亜希子さんのアテンドで
「ホテルで密着取材させていただきたいんですが……」
そんな申し出を快諾して、さまざまなご提案をくださったのがエースホテル京都でセールス&マーケティングを担当する林亜希子さん。
「ぜひあまり見ることができないホテルの裏側もご覧になってください!」とアクティブにアテンドしてくださった。
フロントバックオフィスのドアには……
2名ほどのスタッフが愛犬と一緒に通勤してくるというエースホテル京都。
バックオフィスにはこんなプレートが。外に出て行かないようにゲートを設置したり、動物が苦手なスタッフやアレルギーを持つ人にも対応できるよう配慮がされている。
服装自由!例外有り!そして気遣いも
壁に棚が設置された部屋では、リテールの担当さんが、せっせと販売用Tシャツなどの管理業務をされていた。基本的にエースホテル京都では支給されたユニフォームの着こなしは自由。マネージャー以上は、「スーツとパジャマ以外なんでもいいのよ」とのことだった。着こなしがまたカッコいい!
「密着取材よ!」「えっ? 取材ですか?」とワイワイ盛り上がるおふたり。業務連絡も交えながらの楽しいやりとり。
私服の上にジャケットを着る、というスタイルなので、スタッフそれぞれが好みのファッションで個性を発揮できるという、自由度の高さがとても斬新。もちろん髪色、ネイルも自由だ。
多国籍でさまざまな年代、バックグラウンドを持つ人々が集うホテルだから、スタッフも自分らしい接客を心がけている。
一般的なホテルに泊まると部署ごとに同じ制服なので見分けがつきにくい。「さっきどなたに朝食のことを聞いたんだっけ?」と、探し回った経験がある。でも、ここエースホテルでは「グリーンの髪に眼鏡の女性」「ショートカットで金髪、黒ジャケットの人」と見分けがつくし、自分らしさを前面に出してくれている分、こちらも親しみを持って接しやすい……なんて思いながら、バックヤードを歩いていると、ふと目に入ったのが着回しジャケットの近くにあった貼り紙。これが秀逸!
「みんなで使う場所や、みんなで着まわすジャケットは、他の人がこの後使うことも考えて。な。」
なんだか最後の「な。」が言葉を和らげているようで面白い。でも「わかってるよな?」の念押しの「な?」のようでもある。
ゲストを支える裏方さん
「せっかくなので、こちらも!」と亜希子さんに勧められたのは、冷凍と冷蔵の食品庫。
輸入物のチーズや生パスタ、大きな肉の塊に新鮮なフルーツなど、さまざまなゲストの好みに対応できるよう食材たちがスタンバイしている。
今日はどんなゲストがどんなお料理を楽しまれるんだろう!? そんなことを考えるだけで、胸が躍る。やっぱりホテルの魅力は、非日常を味わえる空間だということ。つまり、スタッフは「ゲストが日常を忘れるほどくつろげるサービスを提供するため」に心を尽くしているのだ。
しみじみしながら購買担当のオフィスに向かうと、亜希子さんが某ドキュメンタリーのテーマソングを歌いながらスタッフに「取材が入るよ」とアナウンス中。「え? 撮影も?」と問われ、「web記事です。情熱●陸じゃないですよ(笑)」と、あまりがっかりさせないように笑顔で返答すると、亜希子さんは畳みかけるように「はい、じゃあ真剣に仕事してる感じで」と、ははは! と笑いながら指示を出す。
で、撮った写真がこちら。
どの部屋に行ってもとにかく誰もが亜希子さんを見つけると、笑顔で積極的に声をかける。そして誰もが「はい、もちろん!」と受け入れてくださるのがありがたい。
Stumptown Coffee Roasters
次にロビー横にある日本初出店となったStumptown Coffee Roastersへ。
自慢のコーヒーやドーナツを店内はもちろん、ホテルの部屋へテイクアウトしてもOKだ。慌ただしい中で少し頃合いを見て、キッチンを覗かせていただくと……
「何の撮影ですか?」と聞かれた亜希子さんがバイオリンの旋律を歌い出し、そして私は「情●大陸じゃないですよ」と、また答える。そんなやりとりが他のオフィスやバックヤードで何度となく繰り返され、私たちはその都度それが初回かのようにフレッシュに大笑いを繰り返した。
ロッカーのドアを見ると、さまざまな連絡事項に交じって可愛らしい落書き? 「暇な時に遊んでたんですよ」
すし → しらす? → 鈴 → ズッキーニ → 虹……なるほど、お絵描きしりとりだ。
貼り紙ひとつひとつにも油断できない? Stumptown Coffee Roasters。ラテのお味が楽しみ。
社員食堂へ
24時間稼働しているホテルの社員食堂は、一度にドッと混みあうわけではない。各部署のスタッフがまばらに各職場のピークタイムを外して訪れている。
ふと見ると、さっきラテを作ってくれた彼女がいた。私たちはまたあのテーマソングと番組名を出して否定する、というコント? まがいのやりとりを繰り広げて、くつろぎの時間を少し邪魔をした。
自慢のベーカリー
エースホテル京都ではVIPゲストのお部屋にクッキーが置かれている。
日本の旅館によくある、地元銘菓のように、ご自慢の品を「どうぞ召し上がれ」と、もてなしてくれる。そのクッキー製造の現場にも潜入した。
毎日ゲストが変わるので、その分だけクッキーを準備する。大忙し! のはずだが、決してあくせくせず、それぞれの作業が実に丁寧だった。どのセクションのどのドアを開けても張り詰めた空気ではなくゆったりと穏やかな笑顔が返ってくる。
レストラン
まだディナー前の外が明るい時間に、レストランスタッフと打ち合わせ中の亜希子さん。
ここは3階なのだが、それを忘れそうな素敵な庭園のあるレストランだ。メニューを監修するのはアメリカ人の女性シェフ。京都で生産された野菜にこだわり、独特の感性でココロとカラダにおいしいお料理が楽しめる。
最後に亜希子さんを撮影しようとすると「いえいえ私は!」と逃げられてしまい、上手に撮ることができなかった。でも、そうやって「裏方」に徹しておられる亜希子さんのプロ意識に改めて敬意を抱いた。
フロントやレストランスタッフの方々は直接ゲストと関わるが、それらのスタッフだけではなく、バックで働く人々もそれぞれがホテルのポリシーを理解し、あらゆる持ち場で自分らしさを活かしながら京都を訪れる人々をもてなすために心を砕いていた。
だからやっぱりホテルを舞台にしたドラマや映画は今後ももてはやされるに違いない。しかし絶対にノンフィクションには適わない。ぜひ抜群のホスピタリティを体感するために、この秋はホテルステイを楽しんでほしい。
エースホテル京都
現在、ロゴや客室アートなど、ブランドを象徴する数々 のビジュアルを手掛けた、日本を代表する染色家・柚木沙弥郎氏の原画展『旅の歓び、旅の色彩』を 開催中。
原画展開催とともに、旅から得たインスピレーションを表現した特別なアフタヌ ーンティーを10月31日までの限定で提供中。ミートパイ(イギリス)やエスカベッシュ(イタリア)など世界の旅をイメージしたメニューに加えて、焼きおにぎりや京都の老舗 「一保堂茶舗」の上質な抹茶やほうじ茶を贅沢に使用したスイーツを楽しめる。
柚木沙弥郎と旅するアフタヌーンティー 〜 10月31日(金)
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