世の中が便利になっても、僕達は「暇」にはならない
不思議なもので、どれだけテクノロジーが進化しても、僕達の時間はいつもいっぱいいっぱいです。 僕の娘が産まれた11年前からいまも変わらず、夜のパパ・ママは保育園のお迎えにアクセクして、家に帰れば数分の自分時間も確保する間もなく夕飯から寝かしつけに大わらわ。
便利になったはずなのに。ちっとも仕事は早く終わらないし、家では忙しくて時間がない。
じつはこの現象は、昔からあるのです。たとえば、洗濯機。洗濯機がなかった時代から洗濯機が登場し、さぞ家事の時間が短くなったろうと思えば、ほとんど減らなかったという衝撃の研究があります(技術史学者 ルース・シュワルツ・コーワン(Ruth Schwartz Cowan))。これはなぜかと言うと、確かに洗濯は楽になったのですが、その分「清潔感」が変わり、洗濯の頻度が多くなったため、結果的に時短になっていないというのです。
洗濯機に限らず、携帯電話がなかった時代は固定電話や公衆電話を使い、並んだり待ったりと時間がかかってしょうがなかった。ところが、携帯が普及していつでもどこでもつながるようになったことで、むしろ24時間ずっと連絡が来るようになってしまったり。こうした事例は思い返せばいくつも思い当たるでしょう。
生成AIができても、「だからといって」僕達の時間にゆとりが生まれるわけではないのです。
時間資産を構築しよう
「時間は消費するもの」と考えるのではなく、「時間をつくる投資」をする。そうした発想が時間資産の構築です。
当然ですが、物理的に時間を増やすことはできません。どれだけがんばっても1日が25時間になることはないのです。 つまり、「24時間の中に入ってる『作業の時間』を『短くする』」以外にできることはありません。
睡眠が7〜8時間は必要だとしたら、残りの16〜17時間。これを上手に使うしかないのです。
そのためにテクノロジーや外部サービスを活用するのです。
そこで忘れてはいけないのが、先程紹介した過去の事例です。 たとえば、全自動洗濯機。せっかく乾燥までできるのに、「電気代がもったいない」と基本的に外干しをしているのだとしたら、とてももったいない。
家事の中でも洗濯は、時間がかかる家事です。 洗濯機を回すのはスイッチ1つでも、洗い終わるまでに30分。洗い終わったらすぐに移動して干すのに30分。乾くまでに数時間。取り込んで10分。畳んでしまうのに20分。 作業時間だけでも90分近くかかり、乾くまでの時間も含めれば半日仕事です。もちろん、乾く間ボーっと待ってるわけではありませんが、手離れが悪い。
全自動洗濯乾燥機なら、スイッチひとつで洗濯から乾燥まで終わります。 シワになるのが気になるなら、1回の洗濯の量を減らして、複数回回せばいい。1回の量が少なければ畳む手間も最小限ですし、1日に2〜3回も回せば多くの家庭では充分すぎるくらいでしょう。
家電、テクノロジーに合わせて家事リズムをつくる
これは洗濯機に限った話ではありません。 上手に、家電やテクノロジーを活用できる人と、そうでない人の違いは、一体何でしょう。 家電を生活の中にうまく取り入れられない、新しいテクノロジーをうまく使えないと悩んでいる人は、今の家事のリズムの中に、便利な家電を取り込もうとする傾向があります。
逆に家電を上手に使って、時間資産を構築できる人は、家電を使うことを前提に、家事のリズムを作っています。
「便利な家電」というのは、今の自分に足りない隙間を埋めてくれるものではなくて、それを使った家事リズムそのものを新しく作り直してしまう方が、しっかり使いこなせるようになります。
ネットスーパーでも、家事代行の活用でも同じことが言えます。 自分が買い物をする時間帯にネットスーパーのサイトを開いたって遅いんです。たとえば、前日の夜の時間に「ネットスーパーで買い物をする」というリズムを組み込む。 自動掃除ロボットに掃除をしてもらうなら、それができる環境をしっかり整える。
そうすることによって、自分が動かなくてもよい時間が増え、1日に2〜3時間という「ゆとり」が生まれるのです。
時間資産への投資とは、こうした時間を生み出してくれるものへの投資です。 それによって産まれた時間は、新たなことに使うことができる、とても価値の高いものです。
ぜひ、今年はテクノロジーを活用して、わが家の時間資産を構築していきましょう!



