「正解を探す力」より「自分で選ぶ力」を育む【親から子どもへの3つの問いかけ】

家族・人間関係

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2026.09.05

臨床心理士・公認心理師のyukoです。小学校高学年くらいになると、親が導くばかりではなく、子ども自身が進路や習い事を選ぶ場面が増えていきます。子どもが迷っているとき、親はどんな言葉をかければ、子ども自身が納得できる選択をできるのでしょうか。子どもが自分で考え、選ぶための「人生のコンパス」となる言葉を紹介します。

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自分で考えて決めてほしいとき、どんな声をかければよい?

小5の息子。中学受験を控えているので勉強に本腰を入れたいが、ずっと続けてきたサッカーも続けたい。親としては、息子が後悔しない選択をしてほしいという思いがある。親が決めた道を進むより、自分で決めて頑張ってほしいと考えている。迷っている息子に、どんな言葉をかけたらよいのだろう。

悩む子ども出典:stock.adobe.com

子どもの主体性を大切にしている親御さんほど、親が思う正解を示したり、子どもを誘導したりするのではなく、子ども自身に選択してほしいと考えるもの。
しかし、「なんでもいいよ」とだけ伝えてしまうと、子どもは何を軸にして考えたらよいかわからなくなってしまいます。
子どもが後悔しない選択をするために、どのような言葉を渡せるのでしょうか。

今必要なのは「正解を探す力」より「自分で選ぶ力」

小学校高学年くらいになると、

  • 受験するかどうか。どの志望校を目指すか。
  • 習い事を続けるか。
  • 友達とどう付き合っていくか。
  • 何に時間を使うか。

自分自身で考え、決める場面が増えていきます。

親が「自分で考えて決めなさい」と伝えても、子どもは迷うと、ネットなどで「正解」を探そうとすることがあります。
しかしネットでは、「中学受験 したほうがいい」「習い事 やめないほうがいい」などと検索するとキーワードに沿った情報が次々と出てくるので余計に混乱することも。

悩む子ども出典:stock.adobe.com

だからこそ、これから必要になるのは、情報を集める力だけではなく、「自分は何を大切にして選ぶのか」を考える力です。
そこで家庭では、親自身が大切にしてきた考え方を、子どもが迷ったときの「コンパス」のひとつとして伝えておくことが役立ちます。

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迷ったときに使える「人生のコンパス」を親子で持っておく

「迷ったら、心が動くほうを選ぶ」

「どっちも悪くない、でもどうするか決めないといけない」
そんなときに使える考え方です。

たとえば、

  • ピアノを続けるか、新しく絵の教室に行くか迷ってる→「将来役立つかどうかではなく、やっている自分を想像したとき、どちらをやってみたいと思う?」
  • A校とB校、どっちを受験するか迷っている→「偏差値や周りの評判をいったん置いて、学校を見に行ったとき、どっちのほうが楽しく通っている自分を想像できた?」

と聞いてみる。

会話する親子出典:stock.adobe.com

もちろん、「楽しいほうを選べばいい」という意味ではありません。
高学年になると、「親が喜ぶほう」「将来役立ちそうなほう」ばかりを考えて、自分の気持ちを後回しにする子もいます。
そんな子には、自分の「やってみたい」という気持ちも、選択肢に入れていいと伝えることにもなるんですね。

「迷ったら、3年後の自分に聞いてみる」

目の前のことだけで考えると、「今は楽なほうがいい」「今は嫌だからやりたくない」となりやすいもの。

小学校低学年くらいだと、「数年後ってよくわからない」と、想像するのがまだ難しいのですが、高学年になると少し先の自分を具体的にイメージできる子も増えてきます。
そこで、「3年後の自分が振り返ったら?」「3年後の自分が、今の自分を見ていたら?」と聞いてみるのもおすすめです。

  • 「3年後だったら、サッカーやめなくてよかったって思うかも。中学になったら部活でレギュラーになりたいし」
  • 「3年後の自分は多分、今委員長になるか迷ってることなんて忘れてそう。なら、挑戦してみようかな」
  • 「友達といないと浮いちゃうけど、3年後の自分が見たら『無理して合わせることない』って言いそう」

など、子どもの想像力は親の想定を上回り、意外な考えを知れることもあります。
感情が揺れているときほど、少し遠くから自分を見る方法を持っておけると楽になります。

「迷ったら、まず小さく試してみる」

焦っていると、白か黒か、今すぐに決めないといけないと思ってしまいがち。
しかし、すぐに結論を出さず、まず試してみながら考えるという選択肢もあるので「まずは少しやってみたら?」と伝える方法もあります。

たとえば、

  • 新しい習い事を始めるか迷う→ 体験教室に行ってみて、その日の帰り、3日後、1週間後の気持ちを確認してみる。
  • いつも一緒にいる友達と少し距離を置くか迷う→休み時間だけ別の友達と過ごしてみて、自分がどう感じるか見てみる。
  • 塾の日数を増やすか迷う→ 夏休みだけ増やしてみて、生活やサッカーとの両立を見てみる。

勉強する子どもたち出典:stock.adobe.com

試して、振り返って、また調整する。
子どもには、「一度決めたら最後まで頑張る」と伝えるだけでなく、「やってみて違ったら、考え直してもいい」という選択肢も伝えていけると、子どもが自分で調整していく経験にもつながります。

子ども自身が迷いながら、自分の方向を決められるようになることが生きる力になっていきます。
「答えのない時代」だからこそ、コンパスとなるような考え方を折に触れて伝えていけるといいですよね。

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著者

yuko

yuko

臨床心理士・公認心理師

臨床心理士・公認心理師。現在は小児の総合医療センターと大学の心理教育相談センターにて勤務。児童期から思春期の子どもへのカウンセリングやプレイセラピー、子育てに悩む保護者の方への育児相談を専門にしています。色彩心理学やカラーコーディネートについても学んでおります。

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