「え、山椒?」奈良に店舗を構える“唯一無二のガトーショコラ”を深掘り取材【しかさんしょこら】

料理・グルメ

2026.02.02

大好きなチョコレートを探し求める旅。 カカオに魅了されて半世紀! のチョコレート愛好家が「ここでしか出会えない味と時間」を楽しむために、奈良へ出かけました。 今回訪ねたのは、ガトーショコラ専門店「しかさんしょこら」。山椒など意外性のあるフレーバーと、粉を使わない製法が生む独特の触感が自慢です。

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お話を伺ったのは…しかさんしょこら 杉本岳夫さん

プロフィール

プログラマーやタクシー運転手、プロビリヤードプレイヤーという職歴を持つ1男の父。
北海道・網走にある東京農業大学生物産業学部で学びながら、「おいしいパン研究会」というサークルにも関わっていた。素材や発酵の仕組みに興味を持つ視点を、学生時代に育んだことが、ガトーショコラの原点。
結婚後に始めた「新しい趣味」としてのケーキ作りが高じ、ガトーショコラ作りに没頭。2年前に店舗を構えた。

万人受けを狙わない、という潔さ

グルテンフリー

「しかさんしょこら」のガトーショコラは、いわゆる正統派のマニアが喜ぶ“しっとり濃厚”な味わいとは少し違う。
その理由のひとつが、小麦粉や米粉といった粉類を一切使っていないこと。生地を支えているのは、卵白を泡立てたメレンゲだけだ。

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粉を使わないガトーショコラ

ガトーショコラ

一般的には難易度が高いとされるこの製法を、あえて選んだ理由を聞くと、返ってくる答えは意外なほど淡々としている。

「粉を入れると、どうしてもモソモソするじゃないですか。」

最近のチョコレートのトレンドや、パリの巨匠の動向、有名ブランドの新作などには目もくれず、マイペースを貫く姿勢が潔い。

「軽い後味が好きなんです」

プロフィール

「しかさんしょこら」の商品作りは、終始そんな合理性を貫いている。
山椒フレーバーも、驚かせるためというより、チョコレートの濃厚な「後味を切る」ための選択。ツールのひとつに過ぎないのだ。珍しいフレーバーで驚かせたい、という思惑を超える合理性が「しかさんしょこら」の1番の特徴だ。口の中に入れると確かに甘さが軽快に消えてゆくのに、山椒の味わいだけは口の中に残る、という設計が生きている。まさに科学者目線で生まれたガトーショコラだ。

ロマンより確かさ

山椒

ミントや梅、日本酒といったフレーバーも同様。
ロマンや物語より先にあるのは、「成立するかどうか」という視点。まず仮説を立て、試して、調整する。その繰り返しの末に、今の形が完成した。

そもそも彼がお菓子作りに関わるようになったのも、お菓子やパティシエに強い憧れがあったからではない。
「家で楽しめる趣味を持とう」そんな発想からケーキ作りを思い立ち、家族に好評だったガトーショコラのアップデートを繰り返すことに没頭したのがスタートだ。

記憶に残る、Only Oneのガトーショコラ

ガトーショコラ

杉本さんの作るガトーショコラは、記憶に残る切れ味を持っている。万人向けではないかもしれない。
けれど、「誰ともかぶらないチョコレートを贈りたい」「話題になるおいしさを選びたい」――そんな人にとっては、これ以上ないベストな選択肢だ。

「しかさんしょこら」は、緻密な個性が光る唯一無二のガトーショコラだ。

◆しかさんしょこら:https://shikasanchocolat.com/
〒630-8222奈良県奈良市餅飯殿町12番地 夢Cube D号室
10:00 AM – 19:00 PM 木曜定休
080-5327-9756

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著者

みやむらけいこ

みやむらけいこ

ライター・インタビュアー歴20年以上。媒体を問わず取材執筆を行う。現在では自身の主食「チョコレート」や時間やタスク管理だけではなくココロを整える「手帳」、軽やかに生きるための「自分と向き合う方法」、シゴデキ女子や店舗の「密着取材」などをライフワークとして行う。

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