる特徴があります。油と合わせて食べる場合は、バジルのジェノベーゼソースのようにしそをオリーブオイルと加えてペースト状にすると、大量消費・摂取できます。

紫蘇のパスタ出典:stock.adobe.com

このペーストは、パスタに和えたり、ドレッシングがわりにサラダにかけたり、冷奴にトッピングするなど、さまざまな料理に活躍します。
この方法なら、家庭菜園で収穫したしそを余らせてしまいがちな方も、ムダなく使えると思います。冷凍保存も可能なので、薄く平らにして冷凍し、必要な分だけを割って使うとよいですよ。

保存方法

紫蘇の保存方法出典:stock.adobe.com

そのまま置いておくと早くしなびてしまいますが、濡らしたキッチンペーパーを茎に巻いておくだけでも鮮度をキープしやすくなります。
また、水を少量入れたコップなどに茎の先を浸しておくことも、長持ちさせる工夫のひとつです。

夏野菜の「ナス」もポリフェノールが豊富

ナスもポリフェノールが豊富出典:www.photo-ac.com

夏野菜の中で、ほかにポリフェノールが豊富なものといえばナスです。ナスの皮の紫色は、ポリフェノールの成分によるもの。ナスをゆでたときに黒っぽい色に変わるのが気になる方も多いと思いますが、ポリフェノールは水に溶出してしまうので、“ゆで汁の色が変わる=一部のポリフェノールが抜けている”ことになります。

汁物の場合は、なるべく汁ごと飲むのがおすすめ。味噌汁の場合は煮汁ごと飲むため、ポリフェノールをムダにすることなく摂取できます。

ナスの味噌汁出典:stock.adobe.com

鮮やかな紫色を保ちたい場合は、ポリフェノールの変色を防ぐ工夫が効果的です。
ナスをゆでるときには沸騰前から入れるのではなく、沸騰後に入れて短時間で調理することで、キレイな紫色を保つことができます。また、電子レンジで加熱して皮ごと食べる方法も、色がキレイに残せますよ。

栄養豊富な夏野菜を食事にうまく取り入れて、強い紫外線に負けない体づくりを意識してくださいね!

広告

著者

shukana

shukana

小学生、幼稚園児の男の子のママ。出産前まで紳士服業界に携わり、TES(繊維製品品質管理士)の資格を取得。 暮らしをより楽しく、よりラクに過ごすための方法を日々模索中です。

気になるタグをチェック!

saitaとは
広告