春は別れの季節
子どもたちは、卒業で友だちと別れたり、入学で新しい友だちと出会ったり、クラス替え発表にドキドキですね!大人だって転勤や引越で環境が変わる人も多いこの時期。今までとは異なる生活が始まる人も多いかもしれません。
実は、この連載とリンクしていたラジオ大阪『心に効く聴くラジオ 27カラット マジック』がこの春に最終回を迎えます。最後というと、もちろん寂しい思いが先だってしまいますが、卒業のあとには入学が、引越しをすれば新しい環境で出会いが必ずあるように…また素敵な可能性が膨らむきっかけとして、番組の最後を見送りたいと思います。
こんな時こそ音楽の力を!
慣れた環境を離れることは、ストレスがかかることではありますが、自らの新しい可能性や好奇心が進化するチャンスでもあります。少し「元気が足りないな」と思った時には、14歳の時に良く聞いた音楽や、自分のテーマ曲を流して「いつもの私」を取り戻しましょう!
あの人にこの1曲を
どんなに辛い時でも心を温めてくれたり、背中を押してくれたり「自分だけじゃないんだ」と共感させてくれるのが、音楽。そんな素敵で身近な魔法を、誰かにプレゼントしてみませんか?
この春、環境に変化があった友だちや日々の疲れで元気をなくしている同僚、いつもそばにいてくれる家族、遠くにいてなかなか会えない同級生、お世話になった優しい人、今はもう会えなくなってしまった人…。
そんなあなたの大切な人に音楽を送るとしたらどの曲を選びますか?
みんなの「あの人にこの曲を」
ここで、私のまわりの人たちの「あの人にこの曲を」をご紹介します。
母が亡くなってから、ずっと心を寄せてくれる叔母に加藤登紀子さんの「百万本のバラ」を。歌詞の内容とは違うけど、バラが大好きな叔母さんに感謝の気持ちを送りたいから。
いつか必ず天国に行ってしまう自分に、サザンオールスターズの「真夏の果実」を。理由はちょっと…言えませんが(汗)。自分のお葬式で流してもらう約束をしています。
新社会人になる人に、中島みゆきさんの「糸」を。新卒で入った会社の歓迎会でこの歌を歌い「仕合わせ」という言葉も好きで、出会いに感謝できる曲だなぁと感じます。
最近、離婚をした友だちに竹内まりやさんの「元気を出して」を。大きな決断をした彼女。涙はまだ残っているけど、この決断は間違っていない!人生80年!まだまだ出会いはある!
想像はしていましたが「元カレ元カノ、好きだった人へ贈る曲」がやっぱり多いみたいで…玉置浩二「メロディ」、スターダスト☆レビュー「もう一度抱きしめて」、Every Little Thing「Time goes by」、斉藤和義「ずっと好きだった」などなどたくさんの名曲が選ばれました。
若宮テイ子さんに聞いてみました。
──テイ子さんにとって印象的な3月の出来事は?
若宮テイ子さん:番組改編が秋と春にありますが、大きな動きは「春」なので、3月はリスナーさんとのお別れの時でもあります。自分の口から「さよなら」「ありがとう」を伝える時の切なさ。笑顔を忘れずに希望を持って新しい春に向かおうと気持ちを奮い立たせます。
あの歌姫から送られた未発表曲
──今までに「この曲聞いてください」と、未発表の自作の曲を贈られたことはありますか?
テイ子さん:リスナーさんから、贈られることはよくあります。カセットテープも、MDも。自作の曲を送っていただき、世に出たというアーティストさんもいます。aikoさんから手渡されたのは、カセットテープでした。自分から贈ったことはありませんが、いつか贈れたらいいですね、自作自演の曲を。
番組の選曲で心がけていること
──リクエスト以外のご自身の選曲で心掛けていることは?いつも選曲の振り幅に驚きます!
テイ子さん:Apple Musicや、YouTubeを使って選びます。でも、見つからない音源もあるのでCDや配信で購入もします。自分の好みに偏らない選曲をしていますが、最近はAIが、うまいこと自分の好みやターゲットを教えてくれるので、ちょっと怖い気もしますよね。懐かしい曲をかけるときは、その音楽を知らない世代や、知らない人に、どうやって伝えていこうかとワクワクして喋っています。
家族や応援してくれる人に贈りたい曲
──ご家族やいつも応援してくれる方たちに送る1曲を教えてください。
テイ子さん:1曲となると難しいですね。喜劇王チャールズ・チャップリンの映画「モダンタイムス」で流れた、「スマイル」かな?彼が作った曲です。マイケルジャクソンほか、沢山の人がカバーしています。泣きたい時こそ、スマイル。歌詞を理解すると、涙が出そうになります。胸を打ちます。
この春から新生活!という人に贈る曲
──慣れない環境で新生活を送る方へ1曲、プレゼントするならどんな曲を?
テイ子さん:「明るい表通りで」(On the sunny side of the street)」90年以上前に作られた曲。当時のアメリカは大恐慌の真っ只中。くたびれた人たちに、「陽のあたる道を歩くんだよ。お金はなくても大切な人がいればリッチ。人生って素晴らしい」と、とても素敵な歌詞です。最近、朝ドラでも使われて、再び脚光かな?ルイアームストロングが有名ですけど、小野リサさんのボサノバも素敵。
ボヘミアン?なテイ子さん
──私からは、テイ子さんに映画バグダッドカフェのテーマ、Calling Youを贈ります。
テイ子さん:変わった映画でしたね。人との出会いって案外、砂漠の中で見つけたような「水」「オアシス」。思いがけない驚きがあるのかもしれませんね。ボヘミアン的なところが、私にあるのかも。定住、安定したいのに、新天地を探したいようなところがあるのかなぁ。
なかなか会えない人、もう2度と会えない人へ
──コロナ禍でなかなか会えない人、もう2度と会えない人に贈りたい曲は?
テイ子さん:シャーリー・ホーンの「Here’s to LIFE」歌詞を嚙みしめて欲しいです。
「不満も、後悔もない。未だに夢を追いかけて、そのことに誇りさえ思える明日という日に、何がもたされ、何を失うか、誰もわからない。だから、私は、笑い、楽しみ、愛に生きる」と歌っています。
27カラットマジックのリスナーさんへ
──27カラットマジックのリスナーさんへ贈る1曲をお願いします。
テイ子さん:藤井風 「もうええわ」風のように心軽くして、自由になろう。泣くぐらいじゃったら笑ったるわ!そんな気持ちかな?(笑)
お話しを伺ったのは…若宮テイ子さん
神戸出身。司会、CM、講演、タレントTalking Jazz singer
アクセサリーデザイナー 朝日カルチャーアクセサリー講師
【出演】
ラジオ大阪「新しいおとなの朝に! ハッピープラス」金曜日 8時~11時