“冷まして美味しい”トマトのみそ汁
うだるような暑い夏の季節。この時期に気をつけたいのが熱中症ですが、その対策にはやっぱりおみそ汁が欠かせません。
みその良質な塩分とミネラルが自然と補給できる、発酵食品のおみそ汁。「でも、こう暑すぎちゃ飲む気がしない」という方には、“冷ましたトマトのおみそ汁”がおすすめ。常温に冷ましたり、冷蔵庫で冷やすことで、食欲が落ちている時でもスルリと飲みやすいです。
そしてその調理のポイントは「加熱をすること」。トマトを一度加熱してから冷ますことで、体に優しく、美味しく、栄養もバッチリ摂れるおみそ汁に仕上がりますよ。
その理由を少し見てみましょう。
トマトは加熱で美味くなる!
独特の青くさい香りが特徴のトマト。「この匂いが嫌い!」という方も多いと思いますが、トマト独特の香り成分の一部は、加熱することで蒸発し、食べやすくなります。
また「酸味が苦手で」という方も、加熱することでうまみ成分「グアニル酸」が凝縮され、酸味よりうま味を感じやすくなります。
「生のトマトが苦手」という方は、“加熱一択”が正解のようです。
熱に強いリコピン
トマトの赤い果肉の色は「リコピン」という栄養素。βカロテンの2倍以上の抗酸化力を持つと言われるリコピンは、“熱に強いので加熱調理に適している”という特徴があります。
トマトは加熱するとビタミンCが減りますが、リコピンも摂れ、美味しさもアップするというお釣りがついてきますよ。
“体の冷やし過ぎ”を和らげてくれる
もうひとつ、トマトは東洋的に「陰性」の食べ物とされ、“体を冷やす作用”があると言われています。暑い季節の体を涼しく保ってくれる、夏野菜の性質ですね。
ですが、空調の効いた部屋で冷たい物ばかり食べているような状態だと、体の夏冷えが強く、生のトマトは体を冷やし過ぎてしまう可能性も。
その冷えを和らげる方法が「加熱」です。火のエネルギーを一度加えることで陰性の性質が弱くなり、トマトであっても体の冷えは穏やかになりますよ。
以上のトマトの性質をふまえ、一度加熱してから冷ますトマトのおみそ汁レシピをご紹介します。今回は、とうもろこしの甘さとピーマンの苦味が程よくマッチする夏の冷まし汁です。
トマトのみそ汁(調理時間:8分)
材料(2人分)
・トマト‥‥‥‥‥‥中1個 (ざく切り)
・とうもろこし‥‥‥2分の1本 (包丁で削ぐ)
・ピーマン‥‥‥‥‥中1個 (乱切り)
・水orだし汁‥‥‥‥2カップ
・みそ‥‥‥‥‥‥‥大さじ1と2分の1
作り方
1. 野菜をカットしておく。トマトは溶けるので適当にカットします。
2. 鍋に水かだし汁を入れて沸かし、トマト、とうもろこし、ピーマンを入れ、中火で4〜5分ほど煮る。
3. 火を止めてみそを溶かす。
4. そのまま熱を冷ましてからいただきます。冷蔵庫で冷やしてもよし。
冷でも温でも美味しいおみそ汁
トマトのおみそ汁は、冷ましても温かくしても美味しくいただけます。ご自分の今の体調等に合わせて、食べ方をいろいろと変えてみてもよいですね。
ナスやオクラ等、他の夏野菜も組み合わせて、冷ましても美味しいトマトのおみそ汁をお試しください。