教えてくれたのは……マインドトレーナー 田中よしこさん
株式会社コレット代表取締役。心理学、脳科学、コーチングの知見を取り入れ、「自分を本当に知る」ことをメソッド化。個人セッションやセミナーなどを中心に、潜在意識を整え、本心と「未来の理想の思考」を引き出す方法を伝えている。『モヤモヤしない考え方』(ワニブックス)/最新刊『私は私を幸せにできる』(KADOKAWA)がある。
幸福度を高める言葉の選び方「5つのポイント」
同じ出来事でも、口にする言葉ひとつで“幸せ度”は大きく変わり、一日の気分にまで影響を与えることがあります。
今回は、心理学や脳科学の視点から、今日から試したくなる「幸福度を高める言葉の選び方」のポイントを5つご紹介します。
1.「ありがとう」を口ぐせにする
幸福度が高い人は、感謝を惜しみなく言葉にします。レジでおつりをもらったとき、宅配便を受け取ったとき、家族がゴミを出してくれたときなど、ささいなことに対してもすかさず「ありがとう」の言葉を伝えているのです。
小さな感謝を言葉にすると、脳は「私は恵まれている」と認識します。これは、脳科学的にも幸福度を高める“最短ルート”だといわれています。「ありがとう」を、日々の中にたくさん散りばめましょう。
2.「でも」より「だからこそ」に
「でも、疲れたから無理」ではなく、「疲れている。だからこそお風呂に浸かろう」。「でも、失敗してしまった」ではなく、「失敗した。だからこそ次は成功できる」。そんなふうに、“逆境さえ前向きに捉える”言葉の選び方が、ポジティブなエネルギーを生み出します。
言葉一つで、日常のひとコマがまるでドラマの逆転シーンのように変わることも。逆境に立ち向かっているドラマのシーンをイメージして、一歩前へ進んでみましょう。
3.「やらなきゃ」より「やってみよう」に
幸福度が高い人は、義務感よりも“チャレンジ”の言葉を選びます。
「ダイエットしなきゃ」ではなく、「今日はサラダを食べてみよう」。「片づけなきゃ」ではなく、「5分だけやってみよう」。このように言い換えることで、不思議と“義務”が“冒険”に変わり、心のハードルが下がります。
気づけば、5分の片づけが1時間も続いて「え、私こんなに頑張れるの?」と笑ってしまう瞬間がやってくるかもしれません。
4.「完璧」を目指すよりも、「まぁそんなこともある」と受け流す
幸福度が高い人ほど、「まぁそんなこともある」を上手に使います。
夕飯が出来合いのものばかりでも「まぁそんな日もある」。子どものプリントを出し忘れても「まぁそんなこともある」。この言葉には、自分を責める代わりにユーモアを添えて流す力があります。そもそも、人生の中で“そんなこともある”は、シンプルな事実なのです。このゆるさが、自分にも家族にも“優しさのクッション”となり、家の空気までやわらかくしてくれます。
ミスや本当に直したいことについては、「次はこんなふうに対処してみよう!」と改善策を考えてみましょう。
5.「どうせ無理」より「案外いけるかも」に
挑戦の前に「どうせ無理」と口にする人と、「案外いけるかも」とつぶやく人。どちらが未来を広げるかは、一目瞭然です。幸福度が高い人は、根拠がなくても“希望の言葉”を選びます。
脳は、口にした言葉に影響を受けやすい性質があるため、「案外いけるかも」と言った瞬間から、実際に行動力がアップするのです。宝くじ売り場で「当たるかも」と思って買う人が多いのも、この心理が働いているからかもしれませんね。
「言葉の選び方」で幸せのスイッチを押してみよう
幸福度が高い人は、何も特別な能力を持っているわけではありません。ただ、「日常の言葉の選び方」を少し工夫しているだけなのです。今回ご紹介した「ありがとう」「だからこそ」「やってみよう」「まぁそんなこともある」「案外いけるかも」。この中に、あなたが今日から使ってみたいと思う言葉はありましたか?
まずは一つでも、意識して口に出してみてください。きっと、心の空気がふわっと軽くなるのを感じられるはずですよ。