30代後半から要注意!朝起きると寝汗がすごいのは更年期が原因?医師が教える寝汗を改善する方法とは

心と体

2021.03.01

「冬なのに寝汗をびっしょりとかいてしまう」「朝になったら汗でパジャマがベタつく」。こんなお悩みを持つ40代女性が増えています。もしかしたらあなたの汗の悩みは、更年期が原因かもしれません。更年期はホルモンバランスの乱れによって、過剰な汗やほてりといったさまざまな症状がでてくる時期。 今回は、寝汗をはじめとする40代以降の女性に訪れるからだの変化、更年期症状について詳しく解説していきます。

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これが更年期症状!?寒い冬なのに寝汗をかいてしまう原因は

寝汗

寝汗を大量にかいてしまうという症状は、更年期の女性に多くみられます。これは更年期特有の「ホットフラッシュ」と呼ばれるものです。ホットフラッシュにはその他にも、いきなり顔や手足がほてってしまう、のぼせを感じる、などの症状があります。

あなたがもしも40代前半である場合、「更年期って50歳くらいの女性の悩みじゃないの?」と疑問に思われるかもしれません。しかし、実は30代後半~40代半ばも「プレ更年期」と呼ばれ、閉経が近くなることにより女性ホルモンの分泌が低下し、影響が徐々に出てくる時期なのです。

プレ更年期・更年期にはエストロゲン(女性ホルモン)の分泌低下により自律神経のコントロールが正常に行えず、乱れが起きます。その影響で、汗を必要以上にかいてしまうといったホットフラッシュのような症状が起こってくるのです。

汗を大量にかくと、不快感のほか、肌荒れ、あせもなどの原因にもなります。しっかり寝汗への対処を行い、症状を改善していきましょう。

症状が悪化しないうちに正しい改善方法を!

汗の悩みはたいしたことのない悩みのように感じるかもしれませんが、症状を自覚していながら放置することはよくありません。更年期症状だった場合、加齢に従ってますます悪化してしまうことも……。症状が悪化しないうちに正しい改善方法を知り、しっかりと対処することが重要です。
ハーブ

何気ない生活習慣ひとつひとつを見直すと、更年期の悩みの改善にもつながります。以下に、おすすめの生活改善方法をご紹介します。

(1)運動

ホルモンバランスを整えるために、まずは軽い運動を行いましょう。更年期の運動には、習慣的なウォーキングや、家でできるストレッチやヨガなど、激しすぎない運動がおすすめです。適度な運動はからだだけでなく、心も解きほぐしてリラックスできます。

最近はスマホのアプリ管理で簡単に運動量のコントロールを行えます。努力の指標にもなり、モチベーションの維持にもつながるので、こうしたアプリを利用してみてはいかがでしょうか。

(2)食事

発汗の症状をやわらげるため、食事は刺激物を避けましょう。熱すぎる飲み物は発汗やほてりの原因になることもあるので、適温の飲み物をとるようにしましょう。

また、更年期の不安定な気持ちを安定させるためには、ハーブティーがおすすめです。エストロゲンの分泌不足は精神的な面にも作用します。そのため、気持ちが落ち着かないときはリラックスできる時間を設けるといいでしょう。
不安やイライラを感じるときにはミントティーがおすすめ。香りもよく、リフレッシュに最適です。

(3)睡眠

十分な睡眠をとることもホルモンバランスを整えるうえで重要です。生活リズムを一定に保ち、ストレスを軽減することが更年期のケアになります。

睡眠のリズムを整えるためには、朝きちんと陽の光を浴びることが大切。セロトニンという神経伝達物質を活性化させることができます。

たとえ少しの時間でも、意識的に日光を浴びるようにしましょう。セロトニンは別名「幸せホルモン」とも呼ばれ、幸福感をもたらす作用があります。

ひどい場合は病院で専門医に診てもらう

寝汗などの症状で悩んでいるなら、まずは婦人科などでカウンセリングを受け、本当にその症状が更年期によるものなのかを確かめましょう。

更年期の代表的な治療方法としては、ホルモン補充療法(HRT)が挙げられます。これは不足している女性ホルモンを薬などで補う方法です。
経口剤、貼付剤、塗布剤などの種類があり、副作用リスクとしては不正出血や乳房、下腹部の張り、吐き気を感じることもあります。ただ、これらはからだが治療に慣れてくると収まることが大半で、長期間に渡ることはほとんどありません。

漢方薬で根本から体質を変える

漢方

「寝汗に悩まない体質をめざしたい」。そんな方には漢方薬もおすすめです。漢方薬は医薬品として効果と安全性が認められており、医療現場でも使われています。
症状と体質に合った漢方薬を飲めば、ずっと抱えていた不調にも、とても良い効果をもたらすでしょう。

また、更年期の症状の多くは、心身のバランスが乱れてしまったために起こるものです。自然由来の生薬で構成されている漢方薬なら、体全体のバランスをうまく調整し、体質から改善をめざせるでしょう。

不調の改善のためにバランスのとれた食生活や運動習慣を継続するのは大変という方でも、漢方薬なら症状や体質に合うものを飲むだけなので、手軽に毎日続けられそうですよね。

さっそく始めてみたいと感じた方のために、寝汗の症状に悩む方におすすめの漢方薬をご紹介します。

<寝汗に悩む方におすすめの漢方>
加味逍遙散(かみしょうようさん)
のぼせ、精神不安などの不調のほか、頭痛にも用いられる更年期症状の代表的な漢方薬です。

知柏地黄丸(ちばくじおうがん)
体力のない方に向いています。汗ばみ、のぼせなどに悩む方に用いられる漢方薬です。

桂枝茯苓丸:(けいしぶくりょうがん)
比較的体力がある方に用いられる漢方薬です。のぼせやすい、末端の冷え性などの症状に処方されます。
 

ただ、からだにやさしい漢方薬とはいえ、自分の体質に合っていなければ、よい効果が見込めないだけでなく、副作用がおこることもあります。自分に合う漢方薬を見つけるためにも、購入時には、できる限り漢方に詳しい医師、薬剤師等にご相談ください。

お手頃価格で不調を改善したい、という方にはスマホで気軽に専門家に相談できる「あんしん漢方」のような新しいサービスもおすすめです。AI(人工知能)を活用し、漢方のプロが効く漢方を見極めて、お手頃価格で自宅に郵送してくれる「オンライン個別相談」が話題です。

いやな寝汗を解消してスッキリした毎日を!

寝起き出典:stock.adobe.com

更年期を迎えると、からだの変化に誰しも戸惑ってしまうものです。それらをきちんと受け入れ、正しいケアが大切になってきます。ご自分に合った方法でホルモンバランスをととのえ、不快な寝汗を改善して過ごしやすい生活をとり戻しましょう!

※表示価格は記事執筆時点の価格です。現在の価格については各サイトでご確認ください。

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著者

木村 眞樹子

木村 眞樹子

医学部を卒業後、循環器内科、内科、睡眠科として臨床に従事。 妊娠、出産を経て、産業医としても活動するなかで、病気にならない身体をつくること、予防医学、未病に関心がうまれ、東洋医学の勉強を始める。 臨床の場でも東洋医学を取り入れることで、治療の幅が広がることを感じ、西洋薬のメリットを活かしつつ漢方の処方も行う。 また、医療機関で患者の病気と向き合うだけでなく、医療に関わる人たちに情報を伝えることの重要性を感じ、webメディアで発信も行なっている。

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