【医師監修】寝つけない、眠りが浅い…不眠のカギはホルモンバランス!質のいい眠りのために今すぐできることは?

心と体

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2021.03.04

「何度も夜中に起きてしまう」、「夜に寝つけず昼に眠くなる」という悩みに心当たりはないでしょうか? 40代のプレ更年期と呼ばれる年代に、睡眠の悩みを持つ方が増えています。 疲労が溜まっていると、仕事や家事の能率が下がるだけでなく、免疫力の低下にもつながり、さまざまな病気の原因にもなります。 そこで今回は、プレ更年期に不眠症状が起こりやすい原因や、すぐにできる改善方法をご紹介します。

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もくじ

眠れない、夜中に目が覚める、眠りが浅い……それって更年期かも?
熟睡できない悩みを解決する方法は?
運動をする。昼間活発に活動する
夕方以降のカフェインや寝る前のアルコールを控える
アロマやハーブティーでリラックスする
病院でホルモン治療を行う
漢方で中途覚醒の改善をめざす
悩みを解決してぐっすり快適な睡眠を!

眠れない、夜中に目が覚める、眠りが浅い……それって更年期かも?

更年期

更年期症状は、閉経を挟んだ前後5年、50歳前後の女性に起こるといわれています。しかし、40代も「プレ更年期」と呼ばれる年代であり、40代の女性でも、女性ホルモンの分泌バランスの乱れによる特有の症状が出ることがあります。

「夜中に突然起きてしまう」という症状は「中途覚醒」と呼ばれます。これは入眠後に何度も目が覚めてしまうという睡眠障害の症状で、睡眠時間そのものが削られてしまうだけでなく、生活リズムそのものを不安定にし、心とからだに大きなストレスを与えます。

この睡眠障害の症状には、女性ホルモンが関係しています。「月経前や月経時に眠くなる」という経験がある方も多いはずです。

このように、女性ホルモンは睡眠にも深い関わりがあり、更年期に女性ホルモンの分泌低下が起こると、睡眠物質の材料であるセロトニンが上手く分泌されず、睡眠の質自体も悪くなってしまうのです。

熟睡できない悩みを解決する方法は?

ここからは、良質で豊かな睡眠をとるための、さまざまなケア方法をご紹介していきます。日常的に気軽に行えるものばかりですので、ぜひ意識的に行ってみてください。

運動をする。昼間活発に活動する

日中にからだをきちんと動かすことは基本的なことですが、質の良い眠りのためにはとても大事です。ただし、いきなり激しい運動はケガの恐れもあるため、激しすぎない程度に行いましょう。ウォーキングや軽めのストレッチがおすすめです。

徒歩や自転車で買い物に行く人なら、普段使っている一軒隣のスーパーで買い物をしてみるなど、毎日気軽に続けられるような低いハードルのものから始めることが継続のコツ。

また、入眠前にリラックスできるよう、できる範囲で夜間活動を控え、就寝前にはパソコンやスマホを操作しないなど、睡眠導入もきちんと考えて1日の生活リズムを構築してみましょう。

とくに、パソコンやスマホの画面からはブルーライトと呼ばれる、脳を活性化させてしまう光が出るので、良質な睡眠の妨げとなります。そのため、少なくとも就寝1時間前には使用を控えましょう。最近のスマホにはブルーライトを抑えるモードが搭載されている場合もありますので、賢く使いこなしていきましょう。

夕方以降のカフェインや寝る前のアルコールを控える

寝る前のカフェインは、当然ながら快適な睡眠にとってよくありません。ヒスタミンの放出が行われやすい状態になり、覚醒につながってしまいます。日常的にコーヒーをたしなむこと自体は悪くありませんが、夕方以降は控えたほうが賢明です。

また、アルコールも睡眠にとっては大敵。お酒を飲むと眠くなりますが、実際には眠りが浅くなりやすく、何度も起きてしまうなど快適な睡眠とは程遠い状態になってしまいます。なるべく就寝時間を考え、カフェインやアルコールは適度な量に留めましょう。

アロマやハーブティーでリラックスする

ハーブ

ぐっすり睡眠をとるために、アロマやハーブティーなど、香りでリラックスする方法がおすすめです。芳香成分は脳の各器官に伝達され、自律神経やホルモンの分泌にも影響します。副交感神経が働けば、からだも心も落ち着き、リラックスして入眠しやすい状態になります。

アロマオイルを使う場合は、ラベンダーの香りはリラックス効果がとくに高いとされています。そのほかだと、ゼラニウムや柑橘系が好きならオレンジスイートなどが、リラックス効果を得るにはおすすめです。

安眠効果を期待してハーブティーを選ぶなら、カモミールティー。アピゲニンという成分がすっきりと自律神経を整え、精神をリラックス状態に導きます。

フローラル系のハーブティー、リンデンもおすすめです。比較的ハーブティーのなかでは飲みやすく、鎮静効果もあります。

病院でホルモン治療を行う

不眠に悩むなら、病院で専門の医師の診断のうえ薬を処方してもらうという選択肢もあります。病院で処方されるメラトニン受容体作動薬は、睡眠のリズムをとり戻し、不眠を解決する薬です。また、脳の覚醒に関係のあるオレキシンの働きを弱めるオレキシン受容体拮抗薬などもあります。

これらは依存性はない薬で、安全性は高めです。一旦乱れたリズムの改善はなかなか難しいものなので、ひとりで悩んでいるなら睡眠外来で相談してみましょう。

漢方で中途覚醒の改善をめざす

漢方

「夜中に起きる”中途覚醒”に悩まない体質をめざしたい」
「更年期の不調をトータル的に改善したい」
そんな方には漢方薬もおすすめです。

漢方薬は症状と体質にあったものを飲むことで、ずっと抱えていた不調に、とても良い効果をもたらします。

そうした症状の多くは、心身のバランスが乱れてしまったために起こるものです。漢方薬なら、こうした全体のアンバランスをうまく調整し、体の内側から体質改善をめざせるでしょう。

バランスのとれた生活を継続するのは大変という方でも、漢方薬なら、症状や体質に合うものを飲むだけなので、手軽に毎日続けることができますよ。以下に、中途覚醒に悩む方におすすめの漢方薬をご紹介します。

<夜中に起きてしまう方におすすめの漢方薬>
加味逍遙散(かみしょうようさん)
体力がなく、のぼせ、イライラなどを感じている方に用いられる漢方薬です。冷え性、不眠症、更年期症状に悩む方に用いられます。

加味帰脾湯(かみきひとう)
体力がなく血色が悪い方に用いられる漢方薬です。不眠症、貧血に用いられます。

酸棗仁湯(さんそうにんとう)
心身が疲れて弱っている方に使われる漢方薬です。不眠症、神経症に用いられます。

ただ、からだにやさしい漢方薬とはいえ、自分の体質に合っていなければ、良い効果が見込めないだけでなく、副作用がおこることもあります。自分に合う漢方薬を見つけるためにも、購入時には、できる限り漢方に詳しい医師、薬剤師等にご相談ください。
 

お手頃価格で不調を改善したい、という方にはスマホで気軽に専門家に相談できる「あんしん漢方」のような新しいサービスもおすすめです。AI(人工知能)を活用し、漢方のプロが効く漢方を見極めて、お手頃価格で自宅に郵送してくれる「オンライン個別相談」が話題です。
 

悩みを解決してぐっすり快適な睡眠を!

笑顔

40代女性はプレ更年期による症状の自覚がない方も多く、睡眠トラブルの原因がホルモンバランスによるものだとは気づかないことも多いです。
夜中に頻繁に起きてしまうと、睡眠や生活のリズムが崩れ、さまざまな別の病気の要因にもなりかねません。ご自身の不調に気づいたなら、できるだけ早めに対処することが大事です。
今回紹介した方法を参考に、快適な睡眠や豊かで明るい日常生活を送りましょう!

※表示価格は記事執筆時点の価格です。現在の価格については各サイトでご確認ください。

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著者

木村 眞樹子

木村 眞樹子

医学部を卒業後、循環器内科、内科、睡眠科として臨床に従事。 妊娠、出産を経て、産業医としても活動するなかで、病気にならない身体をつくること、予防医学、未病に関心がうまれ、東洋医学の勉強を始める。 臨床の場でも東洋医学を取り入れることで、治療の幅が広がることを感じ、西洋薬のメリットを活かしつつ漢方の処方も行う。 また、医療機関で患者の病気と向き合うだけでなく、医療に関わる人たちに情報を伝えることの重要性を感じ、webメディアで発信も行なっている。

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