ママとパパ、どっちの意見が正しい?
小4の長女。夏休みに友達だけで少し離れたところにあるプールに行きたいと言い出した。私は「まだ早いよ。子どもだけで何かあったらどうするの?」と止めようとしたが、夫が「ママは厳しいからな。俺が小さい頃は子どもだけでどこでも行ってたよ」と言い、喧嘩になってしまった。すると長女は「もういいよ、行かないよ」と諦めた。夫婦の価値観の違い、どうしていけばよい?
夫婦の性格や価値観が違うことは珍しくありません。むしろ、教育方針や子育ての価値観がぴったり一致している家庭は少ないでしょう。大切なのは、その違いを子どもにどう見せるかです。
夫婦で考え方が違うとき、どのように向き合えばよいのでしょうか。
子どもが混乱するのは、価値観の違いそのものではない
親の価値観が違うこと自体は悪いことではありません。慎重に考える人もいれば、まず挑戦してみる人もいる。家庭の中で二つの価値観に触れられることは、子どもにとって視野を広げる機会にもなります。
問題になるのは、違いそのものではなく、「相手の考えは間違っている」という扱い方。「相手は間違っている、こっちが正しい」と双方に主張されると子どもは、「どちらに合わせればいいんだろう」と、親の顔色をうかがうことにエネルギーを使うようになります。
価値観の違いを子どもの学びにつなげるには、どうすればよいのでしょうか。
夫婦の違いを、子どもの学びに変えるためにできること
相手の視点も子どもに伝える
子どもの視野を広げるためには、相手の視点も子どもに伝えることを意識してみるのがおすすめです。
たとえば、子どもが「友達だけで映画に行ってみたい」と言った場合。心配性のお母さんなら、「帰り道や待ち合わせはどうする?」と話したあとに、「でも、パパは『自分で考えてみるのも大事』って言いそうだね」と加えてみる。
反対に楽観的なお父さんなら、「挑戦してみるのもいいと思うよ」と言ったあとに、「ただ、ママが心配している帰り道のことは、一緒に考えておこうか」と付け加える。
このように伝えることで、子どもは「どちらが正しいか」ではなく、「一つの出来事には、いろいろな見方があるんだ」と学んでいきます。
相手の言葉を翻訳する
母親が「危ないからやめた方がいい」と言ったあと、父親が「大丈夫、大丈夫。気にしなくていい」と言ってしまうと、子どもは混乱します。
そんなときは、「ママは心配だから言ってるんだよ」「パパは、あなたならできると思って背中を押してるんだよ」と、相手の言葉の意図を翻訳するのが大切。
すると子どもは、「二人とも違う方法で自分を大切に思ってくれている」と受け取りやすくなるんですね。
「どっち派?」と聞かないようにする
夫婦で意見が分かれると、「パパとママ、どっちの言うことが正しいと思う?」と、無意識に子どもへ判断を委ねてしまうことがあります。
ですがこの聞き方だと、子どもは親の顔色をうかがってしまいますよね。
「どちらが正しい?」と聞く代わりに、「今の自分には、どっちの考え方が合いそう?」と聞いてみるのがおすすめです。
たとえば、友達とけんかをしたとき。
父親は「少し距離を置いてもいいんじゃない?」という意見。
母親は「一回気持ちを伝えてみたら?」という意見。
子どもには、親のどちらにつくかではなく、自分なりの考えを選ぶ経験を促すことで「自分で判断する力」が育っていきます。
夫婦の考え方が正反対でも、決して弱みではありません。
違いを競わせるのではなく、子どもの世界を広げる二つの視点として生かせたとき、その違いは子どもの視野を広げる家庭の強みになっていくでしょう。



