和菓子の老舗が手掛けるチョコレート
「山奥チョコレート 日和」は、和菓子の名店として福井で人気の老舗「森八大名閣」が運営するチョコレート専門店。足羽山で古くから蕎麦や甘味を出す茶店として親しまれた建物をほぼそのままに、柔らかな灯りと温かみのあるインテリア令和のスイーツトレンドの発信地となっています。
豊かな自然の中に佇む、カフェ併設のチョコレート店。日曜日の午後、すでに店内は満席です。母体は老舗の和菓子店とお聞きして、意外性を感じながら訪ねましたが、お話を伺ううちに「BTBと和菓子には大きな共通点がある」ことがわかりました。
チョコレートの世界では先進的とされるBTBですが、実は和菓子の世界では「当たり前」の考え方でチョコレートが作られている…それがBTB!なのです。
カカオ豆からの一貫製造
通常のチョコレート専門店では、フランスやベルギー産の製菓用チョコレートを用いて商品を製造していますが、BTBのお店ではカカオ豆を買い付けて豆を取り出し焙煎や練り上げの作業など、全てを一貫して生産することを指します。ここ、山奥チョコレート 日和は、BTBでチョコレートを生産しています。
「共通点が多いんですよ」
ここで店長の桑原正成さんにお話をお聞きしました。
「BTBと和菓子作りって、すごく似てるんです。和菓子屋では、素材の小豆選びから始まって、どこの店でも自家製のあんこを炊き上げるでしょう?それと同じで、カカオ豆を選んで、自家製のチョコレートを作るんですから、考え方は同じです。」
なるほど!言われてみれば、その通り!BTBと言われると「ちょっと特別なチョコレート」だと思っていましたが、焙煎や炊き上げなどの作業の違いはあれど、和菓子の世界では「豆からお菓子までの工程を全て手掛ける」ことは、ごくごく「当たり前」なことなのです。
こちらはカカオの産地によって作り分けられたヒヨリタブレット。BTBのシングルオリジンのタブレット(1か所の産地のカカオのみを使った板チョコ)は、カカオの豊かな香りと味わいはそのままに、雑味や尖った酸味は抑えられ、それぞれの産地のコントラストははっきり!
「カカオ豆の焼成時間、温度。コンチング(カカオニブをすり潰す工程)時間を調整することで、渋みやエグ味をなるべくなくしているんです。」という、桑原さんの言葉通り「BTBは苦い」と先入観を持っている人にはぜひ試してもらいたい、まろやかさが特徴。丁寧な仕事が垣間見える深い味わいです。
hiyori'sパンケーキ
カフェメニューでの一番人気はhiyori'sパンケーキ。カカオが生地にたっぷり練りこまれたパンケーキに、甘さ控えめのガーナ産生チョコクリーム。クリームには、アクセントとしてキャラメリゼしたカカオニブ(カカオ豆を砕いたもの)が効いています。トッピングは口の中でとろける!メレンゲ、そして70%ガーナ産チョコレートをベースにしたチョコレートソースを、とろりとかけていただきます!
モンブラン&スパイシーチョコレートドリンク
オープン当初からこちらで働くベテランスタッフさんのオススメ!モンブランをいただきました。「今しか無いですよ!」とのお言葉に思わず飛びつきましたが、残念ながらこちらは11月末までの限定メニュー。カカオニブメレンゲの台に洋ナシとバニラのジュレ、そして和栗のクリームがたっぷりの贅沢さ。
こちらはスパイシーチョコレートドリンク。チャイのようなスパイスの風味とカカオの濃厚さのバランスが絶妙。ケーキと一緒にいただくと、どちらも華やぐとなるおいしさに!因みに、シナモン、クローブ、カルダモン、ブラックペッパー、スターアニス、鷹の爪が入っているとのこと。この複雑さを口の中でひも解いてみるのも楽しい時間です。
山奥の心地よさと新しい味わいと。
山の茶店をリノベーションしているだけあって、和テイストに重厚感が。イマ風に作りあげた「狙った」モノとはひと味違うリアリティに圧倒されます。特に美しい畳の部屋では、背筋が伸びて、思わず深呼吸。障子の向こうには季節の山の景色…春は桜を楽しめるとのこと。
囲炉裏にはカカオ豆が敷き詰められ、カウンター的な大テーブルとして新たな命が吹き込まれ、風情たっぷりにお茶の時間を温めてくれています。
季節の生パンケーキ Xmas ver.
人気のパンケーキにクリスマスバージョンがお目見え!クリスマスカラーの赤とグリーンは、それぞれいちごとベリーのソース、ピスタチオソースです。サクサクのパイ、ホワイトチョコクリームがアクセント。
こちらは、12月17日まで。(年内営業12月17日が最終。営業再開日は1月10日の予定)
お試しにはこれ!
「味見してみたい!」と思ったら、オンラインショップ限定の”お試しセット”がオススメ。きっと誰にも喜ばれる生チョコサンドや、マニアも唸るカカオ豆の味が楽しめるミニタブレットなどがボックスに入っているので、ギフトにも最適。個人的には「やわらか焼きショコラ」のまろやかさに心を奪われました!w
お話を伺ったのは…桑原正成(クワバラマサアキ)さん
山奥チョコレート 日和 店長。
都内のパティスリー、ホテルにて約6年従事した後、東京・蔵前 ダンデライオンチョコレートのオープンと同時に勤務を開始。そこでビーントゥバーチョコレートと出会い約2年勤務し、知識と技術を習得する。
その後地元福井に戻り、株式会社森八大名閣に入社。山奥チョコレート日和をオープン。
山奥チョコレート 日和
〒918-8009 福井県福井市山奥町58-85-1(足羽山動物園東隣)
0776-25-0108 info@hiyori-morihachi.jp
定休日 月曜日・火曜日 ※変更の場合も有り。
営業時間 10:00~17:00(16:00オーダーストップ)