「いい親」って何?
子どもを良い学校に通わせること。好きなものを何でも買ってあげること。栄養たっぷりの手料理を作ってあげること。
もちろん、どれも子どものためを思えばこそですが、実はもっと大切なことがあります。それは「親がゴキゲンでいること」。
子どもの話を楽しそうに聞いてあげられる余裕。
「おかえり」「いってらっしゃい」を温かく言える気持ちのゆとり。
親が自分の機嫌を整えて笑顔でいることは、子どもにとって何よりの安心材料です。
しかし、僕たちはつい「何をしてあげるか」にばかり目が行きがち。子どもを喜ばせるために、習い事を探し、食事の献立を考え、遊びに連れて行く。でも、その努力を重ねるあまり、肝心の「親自身の心のゆとり」を見失ってしまうことってありませんか?
忙しさの中で失われた「ゴキゲン」
そうは言っても、実は僕自身もここ数週間、その「ゴキゲン」を疎かにしていました。
仕事のプレッシャーや、日々の忙しさ、思うようにいかないことの積み重ね。そこまで不機嫌ではないけれど、子どものはしゃぐ姿に心から笑えなかったり、何気ない話をじっくり聞いてあげられなかったり。
つい「疲れてるからちょっと、静かにしてくれる?」と、気づけば自分から小さな壁を作ってしまっていた。その瞬間、「ああ、ダメだな」と小さな罪悪感が生まれました。娘をないがしろにしているのではないか? と。
些細なことかもしれないし、気にしすぎかもしれません。でも、過去を振り返れば、こうした小さな違和感を「大したことない」と無視して、後悔したこともたくさんあります。
親がゴキゲンでいることの大切さ
「子どもへの接し方」を思うとき、ついつい「子どもにどう接するか」を考えがちです。
- もっと優しく話そう
- もっと真剣に話を聞こう
- もっと笑顔でいよう
でも、本当に必要なのは、そこではないのかもしれません。
親自身がゴキゲンでいなければ、どんなに意識しても笑顔は不自然になるし、どんなに気をつけてもイライラがにじみ出てしまいます。「どう接するか」を変える前に、まず「自分の心の状態」を見つめ直してみる。そうすれば、問題の本質が「子どもとの関わり方」ではなく、「自分の余裕のなさ」にあることに気づけるかもしれません。
どうすれば親はゴキゲンでいられる?
では、忙しい毎日の中で、どうすれば親はゴキゲンでいられるのでしょうか? 以下はいろんなパパやママから話を聞いてきた中で、僕も意識をしていることになります。完璧にはできませんが、少し意識してみるだけでも違うものです。
1.「子どものため」と思いすぎない
「子どものために頑張らなきゃ」と思いすぎると、思い通りにならない子にイライラしてしまいます。子育てなんて思い通りにならないくらいでちょうどいい。子どもは子どもなりの人生を自分で歩んでいくんだと思えばいいのです。
2. 自分の時間を大切にする
ほんの10分でもいいので、好きなことをする時間を持つ。読書、音楽、コーヒータイム……。自分の心を整える時間を意識的に作ることが、家族への穏やかな接し方につながります。
3. 子どもと「一緒に楽しむ」意識を持つ
「子どもに何かしてあげる」という視点を少し変えて、「子どもと一緒に楽しむ」ことを意識してみると、心が軽くなります。無理に完璧な育児を目指すよりも、親子で笑える時間こそを大切に。
親の一番の仕事は「ゴキゲンでいること」
僕たちはつい「親としてできること」を考えるとき「何をしてあげるか」に意識を向けがちです。でも、本当に大切なのは、親が機嫌よく過ごし、子どもに温かい笑顔を向けられること。
忙しさに追われていると、つい自分の気持ちを後回しにしてしまいますが、子どものためにも、まずは親自身がゴキゲンでいることを意識してみませんか? 「自分をゴキゲンにする」ことは、決してわがままではありません。むしろ、それこそが、親として子どもに与えられる最高のプレゼントなのかもしれません。
まずは今日、あなた自身の「心のゆとり」を取り戻すために、ほんの少しでも自分のための時間を作ってみてください。その小さな積み重ねが、親子の幸せな時間を増やしていくはずです。