子育てが「苦手?」「得意?」
「苦手」であると言うからには、おそらく「思い通りに行かない」「〇〇さんのように接することができない」などの悩みがあるのだと思います。
そして、その判断において「得意」そうに見える人が、どこかにいるのでしょう。それは、身近なパパ・ママ友なのか、SNSの中の誰かなのか、それともいわゆる子育ての専門家的な人なのか。
または、子どもと接しているとイライラしてしまうとか、子育てに時間を取られるのが嫌でしかたがない、という人もいるかもしれません。
たしかに、いつまででも子どもと楽しそうに接することができる人、一緒になって全力で遊び回っている人を見ると「わたしは、あんな風に子どもと接することはできないなぁ」なんて思ってしまうかもしれません。
でもべつに、それでいいじゃないですか。
「正解っぽさ」なんか見ないほうがいい
メディアやSNSには、子育ての「正解っぽさ」が山のように溢れています。
「子どもを〇〇大学に入れる方法」「〇〇な子どもを育てた方法」なんて情報は、本でもネットでもどんどん出てきます。ほかにも「ストレスを感じない育児のコツ」とか「〇〇な育児」なんて具合に、子育てのノウハウだっていくらでもある。
では、その中のどれが正解なのでしょうか。
その情報を発信している人にとっては、その方法が正解なのでしょう。ですが、それがあなたにとっての正解になるとは限りません。
子育てが「苦手」だなんて思わなくてよくなるために
もう聞き慣れた言葉だと思いますが、子育てに正解なんてないでしょう。それに、子育てが大好きで、子どもに囲まれている時間はずっとずっと幸せって人も、決して一般的ではないと思います。
もちろん、幸せな時間もたくさんありますが、それと同時に思い通りにならない辛さや、イライラを抱えているのが普通です。
そうしたイライラを抱えることと「子育てが苦手」かどうかは、べつに関係ないのです。
僕は、本当に子育てが苦手かどうかよりも、そう思ってしまって罪悪感や自責の念を感じてしまっていることのほうがずっと危ないと思います。
なので、そうならないために以下の2つをぜひ考えてみて欲しいのです。
1.誰かや何かと比較ばかりしていませんか?
「比較」は、子育てに限らず、自分自身を追い詰めてしまう思考のクセの代表格です。
僕達は子どもの頃から、テストや評価にさらされ続けています。そのせいで、無意識に誰かや何かと比較するクセがついてしまっています。
ですが、比較して勝ったとしても、それは新たな勝負のはじまりでしかありません。自分より優れた誰かはすぐに現れ、それと比較してどうせ苦しくなります。この「比較スパイラル」からいかにして抜け出すか。
そのためによく言われているのが「いま、ここ」に集中すること。子どもといる時間、家事をしている時間、仕事をしている時間。自分が過ごしているその瞬間に、意識を集中させてみてください。余計な不安や罪悪感にとらわれる時間が少なくなっていくはずです。
2.『子ども』を主語にしすぎていませんか?
「子どもが〇〇になる」こうした情報は、過度に信じないことが大事です。子どもが勉強好きになる、子どもが読書好きになる。子どもが運動上手になる。もちろん、子ども自身がそこに悩んでいて「もっと走るのが早くなりたい!」とか「もっと勉強できるようになりたい!」というなら、素晴らしいガイドとなるでしょう。
ですが、子どもをコントロールするためのノウハウとして活用するなら、それが返って親のストレスや不安に繋がる可能性があります。
だって、必ずそのとおりにいく保証なんてないんだから。
あの人はできたのに、あの子にはうまくいったのに、うちの子にはうまくいかない。わたしはうまくできない。そう思うリスクがあるくらいなら、最初からそんなの当てにしなくていいのではないでしょうか。かりそめの正解に振り回されるよりも、子どもをよく観察し、失敗しながらも、それを反省して次に活かせれば、自分なりの親としてのスタイルができあがっていく。
もっと、自分の親力を信じてもいいのではないかなと、思います。