お話を伺ったのは…しかさんしょこら 杉本岳夫さん

プログラマーやタクシー運転手、プロビリヤードプレイヤーという職歴を持つ1男の父。
北海道・網走にある東京農業大学生物産業学部で学びながら、「おいしいパン研究会」というサークルにも関わっていた。素材や発酵の仕組みに興味を持つ視点を、学生時代に育んだことが、ガトーショコラの原点。
結婚後に始めた「新しい趣味」としてのケーキ作りが高じ、ガトーショコラ作りに没頭。2年前に店舗を構えた。
万人受けを狙わない、という潔さ

「しかさんしょこら」のガトーショコラは、いわゆる正統派のマニアが喜ぶ“しっとり濃厚”な味わいとは少し違う。
その理由のひとつが、小麦粉や米粉といった粉類を一切使っていないこと。生地を支えているのは、卵白を泡立てたメレンゲだけだ。
粉を使わないガトーショコラ

一般的には難易度が高いとされるこの製法を、あえて選んだ理由を聞くと、返ってくる答えは意外なほど淡々としている。
「粉を入れると、どうしてもモソモソするじゃないですか。」
最近のチョコレートのトレンドや、パリの巨匠の動向、有名ブランドの新作などには目もくれず、マイペースを貫く姿勢が潔い。
「軽い後味が好きなんです」

「しかさんしょこら」の商品作りは、終始そんな合理性を貫いている。
山椒フレーバーも、驚かせるためというより、チョコレートの濃厚な「後味を切る」ための選択。ツールのひとつに過ぎないのだ。珍しいフレーバーで驚かせたい、という思惑を超える合理性が「しかさんしょこら」の1番の特徴だ。口の中に入れると確かに甘さが軽快に消えてゆくのに、山椒の味わいだけは口の中に残る、という設計が生きている。まさに科学者目線で生まれたガトーショコラだ。
ロマンより確かさ

ミントや梅、日本酒といったフレーバーも同様。
ロマンや物語より先にあるのは、「成立するかどうか」という視点。まず仮説を立て、試して、調整する。その繰り返しの末に、今の形が完成した。
そもそも彼がお菓子作りに関わるようになったのも、お菓子やパティシエに強い憧れがあったからではない。
「家で楽しめる趣味を持とう」そんな発想からケーキ作りを思い立ち、家族に好評だったガトーショコラのアップデートを繰り返すことに没頭したのがスタートだ。
記憶に残る、Only Oneのガトーショコラ

杉本さんの作るガトーショコラは、記憶に残る切れ味を持っている。万人向けではないかもしれない。
けれど、「誰ともかぶらないチョコレートを贈りたい」「話題になるおいしさを選びたい」――そんな人にとっては、これ以上ないベストな選択肢だ。
「しかさんしょこら」は、緻密な個性が光る唯一無二のガトーショコラだ。
◆しかさんしょこら:https://shikasanchocolat.com/
〒630-8222奈良県奈良市餅飯殿町12番地 夢Cube D号室
10:00 AM – 19:00 PM 木曜定休
080-5327-9756
