子どものスケジュールばかりの毎日。でも数年後は?
小学4年生と6年生の母親。平日は仕事を終えて帰宅すると、宿題チェックや習い事の送迎、学校からの連絡確認。週末は試合や友達との予定でカレンダーが埋まる。自分の予定といえば、子どもを通じてつながっているママ友とのランチが少し。気づけば10年以上、生活の中心にはいつも子どもがいる。忙しいけど、嫌いではない充実感。一方でふと、“私、子どもが家を出たら、どんな生活をしているんだろう”と寂しくなるときも。
数年後を想像すると心にぽっかり穴があく感覚になる。自分の役割がなくなる感じがして怖くなる。
このような感覚は、子どもが小学校高学年くらいになり、精神的な負担が軽くなった時期に感じやすいものです。
子どもが10歳前後になる頃は、子育ての折り返し地点であると同時に、親自身の人生の次の段階を準備する時期でもあります。
空の巣症候群を予防するために、今からできることを考えてみます。
空の巣症候群は「親のキャリア転換期」でもある
空の巣症候群というと、「寂しさ」や「喪失感」という言葉で語られることが多いもの。
しかし心理の視点から見ると、人生のキャリア転換期という側面もあります。
ここでいうキャリアとは、仕事だけではありません。
人は人生の中で
- 母親
- 仕事をする人
- 誰かの友人
- 資格取得のために勉強する人
- 地域の一員
など複数の役割を持っています。
子育ての10数年は、その中でも「母」という役割の比重が非常に大きくなる時期です。
だからこそ、子どもが巣立つ頃は、その役割の重心を少しずつ移していくことが大切になってきます。
その移動をスムーズにするために、今からできることを考えてみましょう。
子どもが小学生のうちから始めたい、“空の巣症候群”を防ぐ3つの工夫
子ども中心の生活に、小さな“別の軸”を入れる
子育てを熱心にされている方、子育てを楽しんでいる方は、無意識のうちに頭の中で子どものことを考えている時間も多いのでは。
“うちの子はこうだから”、“下の子は明日〇〇だから”と、頭の中で思い浮かべる言葉の大半が子どもになっていますよね。
子ども中心の生活も貴重で尊いのはもちろんですが、小さな別の軸を入れていけると、自身の人生がより豊かになっていきます。
たとえば
- 好きだった本を読む時間を作る
- ニュースや社会の話題を深堀りする
- 久しぶりに同窓会に顔をだす
大きな趣味や挑戦でなくても構いません。
母親以外の自分の感覚を保つ時間を作ってみるのがおすすめです。
親子関係を「対等な会話」に少し変えていく
子どもの思春期、反抗期、巣立ちなど、ライフステージにおける壁を乗り越えるために必要なのは、“親子関係のブラッシュアップ”。
幼いころは、けがをしないように手をつなぐ、友達とうまくやれるよう手助けする、社会のルールを教えるなど。
親子は、「教える人」と「教わる人」の関係にありました。
しかし子どもの成長に合わせて、「世話をする関係」から「一人の人同士」に変えていけると、より安定した親子関係を築いていけます。
何気ない日常会話でも、
- 最近こんな本読んだんだよね。
- 転職考えてて、この仕事どう思う?
- 〇〇(子ども)だったら、こういうときどうする?
と、親自身の考えや興味を話したり、相談してみるのもおすすめ。
一人の人同士の関係性が安定していると、子どもが家を離れたあとも自然と良い関係が続きやすくなります。
子どもに任せる経験を少し増やす
空の巣症候群を防ぐために意外と大切なのが、少し早めに手放していくことです。
たとえば
- 習い事の予定を自分で管理する
- 学校の準備を任せる
- 友達関係に口を出しすぎない
こうした経験は、子どもが自立する準備になります。
すると同時に、家庭も「母が全部回している状態」から「それぞれが動く家庭」へと変わっていきます。
子どもは家にいるけど、自分のことは自分でできている。自立しているけど、頼ってくる。
自立と依存のバランスが、適度に取れていると、子どもが巣立ったあとも極端に落ち込むことがなくなります。
子どもが成長していくときは、親の人生もまた次の段階へ進むとき。
人生まだまだ半ば。楽しいこと、心が躍ることを見つけていけるといいですよね。



