教えてくれたのは……株式会社ドラゴン教育革命代表 坂田聖一郎さん
愛知教育大学教育学部卒業後、東京NSC9期に入学。同期だった現在「しずる」村上純とコンビを結成するも解散。愛知教育大学大学院に入学。大学院生の傍ら、定時制高校で非常勤講師として国語を教える。卒業後、愛知県豊田市の正規教員として小中学校に勤務。2020年7月には「株式会社ドラゴン教育革命」代表取締役に就任。2022年「ままためコーチング塾」をスタート。
「離婚」という選択肢が選べるようになった今
坂田さん:女性の生き方が多様化し、離婚が社会的にも受け入れられるようになった今、離婚をという選択肢が選べる時代になってきました。その 1 つの要因として、昔のように専業主婦が多い時代ではなく、女性の経済的な自立があるでしょう。パートナーに対し「この人と一緒にいなくてもいいのでは?」と考えたときに選択できる状態にあるのです。
また、自己実現や生き方の違いから離婚を選択するということも珍しくありません。現在では夫婦の3分の1が離婚しているとも言われています。とはいえ、当事者はとても悩んでいますし、清水の舞台から飛び降りるような気持ちで離婚に踏み出す人も少なくありません。
離婚した友人に言ってはいけない「3つのNGワード」
身近に離婚した友人がいる場合、どのような声がけをするべきなのか悩むこともあるのではないでしょうか。坂田さんは、相手に不快な思いをさせてしまう可能性がある言葉は避けたほうがよいのだと言います。つい言ってしまいがちな「3つのNGワード」を教えていただきました。
- 「きっと、いい人いるよ」
- 「子どもは大丈夫なの?」
- 「頑張って」
坂田さん:結婚相手を求めているという前提で話したり、自分の決めつけに基づく言葉は、人によっては不快に感じるかもしれません。また、子どものことは本人は十分に考えているはずです。聞き方にもよりますが、離婚することが子どもにとってよくないことという前提でいうのはやめましょう。「頑張って」という言葉は、特に離婚経験のない人から言われると、「あなたに何がわかるの?同情しないで」という気持ちにさせてしまう可能性があります。
あからさまに話題を避けるといったことや、根掘り葉掘り聞きすぎることもNGです。別れてスッキリしている場合もありますし、逆に聞かれたくない場合もあります。友だちの様子を見ながら声をかける必要があると思います。
「してあげよう」の意識は持たず、フラットに話を聴く
「なんとか力になってあげられたら」という思いから、うっかりNGワードを言ってしまった経験がある方もいるかもしれません。坂田さんによると、そもそも「〇〇してあげよう」という意識は持つべきではないのだそうです。
坂田さん:『覆水盆に返らず』で、言ってしまった言葉は取り消すことはできません。取り消そうとすることで、相手に余計に嫌な気持ちを与える場合もあります。嫌なこと言ってしまったと思ったら、「無神経なこと言ってごめんね」と素直に謝るか、そこに触れないようにするのがよいでしょう。
そもそも、離婚した人に対して「慰めてあげよう」「助けてあげよう」という意識を持つべきではありません。離婚がマイナスであるかプラスであるかのジャッジをすることなく、フラットな状態で話を聴くことが大切です。気休めの言葉は、やめたほうが望ましいです。
適切な「寄り添い方」とは
最後に、離婚した友人への適切な寄り添い方を伺いました。
坂田さん:結婚していることがいい状態、離婚したことがダメであるという眼鏡をかけていると、相手の気持ちに寄り添うことはできません。結婚していても、離婚していても、「私はあなたの味方だよ」「あなたは大切な存在だよ」ということが伝わればよいと思います。
離婚を経験した人は、“人と離れる”という経験から不安を感じているところがあるかもしれません。そんなときには、「いつでも話聴くよ」「そばにいるよ」などの声をかけ、安心感を与えられるように寄り添うことがよいでしょう。