わかってるはずなのに動かないのは、なぜ?
「なんでまだ宿題やってないの?」「先にやらないと疲れて寝ちゃうよね」「宿題やらないならお風呂入ったら?」小6の娘には毎日イライラしながらこんな声ばかりかけている。学校から帰るとソファに寝転び、そのまま漫画。少し休んだら宿題をやるはず……と思って見ていても、全然立ち上がらない。「来年中学なんだから自分のこと自分でやらないと。わかってるでしょ?」と言ったら、むっとした顔で「わかってるよ」と一言。なぜ、わかっているのにやらないのだろう。
「できるはずなのにやらない」
ある程度自立してくる時期だからこそ、親子で衝突しやすいテーマになります。
高学年になると、親の期待値は自然と上がるものです。
- もう言われなくてもできるはず
- これくらい理解しているはず
- 自分で考えて動けるはず
実際、子ども自身も「宿題は先にやった方がいい」「後にすると大変になる」と頭では理解しています。
では、なぜわかっているのに動かないのでしょうか。
「わかっている」=「動ける」ではない
子ども自身、今しなければいけないことはわかってるのに動けないのは、「理解」と「行動」は別のプロセスだからです。
高学年の子どもは
- 頭の中で考えることが増える
- 人の目や評価が気になる
- 学校で使うエネルギーが大きくなる
という変化の途中にいます。
つまり、見た目は「もう大きい子」でも、内面では脳が忙しくて動きが止まるということが起こりやすい時期でもあります。
大人でも、「やった方がいいのはわかってる」「でもなんとなく後回しにしてしまう」ときはありますよね。
小学生の子どもにも、同じような“思考と行動のズレ”が起きることがあるんです。
元気そうに見えても、頭の中が忙しく、立ち上がるエネルギーが不足しているのかもしれません。
「やらない子」に見えるとき、親が見落としやすいこと
「うちの子、やればできるのにやらないんです」とおっしゃる親御さんは多いです。
このとき親が見ているのは、主に結果としての行動です。
しかし、子どもの内側では、行動の前にいくつもの気持ちが動いています。
たとえば、
- やらなきゃとは思っている(子ども自身も「やった方がいい」とわかっている)
- でも気持ちが乗らない(疲れ、面倒くささ、遊びたい気持ち)
- その葛藤に疲れてしまい、動かなくなる
ここで親が「なんでやらないの?」と聞くと、子どもはこの複雑な内面を説明できません
その結果として「あとでやる」「わかってる」と苛立った返答になってしまうんです。
つまり多くの場合、子どもはやる気がないのではなく、気持ちの整理がついていない状態なのです。
このとき親が「怠けている」と解釈すると、親子の会話はすぐに対立になります。
高学年の子どもを見るときに役立つ視点は、「この子は今、何と何の間で揺れているんだろう?」と考えてみること。
- 遊びたい気持ちと、やらなきゃという気持ち。
- 親の言葉が気になる気持ちと、自分で決めたい気持ち。
- 今を楽しみたい気持ちと、あとから後悔したくない気持ち。
この葛藤をわかろうとしてあげることが、親子の距離をぐっと縮めていきます。
必要なのは、説得ではなく「気持ちの代弁」
子どもを見てもどかしく思うと、親はつい「後で困るのは誰?」「わかってるんだよね」と説得しにかかろうとしてしまいます。
けれど子どもの中では、「わかる → 気持ちが整う → 動く」という順番でやっと行動できることも多いもの。
わかっているけど動けない。
そんな子に、根気強い説明や説得はあまり効果がありません。
必要なのは、「わかってるけど腰が重いんだよね」「面倒くさい気持ちと戦ってるんだよね」と、気持ちを代弁してもらうこと。
この子は今、どんな気持ちの間で揺れているんだろう、どんな気持ちの狭間にいるんだろう。
そのように考えてみると、親子のやり取りからストレスが減っていくかもしれません。



