教えてくれたのは……内科消化器クリニック院長 福田頌子さん
愛知県にある「あさひの森 内科消化器クリニック」の院長。消化器病専門医、消化器内視鏡専門医、内科認定医、医学博士の資格あり。クリニックでは保険診療「便秘下痢外来」を開設し、自費診療では「腸内細菌外来」を開設し日々診療を行っている。
カテキン
主に緑茶に含まれるポリフェノールの一種であるカテキンは、腸内環境への影響が注目されています。
カテキンは抗酸化作用を持っており、腸内の有害な細菌の増殖を抑制し、善玉菌であるビフィズス菌や乳酸菌の増殖を促進すると言われています。腸内の微生物叢(腸内に生息する細菌のかたまり)のバランスが良好に保たれ、消化や免疫機能が改善される可能性も。
また、腸内の炎症が慢性化すると腸内の微生物叢に悪影響を与え、さまざまな消化器系の疾患のリスクが高まる可能性がでてきますが、カテキンは腸内の炎症を抑制することで、消化器系の健康をサポートしてくれる役割もあるのです。
研究はまだ進行中ですが、カテキンが腸内環境に与えるポジティブな影響は広く認識されています。ただしカテキンの過剰摂取は、胃酸の分泌を促し逆流性食道炎や胃潰瘍の原因となりえますので、飲み過ぎには注意してくださいね。
赤ワイン
赤ワインに含まれるポリフェノールの一種「レスベラトロール」が、腸内環境に対するいくつかの健康効果を持つという研究があります。
レスベラトロールは抗酸化作用を持ち、炎症を抑制することが示されています。これにより、腸内の微生物叢のバランスを整え、消化器系の健康をサポートします。
具体的にはレスベラトロールは腸内の有害な細菌の増殖を抑制し、善玉菌であるビフィズス菌や乳酸菌の増殖を促進すると報告されています。さらに、レスベラトロールは腸管粘膜の保護にも役立ち、消化器系の炎症や疾患のリスクを軽減する可能性があります。
こちらも飲み過ぎには注意が必要です。適度な摂取でお酒を楽しみ腸活になればよいですね。
冷ご飯
冷ご飯に含まれるレジスタントスターチは、人の消化酵素によって分解されず、小腸で吸収されないタイプの炭水化物です。消化されずに大腸に到達するため、腸内の善玉菌のエサとして機能し、腸内環境の改善につながると考えられています。
前回の「腸内環境に良い朝習慣」でもお話した通り、朝ごはんを食べることは腸内環境を整える上でとても大切な習慣です。忙しい朝だからこそ前日に炊いた冷ご飯で時短にもなりますので、朝ごはん習慣がない方は冷ご飯朝食習慣を取り入れるのはいかがでしょうか。