1.ゴールを共有する
「全部捨てる」ではなく、「使いやすく暮らせる家にする」という前向きな目標を設定して取り組んでください。ゴールを数値や期限ではなく、状態で共有すると安心感が増します。例えば、「玄関までスムーズに歩けるようにする」「押入れに布団がスッと出し入れできるようにする」といった、高齢になった親が普段の暮らしで使いづらさを感じていたり、ストレスを感じていることがないかという視点で、声掛けをしながらゴールを共有すると、スムーズに片付けに取り組めます。
2. 優先順位の付け方
家全体ではなく、影響が大きい場所から片付けに取り組みましょう。例えば、通路 → 玄関 → 台所 → 水回りの順に取り組んでいくと、片付けの効果を実感してもらいやすく、暮らしやすさに直結します。気を付けてほしいのは、「思い出品ゾーン」は最終段階に回すということ。序盤に着手すると感情的になりやすいので、親子での衝突はできるだけ避けましょう。時間制限を設けて小さな成功体験を積むことを意識して、一気に取り組もうとするのではなく、「今日は引き出し1段だけ」というように、小さな一歩をスタートするようにしましょう。
3. “捨てる”より“活かす”を強調
「捨てよう」よりも「使いやすくしよう」「必要な人に譲ろう」という言い回しが衝突を避けます。寄付・リサイクル・フリマ活用など、手放す先が明確だと心理的ハードルが下がります。寄付団体や、リサイクルショップなどをシェアして、“活かす”を強調しましょう。
4. 親のペースを尊重する
親が迷った物は一時保留ボックスへ。モノと向き合う作業は思っている以上にエネルギーを必要とするので、急かしてしまうと疲れてしまいます。期間を決めて後日再判断するように設定することで、負担を軽くしましょう。片付ける時間帯は体力がある午前中や涼しい時間を選ぶことも大切です。長時間作業は避け、1〜2時間で切り上げると、片付けのモチベーションを維持しやすいです。
5. 感情を受け止めるコミュニケーション
親にとって、片付けは思い出を振り返る大切な時間です。思い出話に耳を傾ける → 「そうだったんだね」と肯定する。「これはもう古いからいらないよ」ではなく「これ、まだ使いたい?」と選択権を渡す質問をするなど、親子で片付けを通して対話する時間を大切にしてください。
実家の片付けで気を付けたい5つのことをご紹介しました。親子で思い出を振り返りながら、これからの暮らしを大切にできる片付けに取り組んでください。