平日の朝が「ストレスフルな時間」になっていませんか?
「ほら、もう7時半! 着替えたの?」「わかってるってば!」お互いに苛立ちながら準備する毎朝のやりとりにうんざり。「あ、今日水着がいるんだった」などと、急に持ち物を言われた日にはイライラMAX。「だから昨日の夜やりなさいって言ったでしょ!」「今言ったってしょうがないじゃん。もういい!」お互いに怒ったまま、家を出てしまう日も。
子どもの朝ご飯や身支度に加え、親自身の仕事の都合が重なり、朝は一息つく間もなく時間に追われているご家庭は多いのではないでしょうか。
また、小学校高学年くらいになると時間をしっかり守らせたい、自分で忘れ物がないか確認してほしい、見通しをもって行動してほしいなど、親が子どもに求めるものも増えてきます。
これらの気持ちはもっともですが、毎朝バトルになってしまっては子どもの成長も思うようにいかないもの。
毎朝5分、親から子への声掛けを意識できると、子どもの情緒や親子関係がぐっと変わってきます。
朝の対話時間は、親子にとっての「メンタル予防接種」
令和の子どもたちは、学力や行動だけでなく、心の状態(メンタルヘルス)にも注意が必要な時代に生きています。
小さな人間関係のつまずきやSNSの影響、自己肯定感の揺らぎなど、目に見えにくいストレスを多く抱えがちなんですね。
そのため登校前の5分は、子どもにとって“戦いに出る前の時間”にもなりえます。
朝、親から心を整えるような声かけがあると、「メンタル予防接種」を打った状態で外に出られるんです。
たとえば、
- 「昨日の読書感想文、先生何か言ってた?」
- 「今日の体育、晴れるといいね」
- 「友達の〇〇ちゃん、最近元気?」
こうしたやりとりがあれば、子どもは「見守られている」という感覚をもちやすくなります。
朝に得た安心感は、教室での小さなトラブルやストレスに対する“クッション材”の役割にも。
登校前、「今日もきっと大丈夫」と思えると、心が壊れにくくなるんですね。
忙しい朝でもできる、“心のスイッチ”の取り入れ方
週明けや連休明けは特に、学校への足取りが重い子も多いもの。
そんなときは特に、「今日、楽しみにしてることある?」などの一言があるだけで、子どもは「ちゃんと見守ってくれてるんだ」と思えます。
親からの一言には、子どもの心を安心モードに切り替える効果があるんですね。
忙しい朝でも、温かい一言の声かけを意識するのがおすすめです。
たとえば、
- 「今日の算数の小テストは、昨日復習したところが出るといいね」
- 「今日はどの時間が楽しみ? 給食はなんだっけ」
- 「昨日のあの話、思い出すと笑っちゃうね」
ポイントは、「答えを期待しすぎないこと」。
返事が「別に」「わかんない」だったとしても、問題ありません。
対話の習慣があることが、数週間後、数カ月後、子どもの心の支えとなってきます。
また、思春期の入り口に差し掛かる高学年の子どもたちは、言葉ではなく行動で安心を伝えるのも効果的。
- 靴を並べておいてあげる。
- 家を出たあと、後ろ姿をしっかり見届ける。
- 少し頑張った日の夕ご飯は好きなものにしてあげる。
こうした温かい行動も、子どもの心にしっかり届き、安心感の土台になります。登校前の“心のスイッチタイム”は、子どもにとっては「今日も安心して出かけられる」、親にとっては「今日もこの子とつながれている」という感覚を得る大切な時間。
「いってらっしゃい、いってきます」「ただいま、おかえり」。
毎日当たり前に言い合えるのが、何よりの幸せともいえます。
慌ただしくなりがちな朝ですが「心を通わせる5分間」を作れるよう、意識してみてください。