またお医者さんごっこか…。“子どもと一緒に遊ぶのがしんどい”を抜け出す方法

家族・人間関係

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 またお医者さんごっこか…。“子どもと一緒に遊ぶのがしんどい”を抜け出す方法

2022.11.05

臨床心理士・公認心理師のyukoです。何度も繰り返される子どもの遊びに付き合ったり、子どもの目線に合わせた会話をし続けるのに疲れてしまうときはありませんか?中には、「子どもへの愛情が足りないから楽しめないのか?」「他のお母さんは上手に遊んでいるのに」と悩む方も多いようです。子どもと遊ぶのが退屈なときの対処法を考えていきます。

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聴診器を当てて「お大事に~」を20回繰り返し…

お医者さんごっこをすると、いつも子どもは医者役で、腹痛の患者役はママ。パターンを変えようと、骨折した患者を演じると、「ダメ!」とルールを強制。

「なかなか治らないなあ」など展開に色をつけようとすると「そうじゃない!」とやり直し。
子どもの納得いく一連のやり取りを終えると「じゃあ最初からもう一回」。

お医者さんごっこをする子ども出典:stock.adobe.com

お決まりのセリフにお決まりの展開。

子どもがやりたいシーンだけを繰り替えし、飽き飽きした経験がある親御さんは多いのでは。

他にも、「もうお腹いっぱい」と言っているのにご飯を出し続けるシェフ。
レジを通してお金は払っているのにお釣りをくれない店員。
絶対に必殺技のキックで勝たないと気が済まないウルトラマンなど。

矛盾と繰り返しの遊びにイライラしてくるときもありますよね。

上手に楽しく子どもと遊べる方もいらっしゃるかもしれませんが、大半の親御さんは一緒に遊び続ける中で疲れたり、飽きたりするものです。

どの程度、どんな気持ちで子どもの遊びに付き合っていけばいいのでしょうか。

子どもの遊びに付き合うときに思い出したい3つのこと

時間を決めてしっかり守る

時間の許す限り遊びにつきあっていると、心身ともに疲れてきてしまうのは当然。
遊び始める前に、「〇時までね」「時計の針がここになるまでだよ」と伝えておくのが大切です。

時間があるのに一人遊びをさせていると、申し訳ない気持ちになる方もいるかもしれませんが、一人遊びの時間も成長にとって重要なステップになります。

遊ぶこども出典:stock.adobe.com

大人と一緒に遊ぶ時間と、一人で黙々と好きな遊びに没頭する時間の両方を通して、いろんな力を身に着けていけるんです。
気持ちに余裕をもって付き合える時間を設定して一緒に遊ぶのがおすすめです。

ごっこ遊びからリアル遊びに変えていく

色んな作業ができるようになってきたら、簡単なお手伝いや料理を一緒にやっていくのもおすすめ。

お皿の数を数えながら拭いたり、果物の皮をむいたり、料理をお皿によそったり。
遊びの世界から現実の世界に視野を広げ、できることを増やしてあげるのも大切です。

子どもが何を楽しんでいるかを観察してみる

大人がしているやり取りを真似していたり、お気に入りの仕草やセリフを楽しんでいたり。
遊びを繰り返しているように見えても、微妙に変化しているときもあります。

子どもが今何に興味をもち、なぜこの遊びに夢中なのか観察してみるのも面白いのではないでしょうか。

遊ぶ親子出典:stock.adobe.com

子どもの興味関心を理解して注目し、そこからできる動きや作業を広げてみるのがおすすめです。

子どもの話から興味を広げてみる

「子どもの話が退屈」、「何が言いたいかわからないし正直大人と話している方が楽しい」などの声も時折耳にします。
たしかに、話の合う大人同士の方が会話のテンポがスムーズで、興味関心のあるテーマで話せますよね。

ですが、子どもはやはり会話の中で知識の幅を広げ、少しずつスキルを身に着けていくもの。
一日の中で数分でも子どもの話を根気強く聞いて、子どもの見ている世界を共有するのが重要です。

ゲームやアニメ、漫画などを一緒に楽しみながら色んな視点で考える力を伸ばしていけるとよいと思います。

この先何年も続くものではない

毎日同じ遊び、同じ会話に付き合い続けるのはたしかに骨が折れますよね。
ですが、振り返ってみると「あんな時期もあったな」と過ぎていくもの。

長い目で見ると、親と一緒に遊ぶ時期はあっという間だと感じます。

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今しか見られない子どもの成長をゆっくり味わっていけるといいですよね。

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著者

yuko

yuko

臨床心理士・公認心理師。現在は小児の総合医療センターと大学の心理教育相談センターにて勤務。児童期から思春期の子どもへのカウンセリングやプレイセラピー、子育てに悩む保護者の方への育児相談を専門にしています。色彩心理学やカラーコーディネートについても学んでおります。

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