どんな言葉が子どもの心を傷つける?
5年生の娘。算数のテストを持って帰ってきて「84点だった!」と嬉しそう。私は「がんばったね」と言いながら、「平均は何点だったの?」と一応聞いておいた。娘は「わかんない」と答え、そのあとは少し無言に。夕食後、パパの前で「今日テストの点数よかったんだよね」と話を振ってみるものの、「うーん」とそっけない返事。帰ってきたとき、どんな風に反応してあげたらよかったんだろう。
自己評価がぐっと育つ思春期。
親としては、”ただ事実を確認しただけ”、”一応聞いただけ”のことでも、子どもは背景にある比較を敏感に感じ取ります。
親の何気ない一言が、「自分の価値」に繋がってしまうんですね。
どんな言葉が子どもにとって”比較”に聞こえてしまうのか。言い換え方を考えます。
親にとっては何気ない一言。子どもにとっては?
子どもが突然不機嫌になったり、顔が曇ったりするとき、原因は何気なく言ってしまった一言にあるかもしれません。
たとえば、
- 「〇〇ちゃんはもう英検受けるんだって」→「私はまだ。遅れてる?」
- 「惜しいね、あと少しだったのに」→「そこが基準なんだ。私は足りない?」
- 「普通はそのくらいできるよ」→「普通以下ってこと?」
- 「もう少しできると思ったんだけどな」→「できなかった私は期待外れ?」
親は比較の意図がなくても、”外側の物差し(他人・平均・基準)”を示すと、子どもはそこに自分を当てはめます。
思春期は、自分と他人の違いに敏感になる時期で、言葉の”ウラ”を読み始める時期です。
親の発言の他意や、何気ない比較から、自信を失ってしまったり、防御態勢に入りやすくなるんですね。
難しい時期の子どもを傷つけないために。言い換えのコツ5選
平均や順位を聞きたくなったら
×「平均何点だったの?」
○「自分ではどう感じた?」
“位置”ではなく、“手応え”を聞くのがおすすめです。
励ましたくなったら
×「惜しかったね」
○「どこがうまくいったと思う?」
不足ではなく、具体的な工夫に焦点を当てる。
心配で止めたくなったら
×「無理しなくていいよ(やめとく?)」
○「不安もあるよね。どうしたら少し安心できそう?」
挑戦を止めるのではなく、安心するための条件を一緒に考える。
一般論を言いたくなったら
×「普通はね」「みんなは」
○「あなたはどう思う?」
“普通”はつい使いがちな言葉ですが、見えない誰かとの比較になります。
主語を子どもに戻すのがポイントです。
褒めたくなったら
×「クラスで一番じゃない?」
○「どの部分を一番工夫したの?」
順位ではなく、プロセスに光を当てるのも大切です。
比較の言葉を完全になくす必要はありません。
ですが、順位・平均・他人との比較から、体験・選択・気持ちへ軸をずらした返答も混ぜてみてください。
それだけで、受け取り方は大きく変わっていくでしょう。
比べないよりも、「意味づけ」に寄り添う
どんなに丁寧にかかわっていても、愛情をもって接していても、親子の間で傷つけあってしまうことはしばしばあります。
大切なのは、親が比較しているつもりがあるかどうかよりも、子どもがどう意味づけたか。
比較が続くと、「失敗 = 能力の証明」になりやすいもの。
ですが、家庭が“自分軸に戻れる場所”なら、「失敗 = 経験」に変わります。
- 前の自分と比べる
- 気持ちを言葉にする
- 結果よりも選択や工夫を扱う
ほんの少し軸を変えるだけで、子どもは「次も頑張ろう」と思えます。
見方が変われば、自然とかける言葉も変わります。すると自然と、親子関係はよい方向に進んでいけるでしょう。



