【夜中にお菓子を食べたくなる理由】「食べすぎスイッチ」を押すのは「睡眠不足」!キレイになるための睡眠

心と体

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2021.03.12

なんとなく体や肌に良いと思っていたことが逆効果だった! ということがないように「科学的根拠のある正しい美容知識」をお伝えする理系美容家のかおりさんの連載。 今回は美容に直結する「睡眠」のお話しです。

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年齢とともにうまく眠れていない人が増える!?

・疲れているのに、眠気がなかなか訪れない
・布団に入っても目が冴えてしまう
・朝起きると疲れが残っている感じがする

このような睡眠に関するお悩みの要因は、「自律神経の乱れ」が関係しているかもしれません。
深刻な睡眠障害の場合には、精神や呼吸器、皮膚トラブルなどに原因がある可能性があるので医師の診断をあおぐべきですが、生活習慣の改善によっても睡眠の質向上に役立つことはたくさんあります。
この記事では、睡眠と疲労の関係や良質な睡眠へ導くための習慣をご紹介します。疲れや睡眠にお悩みの方は是非実践してみてください!

1.疲れているのに眠れない理由は自律神経が乱れているから?

 

うまく眠れない出典:stock.adobe.com

皆さんは「自律神経」という言葉を聞いたことがありますか?私達は普段意識をしなくても呼吸をしたり、心臓や小腸などの臓器を動かしたり、怒ると顔が赤らんだり笑うとリラックスしたりしています。このように、生命活動を担う上で欠かせない働きを身体「自ら」が「律する」神経が自律神経です。
自律神経には活動的な時に優位になる「交感神経」とリラックス時に優位になる「副交感神経」の二種類があり、バランス良く働くことが重要です。

現代は「交感神経優位社会」と言われており、明るい電気や発達した技術のおかげで日が暮れても活動を続けることができますが、一方で本来あるべき「体内リズム」を狂わせる原因にもなっています。蛍光灯やTV、PC、スマホ等から発せられる「ブルーライト」が交感神経を優位に導いてしまうのです良質な睡眠を得るためには、睡眠前に副交感神経優位な状態にしておくことがポイントです。
 

2.寝ても疲れが取れないのは睡眠の質が低下しているから?

睡眠と疲労。関わりがあることはなんとなく想像できますが、具体的にどのような状態が疲れを取る良質な睡眠と言えるのでしょうか?
「睡眠」と一口にいっても「ノンレム睡眠」と「レム睡眠」という二つの状態があり、脳状態が全く異なります。ノンレム睡眠では脳は休まっている状態ですが、レム睡眠時は覚醒している時よりもむしろ脳状態が活性化しているほど。目玉が激しく動くために「(REM)Rapid-Eye-Movement」といいます。
私達は眠りにつくとまずノンレム睡眠に入りますが、60-90分ほど経つとレム睡眠状態へ移り、二つの状態が交互に繰り返されます。
睡眠において、最も重要なのは“眠りはじめのノンレム睡眠の深さ”と言われており、傷ついた細胞の修復や疲労回復などの機能を兼ね備えた「成長ホルモン」の分泌が最も多くなるタイミングです。スムーズに入眠し、深い眠りに付くほど成長ホルモンの分泌が盛んになり、疲れが取れやすくなるという仕組みです。夜中に起きてしまう方は眠りが浅く、レム睡眠への以降時に覚醒していると考えられます。
また睡眠不足は肌の新陳代謝に影響する上に、食欲を抑えるレプチンの分泌が減り、食欲を刺激するグレリンが増加することもわかっており、ダイエットの大敵でもあります。美と健康はまさに表裏一体ですね。
良質な睡眠とはずばり、“深く入眠すること“と言えるでしょう。

3.睡眠前にやってはいけないこと

キレイのもとは「良い睡眠」だとわかってもらえたでしょうか。では良質な睡眠に必要不可欠な“就寝前の副交感神経優位状態“ってどうやって作ればいいのでしょう。寝るだけでキレイになるなんて嬉しいですよね、今日から早速しないでほしいNG習慣は3つです。

夜中にスマホ出典:stock.adobe.com

・夜中にTV, PCやスマホを見る
夜中に撮り貯めたビデオを観たり、ベッドの上でSNSを見たり…夜中の楽しみ、わかります。わかりますが、計画的に早い時間へシフトしましょう!スマホを見ながらいつの間にか寝てしまっている方は、睡眠状態が浅くなっている可能性が高いです。

・夜の外へのお散歩
眠れないからといって外へ散歩に出かけるのも避けましょう。コンビニ等の明るい街灯は脳を活性化してしまいます。

・睡眠前3時間の食事
食事の時間に気をつけることも大切です。就寝の3時間前には食事を終えるようにしましょう。胃腸が活発に動いていると身体を休めることが出来ません。仕事でどうしても夜遅くなってしまう方は、夕方と帰宅後にお食事を分ける「分食」がおすすめです。

4.睡眠前のおすすめ習慣

逆に睡眠前にした方がいい習慣もありますよ。

・睡眠の1.5時間前の入浴
入浴で体温が上昇された体温は、やがて体表面や四肢末端から熱が放出されていきます。身体が熱いうちには良い眠りにつくことはできませんが、深部体温が下がると眠気がやってきます。
もともと、自律神経の働きで身体は睡眠の準備のために体温を下げる傾向があるため、これをお風呂の力で助けてあげるイメージです。
湯温は41℃以下がおすすめ。ぬるま湯に入るだけでリラックスでき、副交感神経優位になることがわかっています。個人差はありますが、42℃以上の湯では交感神経が優位になってしまうため、熱いお風呂はNGです。

・部屋を薄暗くする
お風呂から上がったら、部屋を薄暗く保ちましょう。間接照明などがあると尚良いです。部屋の明かりでも、蛍光灯の下では十分に脳を休める事はできません。

・読書をするなどして過ごす
夜の余暇の時間は、明るい画面を見ずに読書などをして過ごしましょう。Kindleのペーパーホワイトなどの電子書籍はブルーライトが出ないようになっているので就寝前に利用しても問題ありません。

・軽いストレッチやヨガなどをする
ストレッチやヨガなどで呼吸を深める習慣も有効です。痛みを我慢して伸ばしたり、強度が高くし過ぎたりするとリラックスから遠ざかるので注意してください。睡眠と疲労回復の関係や、良質な睡眠の必要性、また見直して欲しい習慣などについて述べてみましたが、いかがでしたでしょうか。

睡眠をきれいにつなげよう!

日本人は、諸外国の中でも平均睡眠時間が短い国。睡眠の質が向上すれば、作業効率が上がり、睡眠時間を確保できるかもしれません。明日の活力のために、是非皆さんの習慣を振り返ってみてくださいね。

※表示価格は記事執筆時点の価格です。現在の価格については各サイトでご確認ください。

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著者

理系美容家かおり

理系美容家かおり

⼀般社団法⼈美容科学ラボ代表理事。理系美容家。化学専攻のリケジョという背景から、「科学的根拠のある正しい美容知識」の普及活動に従事。研究会や学会などで取得した知見を美容業従事者、消費者へわかりやすく情報公開し、美容の情報リテラシー向上に努める。美容セミナー講師や美容メディア監修、化粧品開発・PRコンサルティング等を行う。科学的観点から消費者に心理的・時間的負担を軽減した「お金と時間をかけない美容法」を提案。 MAQUIA(集英社)公式ブロガー、@コスメ ビューティースペシャリスト、入浴指導士 クイズ!脳ベルSHOW(BSフジ)出演など幅広く活動中。

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