上手な怒り方のポイント①:怒る基準を決める
「その日の気分で怒るのは絶対にやめましょう。ママが気分次第で怒っていると、子どもは何がOKなのかNGなのかわからず、常に人の顔色をうかがうようになってしまうことも」と小尻さん。怒る基準の決め方を伺うと「自分にとって絶対に許せないこと、怒らないと後悔することは怒るようにしましょう。ただ、このとき相手に求める理想を高くしすぎないこと。子どもやダンナさんの行動が、“こうあるべき”というママの理想をクリアしていないと怒りを感じてしまいます。でも、この“こうあるべき”にこだわりすぎると、自分の理想以外許せなくなって常にイライラしてしまうので要注意! そもそも子どももダンナさんも、それぞれの人格を持った人間なのでママの理想通りに動いてくれるわけではありません。『まぁいいか』と、許せる心の器を広げ、本当に怒る必要のあることだけを怒り、気分の良し悪しによって怒ったり、些細なことでいちいち怒らないようにしていきましょう」。
上手な怒り方のポイント②:やってはいけないNG 行動に気をつける
イラっとしたときは、ついつい感情的な言動をしてしまいがちですが、相手の感情を逆なでしてしまったり、関係性が壊れるきっかけになるNG行動があるそうです。
【相手を傷つけない】 「怒るときに人格や性格、能力を否定することを言うのはやめましょう。変えられないことを責めても、反発を招いたり相手を傷つけ追いつめてしまうだけです」
【自分を傷つけない】 「子どもが言うことを聞いてくれないのは、私の責任。私なんて母親失格だ…と自分を責めるのはやめましょう。ママだって人間、完璧ではありません」
【物を壊さない】 「怒りを物にぶつけると一瞬スッキリしますが、何の解決にもなりません。物を壊すこと=快感と脳にインプットされ、怒りを感じるたびにどんどん行動がエスカレートしてしまう恐れもあります」
イラッとしたときは前回紹介したテク(https://saita-puls.com/6428)を試してみて。怒りの感情を6秒間やりすごすことができれば冷静に対処することができるはずです。
上手な怒り方のポイント③:怒るときは自分の欲求を具体的に伝える
「『しっかりやってよ!』とか『片づけてって言ったじゃない!』など、家族だから自分の言うことを分かってくれるはず…という思い込みで、怒るときについつい相手を責める表現を使ってしまいがち。でも、これだけだと子どももダンナさんも、いったい何のことで怒られているのかいまいち伝わらなかったりします」。確かにイライラしているときほど、感情的になってこんな言い方になってしまいますよね。どんな風に自分の怒りを伝えればいいのでしょうか。「例えば、おもちゃを片付けていなかった子どもに怒るときには『6時までに床に出しているおもちゃを全ておもちゃ箱にしまっほしいの。次からは約束守ってね』のように自分が何に対して怒っているのか、どうしてほしいのかを具体的に伝えるようにしましょう。なにかしら言い分があるかもしれないので、頭ごなしに怒らず相手の意見も聞き、コミュニケーションをとるようにすると家族の絆も深まりますよ」
上手な怒り方ができるようになると、自然と家族に対する許容範囲が広がります。ママのイライラが減ると、子どもやダンナさんのイライラに気づいて“どうしたの?”と聞いてあげたり、心に寄り添ったりできる心の余裕も出てくるそうです。家族が共感し合うことで家庭の雰囲気もよくなり、本来あるべき休息の場所に変えていけるそうですよ。
取材・文/五十嵐由紀
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